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事実に基づく政策論議のために社会保障費用統計の理論と分析

国立社会保障・人口問題研究所研究叢書
社会保障費用統計の理論と分析 事実に基づく政策論議のために

A5判 330ページ 上製
価格:4,950円 (消費税:450円)
ISBN978-4-7664-2126-2 C3333
奥付の初版発行年月:2014年03月 / 発売日:2014年03月下旬
発行:慶應義塾大学出版会  
発売:慶應義塾大学出版会
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内容紹介

OECD/ILO両基準統計の定義・構成を実務担当者らが解説した決定版!

さらに、少子高齢化、財政、雇用、女性・家族問題など重要課題との関連を、
長期時系列データや国際比較データを駆使して詳細に分析。
将来を見据えた冷静で建設的な政策論議に向け、確かな知的基盤を提供する。

研究者、政策担当者、ジャーナリスト必携の1冊。

著者プロフィール

西村 周三(ニシムラ シュウゾウ)

国立社会保障・人口問題研究所所長

上記内容は本書刊行時のものです。

(※目次順。[ ]内は担当章。肩書きは2014年3月31日現在。)
【監修者】
西村周三(にしむら しゅうぞう)[監修、序章、終章]
 国立社会保障・人口問題研究所所長

【編者】
国立社会保障・人口問題研究所

【執筆者】
勝又幸子(かつまた ゆきこ) [第1章、第5章、第9章、終章、Column2]
 国立社会保障・人口問題研究所情報調査分析部長
竹沢純子(たけざわ じゅんこ) [第2章、第3章、Column1]
 国立社会保障・人口問題研究所企画部第3室長
金子隆一(かねこ りゅういち) [第4章、第13章]
 国立社会保障・人口問題研究所副所長
佐々井司(ささい つかさ) [第6章]
 国立社会保障・人口問題研究所企画部第4室長
藤原朋子(ふじわら ともこ) [第7章]
 国立社会保障・人口問題研究所企画部長
藤井麻由(ふじい まゆ) [第8章]
 国立社会保障・人口問題研究所社会保障基礎理論研究部研究員
伊藤善典(いとう よしのり) [第10章]
 一橋大学経済研究所教授
小塩隆士(おしお たかし) [第11章]
 一橋大学経済研究所教授 
佐藤 格(さとう いたる) [第12章、Column3、Column4]
 国立社会保障・人口問題研究所社会保障基礎理論研究部第1室長

目次

はしがき
 
序章 政策論議とそれを支える事実(エビデンス) [西村 周三]
 1 はじめに――問題提起
 2 ILO 統計について
 3 OECD 統計について
 4 むすび

 第1部 社会保障費用統計の成り立ちと実際

第1章 社会保障の成り立ちと費用統計の歴史 [勝又 幸子]
 1 はじめに
 2 1950年度~1981年度
 3 1982年度~2001年度
 4 2002年度~2009年度
 5 2010年度から現在、そして近未来
 6 今後の課題と展望

第2章 社会保障費用統計の定義と構成 [竹沢 純子]
 1 OECD 基準の定義、集計対象、分類
  (1) 社会支出の定義・集計範囲
  (2) 政策分野別分類の定義と支出の具体例
 2 ILO 基準の定義、集計対象、分類
  (1) 収入の分類と定義
  (2) 支出の分類と定義
  (3) 他制度からの移転と他制度への移転

 Column 1 社会保障費用の国際基準の関係
 Column 2 各種統計におけるサービス(現物)給付の扱い

 第2部 日本社会の変容と社会保障

第3章 社会保障費用の動向 [竹沢 純子]
 1 OECD 基準社会支出の時系列推移――1980~2011年度
 2 ILO 基準社会保障給付費の時系列推移――1950~2011年度
  (1) 社会保障給付費の推移
  (2) 社会保障収入の推移:1960~2011年度

第4章 我が国の人口動向と社会保障
――過去から現在までの期間 [金子 隆一]
 1 人口と社会問題
 2 我が国の人口動向と社会保障の歩み
  (1) 戦前の人口動向
  (2) 終戦直後の人口動向
  (3) 戦後復興期~高度経済成長期の人口動向
  (4) 安定成長期~現在の人口動向
 3 おわりに

第5章 人口構造の変化と社会保障制度改革
――社会保障費用統計の動向から [勝又 幸子]
 1 はじめに
 2 終戦から戦後復興期と高度経済成長期の社会保障給付
  (1) 国民皆保険・皆年金の意味
  (2) 「もはや戦後ではない」といわれた時代
 3  2つのショック(第1次・第2次オイルショックと1.57ショッ
    ク)
    ――1970年代後半から1990年
  (1) 老人保健制度の創設
  (2) 国民基礎年金制度の創設
 4 1990年代から現在に至る少子高齢化と経済低成長の時代
  (1) 介護保険制度の導入
  (2) セーフティネットの再認識
 5 まとめにかえて

第6章 少子化と人口学的要因 [佐々井 司]
 1 近年の出生動向
 2 結婚動向と近年の特徴
 3 夫婦の出生動向
 4 結婚と出生との関係
 5 その他の留意事項

第7章 我が国の少子化政策の変遷と家族関係社会支出の推移
    [藤原 朋子]
 1 少子化対策の変遷
  (1) 少子化関連各種プランの変遷
  (2) 児童手当
  (3) 子ども・子育て支援新制度の創設と概要
 2 これまでの少子化対策と家族関係社会支出の関係の考察
  (1) 1990年度から2011年度の変化の概観
  (2) 家族関係社会支出の構成(現金・現物)の変容
  (3) 総括的考察
  (4) 家族関係社会支出の活用
  
第8章 日本の雇用保険制度と雇用政策 [藤井 麻由]
 1 はじめに
 2 雇用保険制度の概略
  (1) 給付・事業の種類と歳出
  (2) 資金の流れ
  (3) 適用条件
 3 失業等給付
  (1) 失業給付の制度
  (2) 失業給付に内在する問題と制度改正
  (3) セーフティネットとしての機能の低下
  (4) その他の給付
 4 就職支援事業
 5 雇用保険二事業
  (1) 雇用保険二事業の制度
  (2) 雇用調整助成金
 6 雇用保険制度の財源
  (1) 財源の推移
  (2) 財源を巡る議論
 7 結びにかえて

 第3部 日本の社会保障制度の課題と展望

第9章 国際比較の意義と実際 [勝又 幸子]
 1 はじめに
 2 社会保障費用統計の国際的展開
  (1) 初期の展開
  (2) 新たなニーズに対応した展開
  (3) 国際統計に共通する集計枠組み
  (4) 給付と租税支出の統合――純社会支出
 3 OECD SOCX の利用実例
 4 社会保障統計の利用上の留意点
 5 結語
  
第10章 先進国における高齢化と社会支出の動向
――収斂と多様化 [伊藤 善典]
 1 はじめに
 2 年金制度
  (1) 年金制度の体系
  (2) 年金改革の動向
  (3) 理念・制度・支出の収斂と多様化
 3 高齢者介護
  (1) 介護支出の動向
  (2) 高齢者介護政策の動向
  (3) 制度・支出の拡散
 4 今後の展望

第11章 女性の就業率、家族支援策と出生率
――OECD 加盟国における国際比較 [小塩 隆士]
 1 はじめに
 2 出生率の決定要因に関する先行研究
  (1) 女性の就業率との関係
  (2) 家族政策の効果
 3 データと分析手法
  (1) データ
  (2) 分析手法
 4 分析結果――記述統計分析
  (1) 底入れする出生率
  (2) クロスセクション・データでみた相関係数の変化
  (3) 各国別の動向
 5 分析結果――回帰分析
  (1) 女性の就業率と出生率
  (2) 家族社会支出と出生率
  (3) 推計期間のスライド
 6 分析結果の考察
  (1) 変化する女性の就業率と出生率との関係
  (2) 出生率を高める家族支援策
  (3) 出産・育児休業に伴う支出の効果
 7 結論

第12章 国民経済計算(SNA)と社会保障費用統計を用いたマクロ計量
     分析 [佐藤 格]
 1 はじめに
 2 SNA と社会保障費用統計の相違点
  (1) SNAにおける社会保障の取り扱い
  (2) SNAと社会保障統計の比較
  (3) 比較に用いるデータ
 3 モデル
  (1) モデルの特徴
  (2) データ
  (3) 推計とシミュレーション
 4 結果の比較
 5 結論
  
 Column 3 社会保障の将来を描く手法
 Column 4 GDPの構成要素と社会保障

第13章 人口の将来推計と社会保障
――日本の将来推計人口の見通しと社会保障制度に与える影響
  [金子 隆一]
 1 はじめに
 2 恒常的な人口減少
 3 人口高齢化の進展と社会保障の課題
 4 出生数、死亡数の動向と社会保障の課題
 5 おわりに――社会保障の新たなパラダイムを求めて

終章 事実(エビデンス)に基づく政策研究の展望
――本書の概要と位置づけ [西村 周三・勝又 幸子]
 1 はじめに
 2 第1部「社会保障費用統計の成り立ちと実際」の位置づけ
 3 第2部「日本社会の変容と社会保障」の位置づけ
 4 第3部「日本の社会保障制度の課題と展望」の位置づけ
 5 事実(エビデンス)に基づく政策研究の基礎資料
 6 社会保障費用統計が基幹統計指定されたことの意義


資料――基本データ

索引


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