現代の事例から学ぶサイエンスコミュニケーション 科学技術と社会とのかかわり,その課題とジレンマ
価格:5,280円 (消費税:480円)
ISBN978-4-7664-2203-0 C3040
奥付の初版発行年月:2015年04月 / 発売日:2015年04月上旬
▼豊富な事例から学ぶ “実践的” 教科書
いまや科学研究は学際融合して進み、関連する技術の成果は生活の中に浸み込み、社会のあるゆる場面に科学と技術が存在する。それに伴い、サイエンスコミュニケーションは社会のさまざまな領域に浸透し、それぞれの領域で具体的な課題を伴って顕在化してきている。
本書は、科学技術と社会とのあいだのさまざまなコミュニケーションを現代の実例を通して学ぶ、サイエンスコミュニケーションの教科書である。テーマとして、学術研究、公共政策、科学教育、倫理、リスク、気候変動、公衆衛生、宗教などを取り上げ、全17章の中でメディア、公聴会、講演会、授業、博物館、ウェブなどの多様な場面におけるコミュニケーションの成功または失敗の事例を紹介する。各章においては、より深く学びたい人のために豊富な文献に加えて練習問題や研究課題を設けている。
サイエンスコミュニケーションの多様性に悩み、その試行錯誤を行っているサイエンスコミュニケーター、研究者、学芸員、教員、リサーチアドミニストレーター(URA)、ジャーナリスト、広報担当者、さらにはサイエンスコミュニケーションの研究を志向している研究者、学生、教育者にとって、本書は必携の一冊となるであろう。
ジョン・K・ギルバート(John K. Gilbert)
レディンレディング大学名誉教授,キングス・カレッジ・ロンドン客員教授。国際科学教育誌 International Journal of Science Education (IJSE)パート A 編集長および(スーザン・ストックルマイヤー氏とともに)IJSE パート B “Communication and Public Engagement” の共同編集者。化学の専門知識を背景に,概念発達,モデルとモデル化,可視化など,科学の学習に関するあらゆるテーマについて研究を進めてきた。最近,これらの研究領域と,すべての人々のためのインフォーマル教育を関連づけはじめたところである。
グ大学名誉教授,キングス・カレッジ・ロンドン客員教授。
スーザン(またはスー)・ストックルマイヤー(Susan Stocklmayer AM)
オーストラリア国立大学科学意識向上センター(CPAS)所長,サイエンスコミュニケーション学教授。CPASはユネスコのサイエンスコミュニケーションセンターでもある。科学と公衆のインタフェースでの科学の学び,ジェンダー,多文化に関する問題をおもな研究テーマとしている。大学のアウトリーチ活動の一環として,世界の五大陸すべてにおいて,サイエンスショー,講義,ワークショップを行なっている。国際科学教育誌 International Journal of Science Education (IJSE) パート B “Communication and Public Engagement” の共同編集長。2004年オーストラリア勲章を授与された。
小川 義和(オガワ ヨシカズ)
国立科学博物館学習企画調整課長。筑波大学客員教授。博士(教育学)。アメリカ自然史博物館インターン,東京学芸大学大学院連合博士課程学校教育学研究科修了。専門はサイエンスコミュニケーション,科学教育,博物館教育。日本サイエンスコミュニケーション協会理事,日本科学教育学会編集委員,日本ミュージアムマネージメント学会理事,日本博物館協会編集委員。
加納 圭(カノウ ケイ)
滋賀大学教育学部理科教育講座科学コミュニケーション研究室准教授。京都大学物質-細胞統合システム拠点(WPI-iCeMS)科学コミュニケーショングループ特任准教授。博士(生命科学)。京都大学大学院生命科学研究科高次生命科学専攻修了。専門は科学コミュニケーション論,政策のための科学。平成26 年度文部科学大臣表彰・科学技術賞(理解増進部門)受賞。一般社団法人社会対話技術研究所代表理事,科学コミュニケーション研究会発起人。
常見 俊直(ツネミ トシナオ)
京都大学大学院理学研究科社会交流室講師。京都大学学際融合教育研究推進センター高大接続科学教育ユニット副ユニット長。博士(理学)。京都大学理学部卒業,東京大学大学院理学系研究科博士課程修了。専門は「理学と社会交流」,原子核・素粒子物理学。特定非営利活動法人花山星空ネットワーク理事。
上記内容は本書刊行時のものです。(※〔 〕内は担当章)
【編著者】
ジョン・K・ギルバート(John K. Gilbert)〔序文,10章〕
レディング大学名誉教授,キングス・カレッジ・ロンドン客員教授。国際科学教育誌 International Journal of Science Education (IJSE)パート A 編集長および(スーザン・ストックルマイヤー氏とともに)IJSE パート B “Communication and Public Engagement” の共同編集者。
スーザン(またはスー)・ストックルマイヤー(Susan Stocklmayer AM)〔序文,日本語版への序文,第2章,第11章〕
オーストラリア国立大学科学意識向上センター(CPAS)所長,サイエンスコミュニケーション学教授。
【著者】
小川正賢(Masakata Ogawa)〔第1章〕
東京理科大学科学教育研究科研究科長,科学教育学教授。
スゼット・D・サール(Suzette D. Searle)〔第3章〕
オーストラリア国立大学科学意識向上センターのポスドク。
ウィル・J・グラント(Will J. Grant)〔第4章〕
オーストラリア国立大学科学意識向上センター(CPAS)研究員,講師。
リンディ・A・オルティア(Lindy A. Orthia)〔第5章〕
オーストラリア国立大学科学意識向上センター(CPAS)講師。
クレイグ・トロンボ(Craig Trumbo)〔第6章〕
コロラド州立大学ジャーナリズム・技術コミュニケーション学科教授。
モーリス・M・W・チェン(Maurice M. W. Cheng)〔第7章〕
香港大学教育学部助教。
カーロック・ウォン(Ka Lok Wong)〔第7章〕
香港大学教育学部教育コンサルタント。
アーサー・M・S・リー(Arthur M. S. Lee)〔第7章〕
香港大学教育学部教育コンサルタント。
イダア・チーモ(Ida Ah Chee Mok)〔第7章〕
香港大学教育学部准教授・副学部長。
ロッド・ランバーツ(Rod Lamberts)〔第8章〕
オーストラリア国立大学科学意識向上センター(CPAS)副所長。
マイケル・J・リース(Michael J. Reiss)〔第9章〕
生物学者で教育者。ロンドン大学教育研究所の研究開発副部長兼科学教育教授,ロンドン科学学習センター主監など。
ショーン・ペレラ(Sean Perera)〔第11章〕
オーストラリア国立大学科学意識向上センター(CPAS)リサーチフェロー。
レオニー・J・レニー(Léonie J. Rennie)〔第12章〕
カーティン大学科学数学センターの科学技術名誉教授およびウェスタンオーストラリア大学のサイエンスコミュニケーション非常勤研究教授。
ジャスティン・ディロン(Justin Dillon)〔第13章〕
キングス・カレッジ・ロンドンの科学教育および環境教育教授,科学・技術教育グループリーダー。
マリー・ホブソン(Marie Hobson)〔第13章〕
ロンドン科学博物館の上級来館者代表。
イウン・チュン・リー(Yeung Chung Lee)〔第14章〕
香港教育研究所,科学・環境研究専攻准教授。
ジュリア・B・コベット(Julia B. Corbett)〔第15章〕
米国ユタ大学コミュニケーション学部教授。
ヨナ・セレティ(Yonah Seleti)〔第16章〕
南アフリカ科学技術省人的資本および知識体系部門の参事官代理,国立地域固有知識体系局の責任者。
クリス・ブライアント(Chris Bryant AM)〔第17章〕
1963年オーストラリア国立大学に着任し,動物学教授,理学部長,生物学科長を務める。
【監訳者】
小川 義和(おがわ よしかず)〔監訳,訳者まえがき〕
国立科学博物館学習企画調整課長。筑波大学客員教授。
加納 圭(かのう けい)〔監訳,日本語版への序文,第3章〕
滋賀大学教育学部理科教育講座科学コミュニケーション研究室准教授。京都大学物質-細胞統合システム拠点(WPI-iCeMS)科学コミュニケーショングループ特任准教授。
常見 俊直(つねみ としなお)〔監訳,はじめに,序文,第2章,第7章〕
京都大学大学院理学研究科社会交流室講師。京都大学学際融合教育研究推進センター高大接続科学教育ユニット副ユニット長。
【訳者】
工藤 充(くどう・みつる)〔第1章〕
京都大学物質-細胞統合システム拠点(WPI-iCeMS)科学コミュニケーショングループ特定研究員。学術博士(オーストラリア国立大学)。専門は科学技術社会論,サイエンスコミュニケーション。
仲矢史雄(なかや・ふみお)〔第4章〕
大阪教育大学科学教育センター特任准教授。理学博士。東京工業大学大学院生命理工学研究科修了。専門は科学技術コミュニケーション,理科教育,海産無脊椎動物学,Bioenergetics。科学読物研究会編集部員。
高梨直紘(たかなし・なおひろ)〔第5章〕
東京大学エグゼクティブ・マネジメント・プログラム室特任准教授。博士(理学)。東京大学大学院理学系研究科天文学専攻修了。国立天文台広報普及員,ハワイ観測所研究員,東京大学生産技術研究所特任助教を経て現職。専門は光赤外天文学および天文学分野の科学コミュニケーション論。天文学普及プロジェクト「天プラ」代表,天文教育普及研究会副会長,科学コミュニケーション研究会運営メンバー。
田中幹人(たなか・みきひと)〔第6章〕
早稲田大学大学院政治学研究科ジャーナリズムコース准教授。博士(学術)。東京大学大学院総合文化研究科修了。専門は科学ジャーナリズム研究,メディア研究。一般社団法人サイエンス・メディア・センターリサーチマネージャー。平成23 年度科学技術政策研究所「科学技術への顕著な貢献」受賞。科学コミュニケーション研究会発起人。
赤坂亮太(あかさか・りょうた)〔第8章〕
慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科KMD 研究所リサーチャー。修士(社会情報学)。慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科単位取得退学。専門は情報法,法と科学技術,ロボット法。
北原和夫(きたはら・かずお)〔第9章〕
東京理科大学大学院科学教育研究科教授。
都築章子(つづき・あきこ)〔第10章,第11章〕
特定非営利活動法人海の自然史研究所研究員。キングス・カレッジ・ロンドン大学院教育学研究科修士課程修了(科学教育学修士)。専門は科学教育。
渡辺千秋(わたなべ・ちあき)〔第12章〕
国立科学博物館事業推進部学習企画・調整課に所属。Master of Arts in Museum Studies (博物館学修士)。レスター大学ミュージアムスタディーズ修士課程修了。専門は博物館教育。
西森年寿(にしもり・としひさ)〔第13章〕
大阪大学大学院人間科学研究科臨床教育学講座教育工学研究分野准教授。大阪大学超域イノベーション博士課程プログラム兼任教員。大阪大学大学院人間科学研究科博士後期課程単位取得満期退学。博士(人間科学)。メディア教育開発センター助手,東京大学客員准教授を経て現職。専門は教育工学。
標葉隆馬(しねは・りゅうま)〔第14章〕
成城大学文芸学部マスコミュニケーション学科専任講師。博士(生命科学)。京都大学大学院生命科学研究科高次生命科学専攻修了(生命文化学分野)。日本学術振興会特別研究員(DC2),総合研究大学院大学先導科学研究科「科学と社会」分野助教を経て現職。専門は科学技術社会論。科学技術社会論学会事務局幹事。
東島 仁(ひがしじま・じん)〔第15章〕
信州大学医学部CITI JAPAN プロジェクト助教(特定雇用)。博士(生命科学)。京都大学大学院生命科学研究科高次生命科学専攻修了。専門は科学コミュニケーション,研究倫理,科学技術社会論。平成20 年度科学技術社会論学会柿内賢信記念賞受賞(奨励賞)。おもな訳書は『素粒子世界における事実と謎』(共訳,培風館,2007)。
吉田実久(よしだ・みく)〔第16章〕
コペンハーゲン大学理学部科学教育研究科博士課程在学。修士(学際情報学)。国際基督教大学教養学部卒業,東京大学大学院学際情報学府修士課程修了。専門は科学教育の文化研究,中等教育における教員の専門的成長。2011 年東アジア科学教育学会若手研究奨励賞受賞。日本科学教育学会国際交流委員会委員。
川本思心(かわもと・ししん)〔第17章〕
北海道大学大学院理学研究院物理学部門科学史研究室准教授。北海道大学CoSTEP(高等教育推進機構科学技術コミュニケーション教育研究部門)併任。博士(理学)。北海道大学大学院理学研究院生物科学専攻博士課程修了。専門は科学技術コミュニケーション,科学技術社会論。
目次
はじめに
序文
訳者まえがき
日本語版への序文
【第Ⅰ部 サイエンスコミュニケーションのモデル
―― 理論から実践へ ――】
第1章 サイエンスコミュニケーションの「デザインアプローチ」にむけて
小川正賢〔工藤 充 訳〕
1.1 はじめに
1.2 サイエンスコミュニケーションという場を理解するための目下の
取り組み
1.3 省察:サイエンスコミュニケーションの本質について
1.4 新しい枠組み:政策としてのサイエンスコミュニケーション
1.5 本枠組みから生じる問題
1.5.1 推進主体の価値指向
1.5.2 「科学リテラシー」とは何を指しているか
1.5.3 介入の対象者
1.5.4 介入をデザインする:欠けているピースを埋める
1.6 公共政策領域への移行:コーダ(CODA)
第2章 科学との対話
―― サイエンスコミュニケーションのモデル ――
スーザン・ストックルマイヤー〔常見俊直 訳〕
2.1 はじめに
2.2 サイエンスコミュニケーションのモデル
2.3 厄介な問題
2.4 モデル構築
2.4.1 誰がサイエンスコミュニケーションを行なうのか
2.4.2 サイエンスコミュニケーションの成果
2.4.3 3次元空間
2.5 モデルの使い方:コミュニケーションにおける課題の解決方法
2.6 おわりに
【第Ⅱ部 科学のコミュニケーションにおける挑戦】
第3章 科学者による市民との対話
スゼット・D・サール〔加納 圭 訳〕
3.1 レトリック
3.2 責 任
3.3 ルール
3.4 リスク
3.5 制 約
3.6 現実には
3.7 恩 恵
3.8 改善策
第4章 公共政策における科学技術の役割
―― 知識は何のために ――
ウィル・J・グラント〔仲矢史雄 訳〕
4.1 はじめに
4.2 政策立案とは何か
4.3 有益な情報とは:科学と政策のギャップ
4.3.1 時間枠
4.3.2 言 語
4.3.3 規 模
4.3.4 証 拠
4.3.5 適応(オリエンテーション):抽象化された世界観,位置づ
けられた世界観
4.4 解決策:ギャップを埋める
4.4.1 ギャップを埋める科学者
4.4.2 政策立案者の科学の活用
4.4.3 科学と政策のあいだで
第5章 科学技術に反対する市民とともに
リンディ・A・オルティア〔高梨直紘 訳〕
5.1 はじめに
5.2 科学への非難と擁護:私たちは同じことについて語っているのだ
ろうか
5.3 科学技術のデメリットと脅威
5.3.1 例1:ろう者コミュニティと人工内耳
5.3.2 例2:原子力,原子力災害,気候変動
5.3.3 例3:動物の同性愛行動と同性愛差別の科学
5.4 政策決定に人々を巻き込むことの重要性
5.5 科学に敵意をもった人々との対話を改善できた成功例
5.5.1 最初から人々を巻き込む
5.5.2 科学の透明性
5.5.3 長期間にわたる,人々を巻き込んだ対話
【第Ⅲ部 サイエンスコミュニケーションの主要テーマ】
第6章 リスクの意味をめぐるコミュニケーション
クレイグ・トロンボ〔田中幹人 訳〕
6.1 はじめに
6.2 リスク知覚の展望
6.3 楽観バイアス
6.4 重要要素のレビュー
6.5 リスク情報をコミュニケーションするために
6.6 リスクコミュニケーションの処方箋
6.7 おわりに
第7章 サイエンスコミュニケーションにおける定量リテラシー
モーリス・M・W・チェン、カーロック・ウォン、アーサー・M・S・リー、イダア・チーモ〔常見俊直 訳〕
7.1 数学的素養のアイデアと定量リテラシー
7.2 定量リテラシーを得るための挑戦
7.2.1 率と数
7.2.2 不確定性とリスク
7.2.3 単純な統計グラフの理解
7.3 サイエンスコミュニケーションを達成する:定量リテラシーの役
割
7.3.1 食料への混入(粉ミルクへのメラミン混入)
7.3.2 ナイチンゲールとデータ表現
7.3.3 ジョン・スノーとコレラ伝染
7.4 おわりに
第8章 科学技術における倫理と説明責任
ロッド・ランバーツ〔赤坂亮太 訳〕
8.1 状況説明
8.1.1 用語について
8.2 説明責任,倫理,科学
8.2.1 是非:倫理的な選択を行なう際の共通の立場
8.2.2 倫理的相対主義,倫理的主観主義,利己主義
8.3 何に,あるいは誰に,科学者は責任を有するか
8.3.1 情報提供,警告,あるいは社会貢献
8.3.2 政策と政治
8.3.3 説得,市民参加計画,フレーミング
8.3.4 開放性と共有
8.4 科学の公共的側面
8.5 倫理,説明責任,科学,そしてコミュニケーション
第9章 信念と証拠の価値
マイケル・J・リース〔北原和夫 訳〕
9.1 背 景
9.2 宗教にとってまた科学にとっての信念の重要性
9.3 進化に関する科学的合意
9.4 進化論を拒絶すること
9.5 BSEとGMOの教訓からサイエンスコミュニケーターはどのように
応答すべきか
9.6 学校の理科教室で進化を伝えること
9.7 科学博物館において進化を伝えること
9.8 宗教的な状況や宗教教育の授業のなかで進化を伝えること
9.9 まとめ
【第Ⅳ部 インフォーマル学習】
第10章 サイエンスコミュニケーションにおける学びを助ける
ジョン・K・ギルバート〔都築章子 訳〕
10.1 科学技術の重要性
10.2 科学について学ぶことが多くの人に「難しい」と思われている
のはなぜか
10.3 より学びやすくする
10.3.1 なじみのある重要な状況を取り上げる
10.3.2 用いる言語を意味あるものにする
10.3.3 考えをわかりやすく可視化する
10.3.4 言語モードを活用する
10.3.5 具象/実体モードを活用する
10.3.6 視覚モードを活用する
10.3.7 身振りを活用する
10.3.8 記号モードを活用する
10.3.9 説明の明確性
10.4 サイエンスコミュニケーションが効果的であったかどうかをど
のようにして判断するか
第11章 サイエンスコミュニケーションと科学教育
ショーン・ペレラ、スーザン・ストックルマイヤー〔都築章子 訳〕
11.1 はじめに
11.2 1980年代,1990年代のサイエンスコミュニケーションと科学
教育
11.3 今日のサイエンスコミュニケーションと科学教育:変革の時
11.4 探究を基本とする教授法
11.5 変革の実行にまつわる問題
11.6 教員研修プログラム
11.7 効果的なサイエンスコミュニケーションの原理に基づいた教員
研修の枠組み
11.8 まとめ
第12章 科学系博物館における科学技術コミュニケーションの実践
レオニー・J・レニー〔渡辺千秋 訳〕
12.1 はじめに
12.2 意図に関する考察
12.3 科学系博物館:科学館におけるサイエンスコミュニケーション
12.4 利用者と展示物間の相互作用とサイエンスコミュニケーション
12.5 博物館訪問の学習成果に関する研究
12.6 科学館と科学系博物館における研究事例
12.6.1 科学の本質とサイエンスコミュニケーションに関する利用
者の考え
12.6.2 Body Worlds and the Story of the Heart展に対する利用
者の反応
12.7 考察
【第Ⅴ部 科学と社会のあいだの現代的課題でのコミュニケーション】
第13章 地球規模の気候変動を伝える
―― 論点とジレンマ ――
ジャスティン・ディロン、マリー・ホブソン〔西森年寿 訳〕
13.1 はじめに
13.2 気候変動科学と専門用語
13.3 一般の人々は何を知り,信じているのか
13.4 大気科学:論争と混乱の源
13.5 一般の人々は何を,そして誰を信じているのか
13.6 信頼についての論点
13.7 一般の人々の信頼の水準
13.8 気候変動についての教師の見方
13.9 態度と行動を変える
13.10 気候変動の伝達の障壁
13.11 障壁を乗り越えるために
13.12 まとめ
第14章 危機的状況下におけるサイエンスコミュニケーション
―― 重症急性呼吸器症候群(SARS)の事例から ――
イウン・チュン・リー〔標葉隆馬 訳〕
14.1 はじめに
14.2 科学とサイエンスコミュニケーションの役割
14.2.1 レベル1:病気を理解し治療するためのサイエンスコミュニ
ケーション
14.2.2 科学コミュニティ内部におけるコミュニケーションへの影
響
14.2.3 レベル2:政策決定のためのサイエンスコミュニケーション
14.2.4 レベル3:科学と市民活動
14.3 世界保健機関(WHO)の役割
14.4 情報通信技術(ICT)のインパクトとマスメディア
14.5 得られた教訓と今後の課題
第15章 サスティナビリティのためのコミュニケーションの挑戦
ジュリア・B・コベット〔東島 仁 訳〕
15.1 はじめに
15.2 サスティナビリティの用例と修辞的な用法
15.3 サスティナビリティを実践する
15.4 高等教育におけるサスティナビリティ
15.5 サスティナビリティ・サイエンス
15.6 サスティナビリティに向けたコミュニケーションの挑戦
第16章 21世紀における地域固有の知識体系の価値
ヨナ・セレティ〔吉田実久 訳〕
16.1 はじめに
16.2 地域固有の知識体系の定義
16.2.1 なぜ地域固有の知識体系を学ぶのか
16.3 IKSの認識論とは何か
16.3.1 IKS認識論の構成要素
16.4 西洋近代科学とその批評
16.5 IKSと民主主義政治の探求
16.6 科学知識体系を豊かにする
第17章 サイエンスコミュニケーション
―― 人類の帰結 ――
クリス・ブライアント〔川本思心 訳〕
17.1 はじめに
17.2 創発現象
17.3 意識のいくつかの特質
17.4 信念体系とサイエンスコミュニケーション
17.5 サイエンスコミュニケーション:成功か失敗か
17.6 サイエンスコミュニケーションの新たな問題
17.7 サイエンスコミュニケーションとインターネット
17.8 まとめ
【付録】
1 さらなる探究に向けて
2 著者紹介
3 訳者紹介
4 訳語一覧
索引