出版文化史の東西 原本を読む楽しみ
徳永 聡子:編著
四六判 240ページ 並製
価格:2,970円 (消費税:270円)
ISBN978-4-7664-2220-7 C0000
奥付の初版発行年月:2015年04月 / 発売日:2015年04月下旬
価格:2,970円 (消費税:270円)
ISBN978-4-7664-2220-7 C0000
奥付の初版発行年月:2015年04月 / 発売日:2015年04月下旬
内容紹介
▼書物を見る眼、聴く耳を養うために ―― オリジナルへの回帰。
出版物を歴史的な流れのなかで理解するためには、原本(オリジナル)に立ち返り、それを同時代の社会・文化・歴史的文脈のなかで検討することがきわめて重要である。
本書は時代によって変わりゆく書物に刻み込まれた歴史を読み解くおもしろさを、日英・日西交流史四〇〇周年を記念し、日本、イギリス、スペインの中世から近代までの出版文化史としてたどるものである。
著者プロフィール
徳永 聡子(トクナガ サトコ)
慶應義塾大学文学部准教授。慶應義塾大学大学院文学研究科博士課程修了(文学博士)。
専門は中世イギリス文学、書誌学。著書に『文読む姿の西東:描かれた読書と書物史』、『中世主義を超えて:イギリス中世の発明と受容』、『世界を読み解く一冊の本』、『英語論文の書き方入門』(全て慶應義塾大学出版会、共著)、翻訳書に『初期イングランド印刷史 ―― キャクストンと後継者たち』(ロッテ・ヘリンガ著、雄松堂書店)などがある。
(※掲載順)
【編著者】
徳永 聡子(とくなが さとこ)
慶應義塾大学文学部准教授。慶應義塾大学大学院文学研究科博士課程修了(文学博士)。
【著者】
髙宮 利行(たかみや としゆき)
慶應義塾大学名誉教授。慶應義塾大学とケンブリッジ大学の英文学博士課程修了。専攻分野は中世英文学、書誌学、デジタル書物学。主な著書に『西洋書物学事始め』(青土社、1992年)、『グーテンベルクの謎:活字メディアの誕生とその後』(岩波書店、1999年)、『西洋書体の歴史:古典時代からルネサンスへ』(翻訳、慶應義塾大学出版会、2001年)がある。
林 望(はやし のぞむ)
作家。慶應義塾大学大学院博士課程修了。ケンブリッジ大学客員教授、東京藝術大学助教授等を歴任。専門は書誌学、国文学。『イギリスはおいしい』(平凡社)で 日本エッセイスト・クラブ賞、『ケンブリッジ大学所蔵和漢古書総合目録』(ケンブリッジ大学出版)で国際交流奨励賞、『謹訳源氏物語』(祥伝社)で毎日出版文化賞特別賞を受賞。エッセイ、小説、歌曲の詩作、古典文学論、能評論等著書多数。
折井 善果(おりい よしみ)
慶應義塾大学法学部准教授。東京大学大学院博士課程修了。学術博士。専門はスペイン文献学、思想史。主な著書に『キリシタン文学における日欧文化比較 ―― ルイス・デ・グラナダと日本』(教文館、2010年)、『ハーバード大学ホートン図書館蔵 ひですの経』(共著、八木書店、2011 年)、『ひですの経』(編著、教文館、2011年)がある。
佐々木 孝浩(ささき たかひろ)
慶應義塾大学附属研究所斯道文庫教授。慶應義塾大学大学院博士課程中途退学。専門は日本書誌学と和歌文学。主な著作に『古筆への誘い』(共著、三弥井書店、2005年)、『大島本源氏物語の再検討』(共著、和泉書院、2008年)、慶應義塾大学教養研究センター選書9 『触れ、語れ:浮世絵をめぐる知的冒険』(共著、慶應義塾大学教養研究センター、2011年)、『貴重書の挿絵とパラテクスト』(共著、慶應義塾大学出版会、2012年)などがある。
津田 眞弓(つだ まゆみ)
慶應義塾大学経済学部教授。日本女子大学大学院文学研究科日本文学専攻博士課程後期修了。博士(文学)。専門は日本近世文学(特に後期戯作)。主な著書に『山東京山年譜稿』(ぺりかん社、2004年)、『江戸絵本の匠 山東京山』(新典社、2005年)、慶應義塾大学教養研究センター選書9 『触れ、語れ:浮世絵をめぐる知的冒険』(共著、慶應義塾大学教養研究センター、2011年)などがある。
原田 範行(はらだ のりゆき)
東京女子大学教授。慶應義塾大学大学院博士課程修了。博士(文学)。専門は18世紀英文学および印刷出版文化史。主な著書に『図説本と人の歴史事典』(共著、柏書房、1997)、『読書の歴史』(翻訳、柏書房、1999)、『イギリス文学と旅のナラティヴ』(共著、慶應義塾大学出版会、2004)、『ヴィジュアル版ガリヴァー旅行記』(翻訳、岩波書店、2004)、『新しい世界への旅立ち』(共著、岩波書店、2006)、『クック南半球周航記』(翻訳、岩波書店、2006)、『中世主義を超えて ―― イギリス中世の発明と受容』(共編著、慶應義塾大学出版会、2009)、『イギリス詩人伝』(共訳、筑摩書房、2009)などがある。
目次
はじめに
写本から印刷本へ ― 「チョーサー全集」登場の舞台裏
徳永聡子
『アーサー王の死』の出版と受容の歴史
― キャクストン版(一四八五)からフィールド版(二〇一三)へ
髙宮利行
日本の印刷文化と文学[講義再録]
林 望
キリシタン版の研究からわかること ― 和書と洋書のあいだ
折井善果
日本の絵入り本の歴史 ― 絵本が出版されるまで
佐々木 孝浩
江戸の絵本で遊ぶ ― 『御存商売物』をどう読むか
津田 眞弓
書物をして近代を語らしめよ
― 出版文化史から見た近代イギリスのジャーナリズム、小説、実録
原田範行