マルクス経済学 第2版
価格:2,640円 (消費税:240円)
ISBN978-4-7664-2248-1 C3033
奥付の初版発行年月:2015年08月 / 発売日:2015年08月下旬
▼不安と混迷を深める資本主義社会を解剖する、最先端の大学教科書!
▼ピケティや進化経済学の成果も取り入れた増補改訂版!
資本主義が抱える問題を最も鋭利に洞察した思想家・マルクスの経済理論を、現代経済学の中に取り入れて平易かつ明快に解説した画期的なテキストの第2版。
新古典派経済学とマルクス経済学を接合し、現代経済学の中にマルクス経済学を位置付け直すことで、今日の経済現象を把握し、諸課題に取り組むための有効な思考・分析枠組みとして再構成した、新たなスタンダードテキスト。
第2版では、『資本論』第2巻、第3巻に対応する内容を解説する1章を新たに追加したほか、著者が3年間の講義で使う間に見出した改善点、ピケティを含めた学会の動向の反映など、解説の改良や追加を大幅に行っている。
目次
はしがき
第2版はしがき
第1章 マルクスの人間論
―― 唯物論としての人間・自然・生産関係
Ⅰ 土台としての生産活動
Ⅱ 上部構造の唯物論的理解
Ⅲ 土台が上部構造を規定するとはどういうことか
第2章 商品生産社会としての資本主義
―― 資本主義的生産力の量的性格、自己増殖する価値としての資本
Ⅰ 商品生産が一般化する条件としての生産力
Ⅱ 取引される生産物としての商品
―― 具体化された唯物論的人間観としての商品交換
Ⅲ 特殊な商品としての貨幣
―― 具体化された唯物論的人間観としての貨幣目的
Ⅳ 自己増殖する貨幣としての資本
―― 具体化された企業の生産目的としての利潤
第3章 工業社会としての資本主義
―― 資本主義的生産力の質、労働指揮権としての資本
Ⅰ 「労働指揮権」としての資本
Ⅱ 剰余価値の量的変動
Ⅲ 非工業部門における「産業革命」と資本主義化
第4章 資本主義の発展と死滅
―― 蓄積論、量が生み出す新しい質
Ⅰ 資本主義の生成・発展・死滅を説明するモデル
―― マルクス派最適成長モデル
Ⅱ 蓄積捨象の場合の再生産条件 ―― 単純再生産
Ⅲ 剰余価値の資本への転化 ―― 拡大再生産
Ⅳ 資本主義的蓄積の一般的傾向 ―― 資本主義的蓄積の終焉
Ⅴ 原始的蓄積と国家資本主義
第5章 資本主義的生産における剰余価値の諸部門への分配
Ⅰ 『資本論』の課題と構成
Ⅱ 資本の循環、回転および社会的再生産 ―― 資本の流通過程
Ⅲ 利潤、利子、地代への剰余価値の分配
―― 資本主義的生産の総過程
第6章 資本主義的生産に先行する諸形態
Ⅰ 迂回生産システムの飛躍的発展としての農業革命
Ⅱ 手工業における前封建制社会と封建制社会
Ⅲ サルが人間になるについての狩猟の役割
補論1 マルクス派最適成長論の分権的市場モデル
補論2 階級関係を組み込んだマルクス派最適成長モデルとその含意
補論3 牛耕の導入と普及による農家経営規模格差の変動モデル
数学付録 動学的最適化問題の解法について
参考文献
索引