色素細胞 第2版 基礎から臨床へ
価格:8,250円 (消費税:750円)
ISBN978-4-7664-2252-8 C3045
奥付の初版発行年月:2015年08月 / 発売日:2015年08月下旬
▼色素細胞の基礎研究から臨床までを網羅。
色素細胞を研究する各分野について,基礎から高度で最先端の内容までわかりやすくまとめた。2001年に初版が刊行されてから14年の月日が流れたが,初版の内容を尊重して踏襲しつつも,その間に著しく発展した領域を追加し,日本色素細胞学会の中核メンバーと新進気鋭の色素研究者が,全21章のなかで色素細胞の基礎から臨床までを,豊富な文献とともに解説した。
伊藤 祥輔(イトウ ショウスケ)
1945年生まれ。1967年大阪大学理学部化学科卒業,1972年名古屋大学大学院理学研究科博士課程修了。1985年藤田保健衛生大学衛生学部(現 医療科学部)教授。2010年より名誉教授として研究活動を継続。専門はメラニンの化学で,『The Pigmentary System』分担執筆など,メラニンに関する総説や原著論文多数。
柴原 茂樹(シバハラ シゲキ)
1950年生まれ。1975年東北大学医学部卒業,1979年東北大学大学院医学研究科博士課程修了。米国国立心肺血液研究所,京都大学医学部,フリードリッヒ-ミーシャ研究所(バーゼル)を経て,1988年より東北大学医学部教授。専門は生体色素(メラニンとヘム)の代謝制御で,主な著書に『The Pigmentary System』,『Blood: Principles and Practice of Hematology』(分担執筆)などがある。メラニンとヘムに関する総説や原著論文多数。
錦織 千佳子(ニシゴリ チカコ)
1955年生まれ。1980年神戸大学医学部卒業,1988年京都大学大学院医学研究科修了。京都大学助手,講師,助教授を経て,2003年より神戸大学大学院医学研究科教授。専門は皮膚科学で,『Cancer and Inflammation Mechanisms』分担執筆など,紫外線の生体への影響に関する総説やメラノーマに関する原著論文多数。
上記内容は本書刊行時のものです。【執筆者一覧】
第1章
國貞 隆弘(岐阜大学大学院医学系研究科組織器官形成分野)
吉田 尚弘(独立行政法人理化学研究所免疫・アレルギー科学総合研究セン
ター)
青木 仁美(岐阜大学大学院医学系研究科組織器官形成分野)
本橋 力(岐阜大学大学院医学系研究科組織器官形成分野)
第2章
川上 民裕(聖マリアンナ医科大学皮膚科学教室)
第3章
西村 栄美(東京医科歯科大学難治疾患研究所幹細胞医学分野)
第4章
廣部 知久(放射線医学総合研究所福島復興支援本部)
第5章
石田 森衛(東北大学大学院生命科学研究科生命機能科学専攻膜輸送機構解析
分野)
大林 典彦(筑波大学大学院医学医療系生理化学研究室)
福田 光則(東北大学大学院生命科学研究科生命機能科学専攻膜輸送機構解析
分野)
第6章
塚本 克彦(山梨県立中央病院皮膚科)
伊藤 祥輔(藤田保健衛生大学医療科学部化学教室)
第7章
庫本 高志(京都大学大学院医学研究科附属動物実験施設)
山本 博章(長浜バイオ大学バイオサイエンス学部バイオサイエンス学科)
第8章
武田 和久(東北大学大学院医学系研究科細胞生物学講座分子生物学分野)
大場 浩史(東北大学大学院医学系研究科基礎検査医科学領域内分泌応用医科
学分野)
柴原 茂樹(東北大学大学院医学系研究科細胞生物学講座分子生物学分野)
第9章
芋川 玄爾(中部大学応用生物学研究科)
肥田 時征(札幌医科大学医学部皮膚科学講座)
山下 利春(札幌医科大学医学部皮膚科学講座)
第10章
小野 裕剛(慶應義塾大学生物学教室)
第11章
若松 一雅(藤田保健衛生大学医療科学部化学教室)
伊藤 祥輔(藤田保健衛生大学医療科学部化学教室)
第12章
杉本 雅純(東邦大学理学部生物分子科学科)
第13章
深町 昌司(日本女子大学理学部物質生物科学科)
第14章
二橋美瑞子(茨城大学理学部理学科生物科学コース)
二橋 亮(国立研究開発法人産業技術総合研究所生物プロセス研究部門)
第15章
秋山 豊子(慶應義塾大学生物学教室)
第16章
大磯 直毅(近畿大学医学部皮膚科学教室)
鈴木 民夫(山形大学医学部皮膚科学講座)
深井 和吉(大阪市立大学大学院医学研究科皮膚病態学)
第17章
矢嶋伊知朗(名古屋大学大学院医学系研究科環境労働衛生学)
大神 信孝(名古屋大学大学院医学系研究科環境労働衛生学)
山本 博章(長浜バイオ大学バイオサイエンス学部環境生命科学コース)
加藤 昌志(名古屋大学大学院医学系研究科環境労働衛生学)
第18章
市橋 正光(再生未来クリニック神戸)
安藤 秀哉(岡山理科大学工学部バイオ・応用化学科)
第19章
船坂 陽子(日本医科大学皮膚科)
錦織千佳子(神戸大学大学院医学研究科内科系講座皮膚科学分野)
第20章
片山 一朗(大阪大学大学院医学系研究科内科系臨床医学専攻情報総合医学講
座)
種村 篤(大阪大学大学院医学系研究科内科系臨床医学専攻情報総合医学講
座)
第21章
高田 実(医療法人清音会岡田整形外科皮膚科)
岡 昌宏(神戸大学大学院医学研究科内科系講座皮膚科学分野)
中川 秀己(東京慈恵会医科大学皮膚科学講座)
目次
第1章 脊椎動物における色素細胞の発生
-神経堤からメラノサイトが出現するメカニズム-
國貞隆弘・吉田尚弘・青木仁美・本橋 力
第2章 メラノサイトの発生過程
川上民裕
第3章 色素幹細胞
西村栄美
第4章 メラノサイトの増殖・分化に働く外的要因
廣部知久
第5章 メラノソームの形成とケラチノサイトへの輸送
石田森衛・大林典彦・福田光則
第6章 メラニン生合成を規定する鍵酵素チロシナーゼと関連タンパク質
塚本克彦・伊藤祥輔
第7章 ネズミの毛色発現に関与する遺伝子
庫本高志・山本博章
第8章 色素細胞の分化を制御する転写因子MITF -多様な構造と機能-
武田和久・大場浩史・柴原茂樹
第9章 色素形成にかかわる細胞外シグナルおよび細胞内シグナル経路
芋川玄爾・肥田時征・山下利春
第10章 色素型転換の分子機構 -体表の模様はどのようにつくられる
か-
小野裕剛
第11章 メラニンの構造とその機能
若松一雅・伊藤祥輔
第12章 変温脊椎動物の色素細胞 -多様な体色と体色変化の仕組み-
杉本雅純
第13章 魚類における色素形成の遺伝的背景とその意義
深町昌司
第14章 昆虫の色素合成と紋様形成
二橋美瑞子・二橋 亮
第15章 色素異常症の動物モデルとしての鳥類色素変種
秋山豊子
第16章 遺伝子異常から解明される先天性異常症
大磯直毅・鈴木民夫・深井和吉
第17章 皮膚以外に存在するメラノサイトの機能
矢嶋伊知朗・大神信孝・山本博章・加藤昌志
第18章 紫外線からの生体防御と色素細胞の存在意義
市橋正光・安藤秀哉
第19章 メラノサイトの機能制御と美白
船坂陽子・錦織千佳子
第20章 尋常性白斑の診断と治療
片山一朗・種村 篤
第21章 メラノサイトの増殖性病変としての色素細胞母斑とメラノーマ
高田 実・岡 昌宏・中川秀己
略語一覧
付録 マウスとヒトの毛色,皮膚色,網膜色素上皮の色素形成にかかわる
遺伝子座
庫本高志・山本博章
索引
執筆者一覧