アカデミック・スキルズ
クリティカル・リーディング入門 人文系のための読書レッスン
価格:1,980円 (消費税:180円)
ISBN978-4-7664-2274-0 C2000
奥付の初版発行年月:2015年10月 / 発売日:2015年10月下旬
▼どうやって読んだらいいのか!?
レポート、論文、そして試験の答案を作成するために、まず必要となる「テキストを読む力」を身につける!
この本は、2012年に出版された『アカデミック・スキルズ ―― 大学生のための知的技法入門 第2版』のシリーズの姉妹編です。
大学生が直面する「レポート」や「論文」の執筆では、高校生までとは異なる「テキストを読む」レベルが求められています。そのときに「どうやって読んだらいいのか」、「感想文ではなぜ駄目なのか」、「何を論じたらいいのか分からない」という大学生がぶつかる悩みに、人文系の例題を使って答える一冊です。
大出 敦(オオデ アツシ)
1967年栃木県小山市生まれ。慶應義塾大学文学部卒業、筑波大学大学院後期博士課程単位取得退学。慶應義塾大学法学部教授。同大学教養研究センター副所長。専門はマラルメ、クローデル。主な著書に『マラルメの現在』(編著、水声社)、『日本におけるポール・クローデル ―― クローデルの滞日年譜』(共著、クレス出版)、訳書にアレクシス・フィロネンコ『ヨーロッパ意識群島』(共訳、法政大学出版局)などがある。
上記内容は本書刊行時のものです。【監修者】
慶應義塾大学教養研究センター
【著者】
大出 敦(おおで あつし)
慶應義塾大学教授
目次
はじめに
第1章 どうやって本を読む!?
あるいはどうやったら本を読める!?
1. 「どうやって本を読む?」
2. 感想文では駄目なのか
3. 小論文に欠けているもの
第2章 疑ってみよう、問いを立ててみよう
1. 大岡昇平と「堺事件」
2. 大岡昇平が「あれっ?」と思ったこと
3. 「堺事件」の「切盛」と「捏造」
4. 「堺事件」から学ぶべきこと
第3章 〈語の意味〉を疑ってみよう
1. 作者独特の言葉をあぶり出す
2. 何気ない語に目を向けよう
3. 日常語に気をつけよう
第4章 〈論理の構造〉を疑ってみよう
1. 接続詞や接続助詞から関係を見つけ出す
2. 演繹と帰納
3. 論証
4. 論理の流れを疑う
5. 論理の前提を疑う
第5章 理論の罠にはまるな
1. 幻想小説のためらい
2. 悲劇は合理的選択
3. 理論を作る
第6章 問いを発展させる
1. 構造を浮き彫りにする
―― フローベール『感情教育』の場合
2. 貨幣と想像力 ―― 村上春樹「パン屋襲撃」を読む
3. 拡張する「私」 ―― 中原中也「時こそ今は……」
4. 接ぎ木と断絶 ―― もう一つの「時こそ今は……」
第7章 クリティカル・リーディングから論文へ
おわりに
参考文献