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移民・難民とともに暮らし、互いに学ぶ社会へ多文化「共創」社会入門

多文化「共創」社会入門 移民・難民とともに暮らし、互いに学ぶ社会へ

A5判 218ページ 並製
価格:2,420円 (消費税:220円)
ISBN978-4-7664-2371-6 C0036
奥付の初版発行年月:2016年10月 / 発売日:2016年10月下旬
発行:慶應義塾大学出版会  
発売:慶應義塾大学出版会
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内容紹介

▼共生から「共創」の時代へ!
多様なルーツをもつ人々とともに暮らし、いのちを育み、まちを創る。
そんな時代を迎えて、私たちは何を語り合い、何に取り組むべきか? 
本書は、地域の取組みから世界情勢まで移民・難民に関する基礎と現実をやさしく解説。
高校・大学の授業や、自治体・企業研修に最適の入門書!

▼本書の特長
◆地域と世界をつなぐ視点……出産、学校、まちづくりといった身近な話題から国際紛争や人道的配慮まで。徐々に視野を広げながらバランスよく学習します。
◆キーワード解説……移民・難民に関する基礎知識や必須語句をやさしく解説。理解を深め、さらなる主体的学びへのステップアップを後押しします。
◆ディスカッション・タイム……各章末には対話・討議するためのテーマを設定。語り合いは思索を深め、異なる考えを受け入れ新たな共創価値を発見します。

著者プロフィール

小泉 康一(コイズミ コウイチ)

大東文化大学国際関係学部教授
主要業績に、『グローバル時代の難民』(ナカニシヤ出版、2015年)、Urban Refugees: Challenges Protection, Services and Policy (Gerhard Hoffstaedterとの共編著、Routledge, 2015)など。

川村 千鶴子(カワムラ チズコ)

大東文化大学環境創造学部教授
主要業績に、『多文化都市・新宿の創造 ―― ライフサイクルと生の保障』(慶應義塾大学出版会、2015年)、『多文化社会の教育課題 ―― 学びの多様性と学習権の保障』(編著、明石書店、2014年)など。

上記内容は本書刊行時のものです。

【執筆者】
五十嵐 ゆかり(いがらし ゆかり)
聖路加国際大学大学院看護学研究科ウィメンズヘルス・助産学准教授
主要業績に、「第3章第3節 在日外国人の母子保健」(有森直子編著『母性看護学Ⅰ概論』医歯薬出版、2015年)、「日本における難民女性のリプロダクティブヘルスの現状」(『日本助産学会誌』24(2)、2014年)など。

渡辺 幸倫(わたなべ ゆきのり)
相模女子大学学芸学部教授
主要業績に、「国際結婚家庭の子育て戦略 ―― 韓国在住韓日カップルの日本人『父親』と『母親』の語りから」(藤田ラウンド幸世、宣元錫との共著、『相模女子大学紀要』79、2015年)、「日本の多文化家庭の子育て課題 ―― 中国人、韓国人を妻とした日本人夫の語りから」(川村千鶴子編著『多文化社会の教育課題 ―― 学びの多様性と学習権の保障』明石書店、2014年)など

齋藤 俊輔(さいとう しゅんすけ)
大東文化大学外国語学部特任講師
主要業績に、『インディア領の成立とポルトガル人の定住 ―― ポルトガルのアジア進出史の再検討』(大東文化大学東洋研究所、2016年)、「在日ブラジル人学校における日本語教育の現状 ―― N校における江副式日本語教授法の導入を事例に」(『大東アジア学論集』13、2013年)など。

長谷部 美佳(はせべ みか)
東京外国語大学世界言語社会教育センター特任講師
主要業績に、『多文化社会読本 ―― 多様なる世界、多様なる日本』編著、東京外国語大学出版会、2016年)、「インドシナ難民家族の高校進学と支援者の役割」(川村千鶴子編著『多文化社会の教育課題 ―― 学びの多様性と学習権の保障』明石書店、2014年)など。

郭 潔蓉(かく いよ)
東京未来大学モチベーション行動科学部教授
主要業績に、「異文化におけるダイバーシティマネジメント ―― プノンペン経済特区の事例研究から」(日本比較文化学会関東支部編『交錯する比較文化学』開文社、2016年)、『グローバル教育の現在(いま)』(共著、ムイスリ出版、2015年)など。

藤巻 秀樹(ふじまき ひでき)
北海道教育大学教育学部国際地域学科教授
主要業績に、「パリ同時多発テロとフランスの移民問題」(『日仏政治研究』10、2016年)、『移民列島ニッポン ―― 多文化共生社会に生きる』(藤原書店、2012年)など。

川野 幸男(かわの ゆきお)
大東文化大学経済学部教授
主要業績に、「ヒスパニックのアメリカ『同化』 ―― 民族・世代間婚を指標として」(『経済研究』27、大東文化大学経済研究所、2014年)、「婚姻によるメキシカン・マイノリティ同化の実態 ―― 対数線形モデルによる民族・世代間結婚の分析」(『年報社会学論集』24、関東社会学会、2011年)など。

錦田 愛子(にしきだ あいこ)
東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所准教授
主要業績に、『移民/難民のシティズンシップ』(編著、有信堂高文社、2016年)、「パレスチナ人のグローバルな移動とナショナリズム ―― 『中心』を相対化する『周辺』の日常実践」(三尾裕子・床呂郁哉編『グローバリゼーションズ ―― 人類学、歴史学、地域研究の現場から』弘文堂、2012年)など。

池田 丈佑(いけだ じょうすけ)
富山大学人間発達科学部准教授
主要業績に、『難民・強制移動研究のフロンティア』(編著、現代人文社、2014年)、『英国学派の国際関係論』(編著、日本経済評論社、2013年)など。

上野 友也(かみの ともや)
岐阜大学教育学部准教授
主要業績に、『戦争と人道支援 ―― 戦争の被災をめぐる人道の政治』(東北大学出版会、2012年)など。

新垣 修(あらかき おさむ)
国際基督教大学教養学部教授
主要業績に、Refugee Law and Practice in Japan(Ashgate,2008),“Nonstate Actors and UNHCR’s Supervisory Role in International Relations”(James C. Simeon ed., The UNHCR and the Supervision of International Refugee Law, Cambridge University Press, 2013)など。

杉木 明子(すぎき あきこ)
神戸学院大学法学部教授
主要業績に、『国際関係のなかの子どもたち』(共著、晃洋書房、2015年)、『地域紛争の構図』(共著、晃洋書房、2013年)など。

久保山 亮(くぼやま りょう)
専修大学人間科学部兼任講師
主要業績に、「ドイツにおける選別的移民政策 ―― 過去10年の移民政策改革を振り返る」(小井土彰宏編『移民受入の国際社会学』名古屋大学出版会、近刊)、「5つの滞在正規化レジーム ―― ヨーロッパ15ヵ国とEUの非正規滞在・就労への『正規化政策』の比較」(近藤敦ほか編『非正規滞在者と在留特別許可 ―― 越境者たちの過去、現在、未来』日本評論社、2010年)など。

藤本 俊明(ふじもと としあき)
武蔵野大学教養教育リサーチセンター客員准教授、難民研究フォーラム世話人
主要業績に、『テキストブック国際人権法』(共著、日本評論社、2015年)、『人権政策学のすすめ』(共著、学陽書房、2003年)など。

森谷 康文(もりたに やすふみ)
北海道教育大学教育学部国際地域学科准教授
主要業績に、「オーストラリアの難民定住支援施策における新自由主義の影響に関する一考察」(『移民政策研究』8、2016年)、「難民の健康問題 ―― 健康の社会的決定要因の視座から」(墓田桂ほか編著『難民・強制移動研究のフロンティア』現代人文社、2014年)など。

目次


まえがき   川村 千鶴子

 第1部 移民・難民理解へのアプローチ

第1章 学びの多様性と多文化共創能力
―― 親密圏と社会統合政策   川村 千鶴子
  はじめに
 1 フォーマルな学びとノンフォーマルな学び
 2 親密圏と統計資料には見えない数値
 3 難民とともに生きる――人道危機と国際社会を学ぶ
 4 日本人の多様性――海外帰国子女から学ぶ
 5 人の異なりと多重知能理論
 6 生涯を通して学び合う ―― ライフサイクルの視座
  おわりに

第2章 多文化と医療
―― 性と生殖を守るために   五十嵐 ゆかり
  はじめに
 1 医療現場における課題
 2 課題の解決のために、あなたは何ができるか
 3 リプロダクティブヘルス・ライツとは
  おわりに

第3章 家族の変化を知る
―― 多文化な家族と地域社会   渡辺 幸倫
  はじめに
 1 日本在住の国際結婚家庭の状況
 2 中国や韓国に住む日本人の父親のケース
  おわりに

第4章 多文化共生の担い手を育てる
―― 群馬県大泉町での日本語教育   齋藤 俊輔
  はじめに ―― 多文化社会における日本語教育の重要性
 1 大泉町におけるブラジル人コミュニティ
 2 大泉町における日本語教育
  おわりに

 第2部 多文化共創まちづくりへの基礎知識

第5章 エスニック・コミュニティと行政の役割
―― 外国籍住民が「主体」になるために   長谷部 美佳
  はじめに
 1 日本のエスニック・コミュニティの現状
 2 エスニック・コミュニティの役割と限界
 3 エスニック・コミュニティと行政の連携
 4 エスニック・コミュニティと地域、市民団体との連携
 5 外国籍住民――支援対象から地域の主体へ
  おわりに

第6章 企業が取り組む多文化共創
―― CSRとダイバーシティ・マネジメント   郭 潔蓉
  はじめに
 1 グローバル化と企業組織の多国籍展開
 2 外国人雇用の傾向と課題
 3 「ダイバーシティ・マネジメント」とは
  おわりに

第7章 日本の移民・難民政策   藤巻 秀樹
  はじめに
 1 移民政策不在の日本
 2 社会統合への模索
 3 難民鎖国ニッポン
 4 グローバル人材を求めて
  おわりに

第8章 エスニシティの形成と創造
―― マジョリティ・マイノリティ関係の動態   川野 幸男
  はじめに
 1 マジョリティとは何か ―― 喪失と忘却の共同体
 2 エスニシティの形成 ―― 国家とマジョリティの役割
 3 マイノリティを引き受けること ―― 創造するエスニシティ
 4 マジョリティの観点 ―― 加害や犠牲の事実に真摯に向き合う
  おわりに

第9章 外国人の市民権とは
―― グローバル市民への視点   錦田 愛子
  はじめに ―― 人はなぜ移動するのか
 1 人を守る仕組みとしての市民権
 2 国籍の取得をめぐって
 3 市民となるための葛藤
 4 多文化社会をめぐる課題
  おわりに

 第3部 人の移動から世界を読み解く

第10章 現代世界の人の移動
―― 複合する危機と多様な人々   小泉 康一
  はじめに
 1 危機の時代
 2 難民/移民の区分に合わない人々
 3 高くなる国境の壁と密輸業の隆盛
 4 出口が見えない解決への道筋
  おわりに

第11章 人はどう動いてきたのか
―― 世界の変化と人の移動   池田 丈佑
  はじめに ―― 「ホモ・モーベンス」としての人間
 1 自然環境と移動
 2 宗教と移動
 3 迫害と移動
 4 移動と主権・国家
  おわりに

第12章 世界は人々をどのように守ってきたのか
―― ルール・組織と活動・恒久的解決   上野 友也
  はじめに
 1 難民を守るためのルール
 2 難民を守るための組織と活動
 3 難民の問題を解決するためには
  おわりに

第13章 私はどこに属しているの?
―― 無国籍に対する国際的取り組み   新垣 修
  はじめに
 1 無国籍者の地位に関する条約
 2 無国籍の削減に関する条約
 3 UNHCRの役割と活動
  おわりに

 第4部 21世紀をグローバルに考える

第14章 途上国では、いま何がおきているのか
―― ソマリアの事例から   杉木 明子
  はじめに
 1 ソマリ社会とソマリアにおける紛争
 2 ソマリアにおける国内避難民問題
 3 ケニアにおけるソマリア難民の状況
  おわりに

第15章 難民流入に対するEUの移民・難民政策   久保山 亮
  はじめに
 1 移民・難民政策の「共同体化」はどこまで進んだか
 2 EUと難民 ―― 「要塞ヨーロッパ」の高い壁
  おわりに

第16章 国境を越える民、国家を超える人権
―― 移民・難民の人権保護と国際人権法   藤本 俊明
  はじめに
 1 人権保護としての移民・難民の保護
 2 国際人権法における移民・難民の人権
 3 日本における移民・難民の人権保護
  おわりに

第17章 難民の定住と心的トラウマの影響   森谷 康文
  はじめに
 1 定住に先立つ体験
 2 難民の体験が与える定住生活への影響
 3 日本における難民の定住支援の課題
  おわりに

第18章 移民・難民への見方を問い直す
――〝新しい人道主義〟を超えて   小泉 康一
  はじめに
 1 難民は各自違う
 2 〝人道〟という言葉の危うさ
 3 〝模範的な人道主義〟と〝政治的な人道主義〟
  おわりに


あとがき   小泉 康一
資 料


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