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日英経済関係史研究 1860~1940

日英経済関係史研究 1860~1940

A5判 448ページ 上製
価格:4,400円 (消費税:400円)
ISBN978-4-7664-2399-0 C3033
奥付の初版発行年月:2017年06月 / 発売日:2017年06月下旬
発行:慶應義塾大学出版会  
発売:慶應義塾大学出版会
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内容紹介

▼日英関係にみる歴史の教訓

幕末から第2次大戦までの日英関係を広くグローバル・ヒストリーのなかに位置づけ、アジアを舞台として英国への依存から自立、協調と競争、対立、そして戦争へと向う近代日本の姿を克明に描き出した珠玉の論考。

著者プロフィール

杉山 伸也(スギヤマ シンヤ)

慶應義塾大学名誉教授
1972年早稲田大学政治経済学部卒業, 81年ロンドン大学大学院博士課程修了(Ph.D.),同年ロンドン大学政治経済学院(LSE)専任研究員,84年慶應義塾大学経済学部助教授,91年より同教授,2014年名誉教授。
著書に,『グローバル経済史入門』(岩波新書,2014年),『日本経済史 近世-現代』(岩波書店,2012年),『明治維新とイギリス商人』(岩波新書,1993年),Japan's Industrialization in the World Economy, 1859~1899 (Athlone Press, 1988),編著書に『馬場辰猪 日記と遺稿』(慶應義塾大学出版会,2015年),『日本石炭産業の衰退』(慶應義塾大学出版会,2012年),『岩波講座「帝国」日本の学知』第2巻(岩波書店,2006年),『日英交流史』第4巻(経済)(東京大学出版会,2001年),『近代アジアの流通ネットワーク』(創文社,1999年)などがある。

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

序 章
 一 日英経済関係史へのアプローチ
 二 利用資料について
 三 本書の構成

第一章 日英経済関係史 一六〇〇~一九四一年
 一 徳川時代の日英貿易関係
  1 外交関係樹立まで(一六〇〇~一八五四年)
  2 日英協約と日英修好通商条約の締結
 二 対英「依存」から「パートナー」へ―― 「不平等」条約下の日英
 経済関係
  1 日本における英国企業
  (1) 英国系商社・銀行の進出
  (2) 英国商社の活動と居留地貿易
  (3) 日本における英国商人―― トマス・グラバーとエドワード・
   ハンター
  2 貿易と金融
  (1) 日英貿易の動向
  (2) 日本の対外経済政策
  (3) 英国における日本企業
  3 日本の産業化における英国の貢献
  (1) 岩倉使節団と御雇外国人
  (2) 英国帰りの日本人技術者
  4 日本の輸入市場をめぐる日英関係―― 綿糸・綿織物と砂糖
  (1) 綿糸・綿織物
  (2) 砂糖
  5 アジア市場をめぐる日英関係―― 石炭と海運
  (1) アジア石炭市場における日英関係
  (2) 海運をめぐる日英関係―― P&O汽船との競争と日本郵船ボン
  ベイ航路
  6 金本位制の確立と「不平等」条約の終焉
 三 協調から競争、対立、そして戦争へ―― 一九〇〇~一九四一年の
 日英関係
  1 貿易と資本移動
  (1) 貿易関係
  (2) 資本輸入
  (3) 英国の対日投資と技術移転
  2 中国をめぐる日英経済関係
  (1) 綿糸・綿織物市場と中国民族紡の発展
  (2) 航運をめぐる日英関係―― 長江(揚子江)航路と台湾沿岸航
  路
  (3) 中国精糖市場をめぐる競争
  (4) 対中国資本投資をめぐる日英関係
  3 アジア市場をめぐる日英の貿易摩擦
  (1) 綿織物市場をめぐる競争―― 英国、日本、インド
  (2) 海運業をめぐる日英の経済摩擦
  4 対立から戦争へ―― 一九三七~四一年

第二章 トマス・B・グラバー―― 幕末・維新期の英国商人
  はじめに
 一 長崎開港とグラバー商会の設立
 二 初期のグラバー商会 一八六一~六三年
 三 発展期のグラバー商会 一八六四~六七年
  1 経営規模の拡大―― 商会組織と支店網の拡大
  2 艦船および武器取引
  3 武器・弾薬類の輸入
  4 薩摩藩との関係
  5 通貨両替と地金輸入
 四 グラバー商会の衰退 一八六八~七〇年
  1 長崎貿易の縮小と兵庫・大阪の開港・開市
  2 高島炭鉱の開発
  3 グラバー商会の再編
  4 ジャーディン・マセソン商会に対する債務
  5 オランダ貿易会社の介入
  6 グラバー商会の破産
  おわりに

第三章 日本石炭産業の発展とアジア石炭市場
  はじめに
 一 上海石炭市場の構造
 二 香港石炭市場の構造
 三 シンガポール石炭市場の構造
 四 日本石炭産業の発展と石炭輸出
  おわりに

第四章 東アジアにおける繊維市場 一八六〇~一九一四年
  はじめに
 一 欧米貿易商の輸入取引
 二 中国の繊維市場と貿易
  1 綿糸・綿織物市場
  2 オークション制度
  3 綿糸・綿織物取引
  4 日本製綿糸・綿布の進出
 三 日本の繊維市場と貿易
  1 繊維市場と貿易
  2 輸入品の取引システム
  3 外国商会の輸入取引
  おわりに

第五章 一九世紀後半期における東アジア精糖市場の構造
  はじめに
 一 日本の砂糖市場
 二 中華糖局の設立
 三 太古糖房の設立と中華糖局
 四 一八九〇年代――銀価下落と販売協定
  おわりに

第六章 中国におけるスワイア商会 一八六七~一九一四年
  はじめに
 一 スワイア商会ロンドン本店
 二 バタフィールド・アンド・スワイア商会
 三 中国航業会社
 四 太古糖房
 五 太古船渠会社
 六 天津艀船会社
  おわりに

第七章 日本糖の中国進出とスワイア商会 一九〇三~三一年
  はじめに
 一 中国の砂糖市場
  1 中国の砂糖貿易
  2 日本糖の中国市場進出
 二 日本製糖業の発展と中国市場
  1 日本精糖業の発展
  2 日本の砂糖貿易の構造
  3 第一次大戦期の精糖輸出と中国市場
  4 一九二〇年代の精糖輸出と中国市場
 三 スワイア商会の市場戦略―― 地方販売代理店制度
 四 一九三〇年代におけるスワイア商会の市場戦略
  おわりに

第八章 戦間期日本の綿製品輸出と貿易摩擦
  はじめに
 一 日本綿工業の発展
 二 日本の綿糸・綿織物貿易
 三 英国の日本綿工業に関する認識の変化
 四 インド市場と日印会商・日英会商
  1 インド市場と関税
  2 日印会商と日英会商
  3 日印会商その後
 五 蘭領東インドへの進出と日蘭会商
  1 日本製品の進出
  2 日蘭会商
  おわりに

補論 英国商社研究史の動向と課題
  はじめに
 一 ジャーディン・マセソン商会(怡和洋行)
  1 中国研究
  2 日本研究
 二 スワイア商会とバタフィールド・アンド・スワイア商会
 (太古洋行)
 三 そのほかの英国企業
  おわりに

あとがき
初出一覧
参考文献
図表一覧
索引


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