暴政 20世紀の歴史に学ぶ20のレッスン
価格:1,320円 (消費税:120円)
ISBN978-4-7664-2438-6 C0030
奥付の初版発行年月:2017年07月 / 発売日:2017年07月中旬
▼政治においては、
騙された、というのは
言い訳にはならない。
――レシェク・コワコフスキ
ファシストは日々の暮らしのささやかな〈真実〉を軽蔑し、
新しい宗教のように響き渡る〈スローガン〉を愛し、
歴史やジャーナリズムよりも、つくられた〈神話〉を好んだ。
事実を放棄するのは、〈自由〉を放棄することと同じだ。
ファシズム前夜――
いまこそ、本を積み上げよう。〈真実〉があるのを信じよう。
歴史の教訓に学ぼう。
気鋭の歴史家ティモシー・スナイダーが、現在、世界に台頭する
圧政の指導者に正しく抗うための二〇の方法をガイドする。
解説 = 国末憲人
ティモシー・スナイダー(Timothy Snyder)
1969年オハイオ州生まれ。イェール大学歴史学部リチャード・レヴィン講座教授。オクスフォード大学でPh.D.を取得。専攻は中東欧史、ホロコースト史、近代ナショナリズム研究。邦訳されている著書として『赤い大公――ハプスブルク家と東欧の20世紀』『ブラックアース――ホロコーストの歴史と教訓』(共に慶應義塾大学出版会、2014年、2016年)、『ブラッドランド――ヒトラーとスターリン 大虐殺の真実』(2015年)、インタビュアーを務めたトニー・ジャットの遺著『20世紀を考える』(2015年)がある。11のヨーロッパ系言語(とりわけスラヴ系言語)を駆使することで、ホロコースト研究に新しい地平を拓いた。ハンナ・アーレント賞をはじめ多彩な受賞歴を誇る。有力紙誌への寄稿も数多い。
池田 年穂(イケダ トシホ)
1950年横浜市生まれ。慶應義塾大学名誉教授。ティモシー・スナイダーの日本における紹介者として、本書のほかに『赤い大公――ハプスブルク家と東欧の20世紀』『ブラックアース――ホロコーストの歴史と教訓』(慶應義塾大学出版会、2014年、2016年)を翻訳している。ほかにタナハシ・コーツ『世界と僕のあいだに』(同、2017年)、マーク・マゾワー『国連と帝国――世界秩序をめぐる攻防の20世紀』(同、2015年)、アダム・シュレイガー『日系人を救った政治家ラルフ・カー』(水声社、2013年)など多数の訳書がある。
上記内容は本書刊行時のものです。
目次
プロローグ◆歴史と暴政
1 忖度による服従はするな
2 組織や制度を守れ
3 一党独裁国家に気をつけよ
4 シンボルに責任を持て
5 職業倫理を忘れるな
6 準軍事組織には警戒せよ
7 武器を携行するに際しては思慮深くあれ
8 自分の意志を貫け
9 自分の言葉を大切にしよう
10 真実があるのを信ぜよ
11 自分で調べよ
12 アイコンタクトとちょっとした会話を怠るな
13 「リアル」な世界で政治を実践しよう
14 きちんとした私生活を持とう
15 大義名分には寄付せよ
16 他の国の仲間から学べ
17 危険な言葉には耳をそばだてよ
18 想定外のことが起きても平静さを保て
19 愛国者たれ
20 勇気をふりしぼれ
エピローグ◆歴史と自由
解説 国末憲人
訳者あとがき