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自衛隊に軍法会議は不要か軍法会議のない「軍隊」

軍法会議のない「軍隊」 自衛隊に軍法会議は不要か

四六判 192ページ 並製
価格:1,980円 (消費税:180円)
ISBN978-4-7664-2453-9 C0031
奥付の初版発行年月:2017年08月 / 発売日:2017年08月上旬
発行:慶應義塾大学出版会  
発売:慶應義塾大学出版会
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内容紹介

自衛隊に軍法会議は不要か

常に負のイメージで語られる軍法会議。
はたして我々は軍法会議、軍の司法制度の正確な知識をもっているだろうか?

常に負のイメージで語られる軍法会議。またこれをもたない「軍隊」自衛隊。

当然のごとく認識されている状況は果たして正しいのか? そもそも「軍法会議」とはどのような制度なのか? 
われわれは軍法会議、軍の司法制度の正確な知識をもっているだろうか?

憲法改正が議論される現在にこそ、すでに忘れ去られ葬り去られようとしている軍の司法制度に関する、いずれにも偏ることのない客観的かつ正確な情報を提示し、軍と司法の関係を問う。

著者プロフィール

霞 信彦(カスミ ノブヒコ)

1951年生まれ。慶應義塾大学名誉教授(前法学部教授)。慶應義塾大学大学院法学研究科公法学専攻博士課程単位取得退学。法学博士(慶應義塾大学)。
主要著作:『明治初期刑事法の基礎的研究』(慶應義塾大学法学研究会叢書、1990年)、『日本法制史 史料集』(共編、慶應義塾大学出版会、2003 年)、『矩を踰えて 明治法制史断章』(慶應義塾大学出版会、2007年)、峯村光郎(田中実補訂)『改訂・法学(憲法を含む)』(霞信彦ほか改訂、慶應義塾大学通信教育部、2010年)、『日本法制史Ⅱ―中世・近世・近代』(共著、慶應義塾大学通信教育部、2012年)、『法学概論』(慶應義塾大学出版会、2015年)、『法学講義ノート 第6版』(慶應義塾大学出版会、2016年)、『明治初期伺・指令裁判体制の一掬』(慶應義塾大学出版会、2016年)他。

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

Ⅰ なぜいま軍法会議か?
「軍」という存在/本書を上梓したきっかけ/重武装集団の抱える矛盾/
軍の司法制度と正面から向かい合う/筆者のこと

Ⅱ 軍法会議の成り立ち
江戸幕府の内政と外交を垣間見ながら/フランスの最新制度、江戸幕府へ
伝来/不平等条約という重荷/明治新政府の外交政策と「法の近代化」

Ⅲ 近代の軍法会議
近代軍司法制度の形成/「海陸軍刑律」の刑罰/陸軍裁判所/津田真道と
西周/陸軍刑法の編纂と井上義行/旧陸軍刑法と編纂関係者たちの履歴/
旧陸軍刑法の完成/四将軍上奏事件/旧陸軍刑法の内容/抗命罪とイン
パール作戦/擅権罪、辱職罪、侮辱罪、逃亡罪/陸軍治罪法の完成/
陸軍治罪法の特色と終戦/これまでのまとめにかえて

Ⅳ 描かれた軍法会議
「軍法会議」を体感する/『ア・フュー・グッドメン』/米国海軍の軍事
法廷/不条理な命令と「抗命罪」/軍法会議の「光」の部分/軍刑法に特
有の原理/結城昌治『軍旗はためく下に』/軍法会議の「闇」の部分/
敵前逃亡と軍法会議の「闇」/ 軍法会議はすべて「闇」に覆われていた
のか/軍法会議の「闇」を許さず

Ⅴ 軍法会議のない軍隊
日本国憲法と「自衛隊」/「軍人の政治関与禁止」条の存在した意味/自
衛隊法と軍刑法/「自衛隊」と「軍隊」/憲法論議とともに軍の司法制度
を考える/本書のさいごに


 あとがきにかえて
 主要参考文献


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