マニラ・ガレオン貿易 陶磁器の太平洋貿易圏
価格:5,500円 (消費税:500円)
ISBN978-4-7664-2471-3 C3022
奥付の初版発行年月:2017年10月 / 発売日:2017年10月下旬
▼陶磁器から眺望する世界的流通網
スペイン人による銀と絹の交易と考えられてきたマニラ・ガレオン貿易。
しかしその実態は、より様々な勢力とモノが入り乱れる、利権の坩堝だった。
考古学と文献史料双方から解明する、新たな貿易像。
16世紀から17世紀にかけて興隆をみせたガレオン貿易。
マニラを起点に太平洋を横断し、アメリカ大陸を経てイベリア半島に至る
世界的な流通は、ヨーロッパのライフスタイルまでをも変質させた。
しかし、従来スペイン人が独占してきたとされるこの貿易は、
ポルトガル人、中国人、コンベルソ、その他数多の勢力が時に対立し、
時に協働しながら構築されたものだった。
陶磁器の考古学的分析と文献史料の渉猟により、
マニラ・ガレオン貿易におけるモノと人の交錯を巨視的に捉えなおす力作。
宮田 絵津子(ミヤタ エツコ)
1970年生まれ。慶應義塾大学文学部卒業。サンティアゴ・デ・コンポステラ大学DEA取得後、ポンペウ・ファブラ大学博士後期課程修了。立教大学大学院文学研究科史学専攻修了。博士(文学)。現在、日本学術振興会特別研究員(RPD)、立教大学兼任講師。専門は歴史学・考古学。
主要業績にPortuguese Intervention in the Manila Galleon Trade (Archaeopress, 2017), The Early Manila Galleon Trade: Merchants' Networks and Markets in Sixteenth-and Seventeenth-Century Mexico, Asia & Spanish America Trans-Pacific Artistic & Cultural Exchange, 1500-1850 (Oklahoma University Press, 2009) など。
目次
本書対象地域図
序 章
第1章 ポルトガル人とスペイン人のアジア海域進出
1 イベリア勢力の海外進出
2 ポルトガル人とスペイン人到来以前のアジア地域の交易
3 マニラの設立と交易
4 マニラ・マカオ間の交易と他の港市国家
5 マニラの中国人
第2章 マニラ・ガレオン貿易における商業と商人
1 マニラからヌエバ・エスパーニャへの商品の流れ
2 市場構造とメキシコ人商人
3 宗教団体の交易と密貿易
4 商人のディアスポラとネットワーク
第3章 ヌエバ・エスパーニャにおける中国陶磁器の輸出
1 中国南部からヌエバ・エスパーニャへの輸出ルート
2 16 世紀と17 世紀におけるメキシコ市から出土した輸出中国陶磁器
の編年、タイプの変遷
3 ヌエバ・エスパーニャの社会における物質文化と陶磁器
第4章 スペイン社会における中国陶磁器とアジア商品の流通
1 スペインにおけるアジア商品の消費
2 ベラクルスからセビリアに輸出されたアジア商品
3 セビリア出土の中国陶磁器
4 スペイン・ガリシア地方出土の中国陶磁器
5 リスボンからの出土陶磁器の分類
6 リスボンからアムステルダムをつなぐ大西洋沿岸貿易
終 章
参考文献
附 録
あとがき
索引