大学出版部協会

 

改正論から学ぶ新民法債権法改正を読む

債権法改正を読む 改正論から学ぶ新民法

A5判 336ページ 並製
価格:2,970円 (消費税:270円)
ISBN978-4-7664-2474-4 C3032
奥付の初版発行年月:2017年10月 / 発売日:2017年10月中旬
発行:慶應義塾大学出版会  
発売:慶應義塾大学出版会
この大学出版部の本一覧
在庫あり

内容紹介

▼必ず理解できる改正民法の学びかた!
▼ロースクール生、法学部生必携! 改正民法の知識が必要なすべてのかたに!

民法は「何がどう」変わったのか?
改正の過程から解き明かし、新民法への「変化」の理由、その内容を流れから理解できる決定版!

本改正の内容は多岐にわたり、形式的な文言の修正・補充から、規定の実質的変更、改正前民法になかった規定の創設、そして民法の基本思想に関わる修正も含む。民法改正の流れを追うことにより、改正点・改正趣旨を「理解」し、民法をより深く「学ぶ」!

改正民法条文、新旧対照法情報は、本書のQRコードからダウンロードも可能!

著者プロフィール

松尾 弘(マツオ ヒロシ)

慶應義塾大学大学院法務研究科教授。
1962年長野県生まれ。慶應義塾大学法学部卒業。一橋大学大学院法学研究科博士後期課程単位取得。横浜市立大学商学部助教授,横浜国立大学大学院国際社会科学研究科教授を経て,現職。この間,シドニー大学客員教授,オックスフォード大学客員研究員,社会資本整備審議会(住宅宅地分科会)臨時委員,国土審議会(土地政策分科会)委員,公認会計士試験委員(民法),国際協力機構(JICA)法整備支援委員会委員,国際協力銀行(JBIC)環境社会配慮ガイドライン担当審査役などを務める。
主要著作に、『民法の体系――市民法の基礎(第6版)』(慶應義塾大学出版会,2016),『民法改正を読む――改正論から学ぶ民法』(慶應義塾大学出版会,2012),ヘルムート・コーイング『法解釈学入門』(訳,慶應義塾大学出版会,2016),ジョセフ・ラズ『法体系の概念――法体系論序説(第2版)』(訳,慶應義塾大学出版会,2011),『発展するアジアの政治・経済・法――法は政治・経済のために何ができるか』(日本評論社,2016),『開発法学の基礎理論――良い統治のための法律学』(勁草書房,2012),『良い統治と法の支配――開発法学の挑戦』(日本評論社,2009),『基本事例から考える損失補償法』(大成出版社,2015),『財産権保障と損失補償の法理』(大成出版社,2011),『物権・担保物権法(第2版)』(共著,弘文堂,2008),『債権総論』(共著,法律文化社,2006),『新訂 民法と税法の接点――基本法から見直す租税実務』(共編著,ぎょうせい,2007)ほか。

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

Ⅰ 民法(債権関係)改正の特色と全体像
  1 はじめに――民法改正に至る経緯
  2 改正の趣旨
   (1)政府説明/(2)契約の尊重とその効力強化の傾向
  3 民法改正の全体像
   (1)原理・原則,定義・例示規定の創設/(2)民法総則関
    連/(3)物,物権関連/(4)債権総論関連/(5)債権各
    論関連 /(6)小括

Ⅱ 民法総則関連の改正
  1 法律行為と意思表示
   (1)法律行為の意義/(2)法律行為の無効事由の拡張とその根
    拠
  2 意思能力を欠く者の法律行為
  3 意思表示の瑕疵
   (1)心裡留保/(2)錯誤/(3)詐欺/(4)不実表示につい
    て/(5)小括
  4 意思表示の効力発生時期
  5 代理制度
   (1)改正の視点/(2)代理行為の成立/(3)代理権の内容と範
    囲/(4)代理権の濫用/(5)表見代理/(6)無権代理人の責
    任/(7)授権(処分権授与)について
  6 法律行為の無効,意思表示の取消しの効果
   (1)一部無効/(2)取消権者/(3)無効・取消しの効果/
   (4)取り消すことのできる行為の追認の要件と効果/(5)取消
    権の行使期間
  7 条件および期限
   (1)条件および期限の定義/(2)条件成就の妨害等
  8 消滅時効
   (1)短期消滅時効の特則の削除と消滅時効の種類の統一化/
   (2)時効の期間と起算点/(3)時効の中断・停止から更新・
    完成猶予へ/(4)時効の効果/(5)小括

Ⅲ 債権総論部分の改正
 A 債権の目的と効力
  1 債権の目的
   (1)債権の内容/(2)外国通貨債権/(3)利息債権/(4)選
    択債権
  2 債権の効力(1)――履行請求権と履行遅滞・履行不能・受領遅
    滞の場合

   (1)履行請求権/(2)履行期と履行遅滞/(3)履行不能の場
    合/(4)受領遅滞
  3 債権の効力(2)――履行の強制
  4 債権の効力(3)――債務不履行による損害賠償請求
   (1)損害賠償請求の要件――帰責事由主義の行方/(2)債務
    不履行の態様と損害賠償要件/(3)損害賠償の範囲/
   (4)損害賠償額の算定における中間利息の控除/(5)過失
    相殺および損害軽減義務/(6)損益相殺/(7)損害賠償額
    の予定
  5 債権の効力(4)――代償請求権とその位置づけ

 B 債権の第三者に対する効力
  6 債権の第三者に対する効力(1)――債権者代位権
   (1)改正の趣旨/(2)代位権行使の方法および範囲/(3)債権
    者と債務者の関係/(4)転用型/(5)評価
  7 債権の第三者に対する効力(2)――詐害行為取消権
   (1)改正の趣旨と方向性/(2)要件/(3)効果
  8 債権の第三者に対する効力(3)――債権に基づく妨害
    排除請求等


 C 多数当事者の債権・債務関係
  9 多数当事者の債権・債務関係(1)――債権者が複数の場合
   (1)分割債権の原則/(2)連帯債権の創設/(3)不可分債権
  10 多数当事者の債権・債務関係(2)――債務者が複数の場合
   (1)分割債務の原則/(2)連帯債務/(3)不可分債務/
   (4)債権者・債務者複数の場合に関する改正民法の方向性
  11 多数当事者の債権・債務関係(3)――保証債務
   (1)保証債務の成立・内容――個人保証人の保護/(2)保証債
    務の付従性/(3)主たる債務者について生じた事由の効力/
   (4)保証人の求償権の内容と要件/(5)連帯保証人について生
    じた事由の主債務者に対する効果/(6)主たる債務の履行状況
    に関する債権者の情報提供義務/(7)根保証の規律/
   (8)「事業に係る債務」についての個人保証契約の特則/
   (9)その他

 D 債権・債務の移転
  12 債権・債務の移転(1)――債権譲渡
   (1)債権の譲渡性の原則と債権譲渡制限特約の効果/(2)将
    来債権譲渡に関する規定の新設/(3)債権譲渡の債務者への
    対抗要件と債務者の抗弁/(4)債権譲渡の第三者対抗要件と
    権利行使要件
  13 債権・債務の移転(2)――債務引受
   (1)債務引受とは何か/(2)併存的債務引受/(3)免責的債
    務引受

 E 債権の消滅
  14.債権の消滅(1)――弁済
   (1)弁済の定義/(2)弁済の方法/(3)弁済として引き渡した
    物の取戻し/(4)弁済の充当/(5)代物弁済/(6)弁済の目
    的物の供託/(7)第三者による弁済/(8)弁済による代位/
   (9)弁済の相手方
  15 債権の消滅(2)――相殺・更改・免除
   (1)相殺/(2)更改/(3)免除/(4)債権の消滅原因と当事
    者の意思ないし合意

Ⅳ 債権各論(1)  契約総論部分の改正
  1 契約の基本原則,契約の交渉から契約の成立へ
   (1)契約に関する基本原則等/(2)契約交渉段階における当
    事者間の権利・義務/(3)契約の成立/(4)懸賞広告
  2 契約の解釈
  3 約款の規制
   (1)約款および定型約款の定義/(2)約款の契約内容への組入
    要件/(3)約款の内容規制/(4)約款の変更に伴う契約内容
    の変更/(5)約款の解釈における条項使用者不利の原則
  4 双務契約の効果――同時履行の抗弁権,不安の抗弁権
   (1)同時履行の抗弁権/(2)不安の抗弁権
  5 第三者のためにする契約
   (1)第三者のためにする契約とは何か/(2)第三者のためにす
    る契約の成立等/(3)要約者による解除権の行使/(4)要約
    者の意思表示の瑕疵を理由とする主張
  6 契約上の地位の移転
   (1)契約上の地位の移転の一般原則/(2)賃貸不動産の譲渡
    に伴う賃貸人の地位の移転等
  7 契約解除と危険負担
   (1)債務の履行が不可能な場合の契約関係/(2)契約解除/
   (3)危険負担/(4)契約解除・危険負担の根本問題
  8 継続的契約の終了
   (1)継続的契約の終了に関する規定を設ける意義/(2)期間
    の定めのある契約と更新拒絶/(3)期間の定めのない契約と
    解約申入れ/(4)契約解除の非遡及効/(5)改正民法の立場
  9 事情変更の法理
   (1)意義/(2)要件/(3)効果/(4)改正民法の立場

Ⅴ 債権各論(2)  契約各論部分の改正
  1 売買契約
   (1)改正の方向性/(2)売買予約/(3)事業者買主の適時検
    査・通知義務/(4)買主の受領義務/(5)売買契約成立後・
    履行着手前の解除/(6)売主の義務と責任/(7)買主の義
    務/(8)危険負担/(9)買戻し
  2 贈与契約
   (1)改正の方向性/(2)贈与契約の意義/(3)贈与者の責任/
   (4)贈与契約の解除による返還義務の特則/(5)贈与者の困窮
    による贈与契約の解除/(6)受贈者に著しい非行があった場合
    の贈与契約の解除
  3 消費貸借契約
   (1)改正の方向性/(2)消費貸借の意義と成立/(3)消費貸借
    の効力
  4 賃貸借契約
   (1)貸借型契約における賃貸借の規律と改正の方向性/(2)賃
    貸借の意義と成立/(3)賃貸人の義務/(4)賃借人の義務/
   (5)賃貸借の終了/(6)賃貸借類似の契約
  5 使用貸借契約
   (1)使用貸借の特色/(2)使用貸借の成立等/(3)使用借権の
    効力/(4)使用貸借の終了
  6 請負契約
   (1)請負契約をめぐる改正論点/(2)仕事が完成しなかった場
    合における報酬請求権等/(3)請負人の瑕疵担保責任から
    契約不適合責任へ/(4)注文者の破産と請負人の解除権/
   (5)下請負人の注文者に対する直接報酬請求権
  7 雇用契約
   (1)雇用契約をめぐる改正論点/(2)労務が履行できなくなっ
    た場合の報酬請求権/(3)期間の定めのある雇用の解除/
   (4)期間の定めのない雇用の解約申入れ
  8 委任契約
   (1)改正の論点/(2)受任者の自己執行義務/(3)報酬に関す
    る規律/(4)委任の終了に関する規定/(5)その他
  9 寄託契約
   (1)改正の論点/(2)寄託契約の諾成契約化/(3)受寄者の自
    己執行義務/(4)寄託物についての第三者の権利主張/
   (5)寄託物の損傷・一部滅失の場合/(6)寄託者による返還請
    求/(7)混合寄託/(8)消費寄託/(9)その他の改正提案
  10 組合契約
   (1)組合契約の意義/(2)意思表示または法律行為の無効・取
    消し/(3)契約総則に関する規定の不適用/(4)組合の財産
    関係/(5)組合の業務執行と組合代理/(6)組合員の加入お
    よび脱退/(7)組合の解散および清算
  11 終身定期金契約
  12 和解契約

おわりに――「債権法改正」とは何か
索 引


一般社団法人 大学出版部協会 Phone 03-3511-2091 〒102-0073 東京都千代田区九段北1丁目14番13号 メゾン萬六403号室
このサイトにはどなたでも自由にリンクできます。掲載さ>れている文章・写真・イラストの著作権は、それぞれの著作者にあります。
当協会 スタッフによるもの、上記以外のものの著作権は一般社団法人大学出版部協会にあります 。