大学生のための交渉術入門
価格:1,760円 (消費税:160円)
ISBN978-4-7664-2487-4 C2000
奥付の初版発行年月:2017年12月 / 発売日:2017年12月中旬
▼「協調」で問題解決!
大学生活で生じるさまざまな対立・衝突を、お互いが満足するかたちで解決するにはどうすればよいのか。
そのための「協調的交渉」の理論と実践を、サークル、アルバイトなどの身近な事例を題材にわかりやすく解説。
野沢 聡子(ノザワ サトコ)
コミュニケーション・インストラクター。元教育総合企画代表取締役社長。
慶應義塾大学文学部(西洋史専攻)卒業。読売新聞英字新聞部記者を経て、コロンビア大学Teachers College(教育学大学院)で国際教育専攻修士課程修了(1998年)。1999年に(有)教育総合企画を設立。以来、「協調的交渉術」のトレーニング・プログラムの日本での普及に取り組んできた。自治体や企業での講習のほか、昭和女子大学総合教育センターと杏林大学医学部の非常勤講師、法政大学エクステンション・カレッジ、東京都教職員研修センター研修部、国立市教育委員会学校指導課、東北大学、同志社大学、東京工科大学などでのセミナー講師として「協調的交渉」を紹介する。
目次
はじめに
理論編――問題の本質を考える
第1章 問題はなぜ起こるのか
1 人は相手となぜ問題を起こすのか
● オレンジをめぐる姉妹のケンカ
2 問題を引き起こす要因は何か
3 問題は避けるべきか
● 葛藤は人を成長させる
● 対立・衝突は必ずしも悪ではない!
4 問題が起こらないこともある
第2章 従来型問題解決法を考える
1 4つの問題解決法
(1) 武力行使
(2) 先送り(回避)
(3) 話し合い(交渉)
(4) 第三者の介在
2 問題解決で考える自分と相手のこと
● 2つの視点をとらえよう
● 上田家の姉妹の争いを振り返る
3 目指すゴールは1つなのか
第3章 交渉による問題解決法を考える
1 「競合的交渉」とはどういう交渉か
● ゴールについての誤解
● 信頼関係がなければ双方が傷つく
● 競合的交渉にはリスクが伴う
2 「協調的交渉」とはどういう交渉か
3 「協調」は「譲歩」や「妥協」ではない
4 どうやって双方は歩みよるのか
● コラボレーションで問題解決
● まずは自分を変える
● 単純ではないWin/Winへのプロセス
実践編――「協調的交渉」で問題を解決する
第4章 実践編1――「協調的交渉」の事前準備
1 「交渉の諸要素」を理解する
● 交渉の諸要素① 「言い分(立場)」
● 交渉の諸要素② 「欲求」
● 交渉の諸要素③ 「問題の見直し」
● 交渉の諸要素④-1 「代替案」
● 交渉の諸要素④-2 「妨害案」
2 「交渉の諸要素」の分析と整理
3 「協調的交渉」の段階的流れ
4 「交渉の諸要素」の分析例(基礎編)
5 「交渉の諸要素」の分析例(応用編)
第5章 実践編2――「協調的交渉」とコミュニケーション
1 交渉に見られるコミュニケーション行動
(1) 攻撃
(2) 回避(先送り)
(3) 情報伝達
(4) 情報収集
(5) 歩みより
2 「協調的交渉」で使う3つのコミュニケーション行動
3 事例で見る「協調的交渉」でのコミュニケーション
(1) 「協調的交渉」のステップ
(2) 交渉のやり直しもある
第6章 「協調的交渉」がうまくいかない場合
1 「怒り」のコントロ―ル
(1) 人はなぜ怒るのか
(2) 認められなければ人は怒る
(3) 「怒り」と葛藤(ストレス)
(4) 「怒り」の前向きな対処法
(5) 怒りの原因を見極める
(6) 相手の話を聴く
2 相手の「力」に押し切られる
(1) 「力」とは何か
(2) 連携によって生み出される「力」
(3) パワーからエンパワーメントへ
(4) 協調的交渉のための「力」
3 コミュニケーションの落とし穴
(1) 読み取れない相手の意図
(2) 言うべきことを言わない人たち
(3) 「氷山の一角」のような相手の行動
4 「文化」の違い
(1) 話法の違い
(2) 言語と非言語
(3) 直接話法と曖昧表現
(4) 「ステレオタイプ」化と偏見
(5) 「集団」で異なる「文化」
(6) 個人の「文化」
(7) 「世界観」の衝突
コラム
ドイツ博士の「コンフリクト」研究/「欲求」の話/「ハーバード流」
と「コロンビア流」/「欲求」から見た日米の子育て事情/「言い分
(立場)」と「欲求」の違い/交渉に役立つちょっとした小道具/幕末
の交渉の裏方たち/「協調的」態度の規範/江戸城無血開城
あとがき
参考・推薦図書、映像作品リスト
解答例