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ゲーテ時代の指導的音楽家ライヒャルト

ライヒャルト ゲーテ時代の指導的音楽家

A5判 592ページ 上製
価格:15,400円 (消費税:1,400円)
ISBN978-4-7664-2489-8 C3073
奥付の初版発行年月:2017年12月 / 発売日:2017年12月中旬
発行:慶應義塾大学出版会  
発売:慶應義塾大学出版会
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在庫あり

内容紹介

ある時は宮廷楽長、またある時は卓越した音楽評論家

ゲーテやホフマンにも影響を与え、北ドイツの音楽界を牽引したヨハン・フリードリヒ・ライヒャルトの活躍を描き出す労作。

ゲーテ、シラー、ベートーヴェン――
至高の才能が一挙に生を受けた十八世紀後半のドイツ。
古典派、ロマン派の詩人たちとジャンルの垣根を越えて交流し、
民謡のもつ「高貴な単純性」を理想に掲げた一人の作曲家がいた。
彼の名はヨハン・フリードリヒ・ライヒャルト。
宮廷楽長という肩書きを持ちながら啓蒙活動にも尽力し、
多方面に影響力を発揮した音楽家ライヒャルトの実像に迫る。

著者プロフィール

滝藤 早苗(タキトウ サナエ)

慶應義塾大学大学院文学研究科独文学専攻博士課程単位取得修了。ロータリー財団奨学生としてウィーン大学に留学。博士(文学)。現在、慶應義塾大学講師。1800年前後のドイツにおける文学と音楽の関係を研究テーマにしている。
著書に『ドイツ語がびっくりするほど話せる本』(あさ出版)、共著に『ドイツ語ポケット辞典』(研究社)、共訳にハンス=ヨアヒム・バウアー『ワーグナー王朝――舞台芸術の天才、その一族の権力と秘密』(音楽之友社)、主要論文に「E. T. A. ホフマンの調性格論――C. F. D. シューバルトの見解との比較」、「ゲーテと音響研究――『音響論』が未完に終わった理由」などがある。

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

序 論
           
第一章 ライヒャルトの豊かな音楽生活
 第一節 ライヒャルト略伝
 (1) プロイセンの宮廷楽長になるまで
 (2) フリードリヒ大王の宮廷における楽長の仕事
 (3) 宮廷外の活動に向けられた情熱
 (4) 「ロマン派の宿泊所」とその客たち
 (5) フランス革命支持者からプロイセン愛国者へ
 第二節 音楽評論家としての活動

第二章 ライヒャルトとオペラ
 第一節 イタリア・オペラとフランス・オペラ
 (1) グルックとの邂逅
 (2) ライヒャルトのオペラ改革
 (3) 理想のグルック像を作り上げた功績
 第二節 ドイツ・オペラ
 (1) 北ドイツとウィーンのジングシュピールの違い
 (2) ゲーテとの共同制作
 (3) ドイツ・オペラ発展のための諸々の試み
 第三節 北ドイツにおけるライヒャルトの作品への評価

第三章 ライヒャルトとリート
 第一節 リート作曲家としての活動
 (1) リート史上における第二次ベルリン・リート派の位置づけ
 (2) 二度の転機
 (3) ライヒャルトにとってのリートの理想
 第二節 北ドイツの同時代人たちのリート観
 (1) リートの大家としてのライヒャルト
 (2) 北ドイツにおける第二次ベルリン・リート派の影響力
 第三節 『少年の魔法の角笛』とライヒャルト
 (1) 『角笛』第一巻完成までの経緯
 (2) アルニムの論文『民謡について』とその民謡観

第四章 ライヒャルトと宗教音楽
 第一節 「真の教会音楽」をめぐる問題
 第二節 ライヒャルトにとっての「真の教会音楽」
 (1) パレストリーナの教会音楽の再発見
 (2) 宗教音楽家としてのヘンデルとバッハ
 (3) ライヒャルトによる古楽の保護活動と宗教音楽作品
 第三節 ライヒャルトの与えた影響について
 (1) ヴァッケンローダーの宗教音楽観と「ベルクリンガー」像
 (2) ホフマンの宗教音楽観と古楽の保護活動
 (3) 大聖堂に喩えられた音楽

第五章 ライヒャルトと器楽
 第一節 器楽作曲家としての活動
 第二節 ウィーン古典派との関係
 (1) ハイドンとモーツァルトの音楽の真価を認める過程
 (2) ベートーヴェンの才能への高い評価
 (3) ライヒャルトとホフマンの見解の比較
 第三節 ライヒャルトの音楽美学思想
 (1) 音楽とは何か
 (2) 声楽と器楽の価値をめぐるパラダイム変換とライヒャルト
 (3) ロマン主義の音楽思想との関係

結 論

 略記号一覧
 注
 年譜
 あとがき
 参考文献一覧
 図版出典
 楽譜出典
 作品名索引
 人名索引


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