大学出版部協会

 

桓武天皇への必死の諫言(かんげん)空海『三教指帰』

世界を読み解く一冊の本
空海『三教指帰』 桓武天皇への必死の諫言(かんげん)

四六判 224ページ 上製
価格:2,640円 (消費税:240円)
ISBN978-4-7664-2561-1 C0300
奥付の初版発行年月:2022年04月 / 発売日:2022年04月中旬

内容紹介

▼空海が命を賭した書――。

官僚を目指していた空海が大学を辞め、二十四歳で著した『三教指帰』は、
儒教、道教、仏教を戯曲形式で比較し、仏教が最上であることを親族に説得する
「出家宣言の書」とこれまで理解されてきた。

本書は、激動の時代背景や神話・伝承、『日本書紀』などの歴史書と照らし合わせ、
『三教指帰』執筆の隠された意図に迫る。

稀代の専制君主・桓武天皇に対する憤りと
古来、天皇に仕えてきた祖先への誇り―。

両者に引き裂かれた若き空海が、命を賭して伝えようとしたのは何か?

著者プロフィール

藤井 淳(フジイ ジュン)

駒澤大学仏教学部教授。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。博士(文学)。主著に『空海の思想的展開の研究』(トランスビュー、2008年)、編著に『最澄・空海将来『三教不斉論』の研究』(国書刊行会、2016年)、『古典解釈の東アジア的展開――宗教文献を中心として』(京都大学人文科学研究所、2017年)がある。プリンストン大学宗教研究所客員研究員、フンボルト・フェロー(ハイデルベルク大学)。

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

プロローグ──憤懣(ふんまん)の書──
       
第1章 空海の決意──天皇への忠と祖先への孝
 1 空海とは誰か──これまでのイメージ
 2 来歴──誰に向けて書かれたか
 3 時代背景
 4 空海の時代の儒・道・仏

第2章 『聾瞽指帰(ろうこしいき)』を読み解く
 1 表と裏のメッセージ
 2 儒教の篇──暴君は誰か
 3 道教の篇──風狂の隠者たち
 4 仏教の篇──真の忠孝とは何か

第3章 忠孝の行(ゆ)く末(すえ)
 1 『聾瞽指帰』のその後
 2 密教との出会い
 3 完成の日──天皇即位の伝承
 4 忠孝の行く末


主要参考文献
あとがき
図版出典一覧


一般社団法人 大学出版部協会 Phone 03-3511-2091 〒102-0073 東京都千代田区九段北1丁目14番13号 メゾン萬六403号室
このサイトにはどなたでも自由にリンクできます。掲載さ>れている文章・写真・イラストの著作権は、それぞれの著作者にあります。
当協会 スタッフによるもの、上記以外のものの著作権は一般社団法人大学出版部協会にあります 。