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音楽の哲学入門

音楽の哲学入門

四六判 208ページ 上製
価格:2,750円 (消費税:250円)
ISBN978-4-7664-2588-8 C3010
奥付の初版発行年月:2019年03月 / 発売日:2019年03月上旬

内容紹介

音楽がなければ人生は過ち?

アメリカの気鋭の研究者による、音楽の哲学および芸術の哲学の入門書。
単なる音と音楽の違い、音楽鑑賞に必要な知識、音楽と情動の関係、音楽経験がもたらすスピリチュアリティなど、古くから哲学・美学で議論されてきた問題をとりあげ、音楽を哲学的に考察する。
ベートーヴェン、ハイドン、ビートルズ、レッド・ツェッペリン、キング・クリムゾン、マイルス・デイヴィスやジャコ・パストリアス、ラヴィ・シャンカル――クラシックからポピュラー音楽まで、豊富な例とともに音楽の本質に迫る。

著者プロフィール

セオドア・グレイシック(セオドア グレイシック)

1984年にカリフォルニア大学デービス校で哲学の博士号を取得。1986年よりミネソタ州立大学ムーアヘッド校の哲学部・助教授、1991年より同校の准教授を経て、1997年から同校の教授。2013年よりThe Journal of Aesthetics and Art Criticismの共同編集長、2014年よりBritish Journal of Aestheticsの編集委員を務める。主な専門は音楽美学、芸術哲学、近代哲学史。単著は本書の他に、Rhythm and Noise (Duke University Press, 1996)、I Wanna Be Me (Temple University Press, 2001)、Listening to Popular Music (The University of Michigan Press, 2007)、The Philosophy of Art (Polity, 2011)。

源河 亨(ゲンカ トオル)

2016年に慶應義塾大学にて博士(哲学)を取得。現在は、日本学術振興会特別研究員PD(東京大学)、慶應義塾大学および日本大学芸術学部非常勤講師。専門は心の哲学、美学。著作に『知覚と判断の境界線──「知覚の哲学」基本と応用』(慶應義塾大学出版会、2017年)。訳書にジェシー・プリンツ『はらわたが煮えくりかえる──情動の身体知覚説』(勁草書房、2016年)ほか。論文に「音楽は悲しみをもたらすか──キヴィーの音楽情動について」(『美学』251号、美学会、2017年)ほか。

木下 頌子(キノシタ ショウコ)

桐朋学園大学音楽学部卒。2018年に慶應義塾大学文学研究科博士課程を単位取得退学し、現在は同大学通信教育部非常勤講師。専門は言語哲学、哲学方法論。論文に、「デイヴィドソンの三角測量的外在主義に基づく反懐疑論的論証について」(『哲學』第133号、三田哲学会、2014年)ほか。

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

序文

第1章 耳に触れる以上のもの──音楽と芸術
 1 鳥の歌
 2 音楽であるもの/音楽的なもの
 3 「芸術」に関して
 4 音楽と文化
 5 美的側面
 6 文化、コミュニケーション、スタイル

第2章 言葉とともに/言葉なしに──理解して聴く
 1 教養なき知覚
 2 純粋主義
 3 言語と思考の交わり
 4 命題知と技能知
 5 音楽の四つの側面
 6 歴史、スタイル、美的性質
 7 芸術としての音楽、再考

第3章 音楽と情動
 1 しるしとシンボル
 2 表出と表出的性格
 3 ウタツグミ
 4 喚起説
 5 カルリの悲嘆、アメリカのジャズ、ヒンドゥスターニー・ラサ

第4章 超越へといざなうセイレーンの声
 1 実在の語りえなさ
 2 美から崇高へ
 3 ショーペンハウアーの音楽観
 4 崇高さは主観的なものか
 5 崇高さの経験
 6 例示

訳者あとがき
参考文献
索引


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