南方からの帰還 日本軍兵士の抑留と復員
価格:2,970円 (消費税:270円)
ISBN978-4-7664-2609-0 C0021
奥付の初版発行年月:2019年07月 / 発売日:2019年07月中旬
抑留と現地での強制労働――
復員をめぐる、旧連合国の思惑と米国との駆け引きとは?
当時の一次史料から、未だ謎の多い南方日本軍兵士の
抑留・強制労働・復員の全体像を明らかにする一冊。
増田 弘(マスダ ヒロシ)
立正大学名誉教授、前東洋英和女学院大学教授、平和祈念展示資料館名誉館長。
1947年生まれ。慶應義塾大学大学院法学研究科博士課程修了。法学博士。
専門分野:日本政治外交史。
主要著作:
『石橋湛山研究―「小日本主義者」の国際認識』(東洋経済新報社、1990年)、
『公職追放―三大政治パージの研究』(東京大学出版会、1996年)、
『自衛隊の誕生―日本の再軍備とアメリカ』(中公新書、2004年)、
『マッカーサー―フィリピン統治から日本占領へ』(中公新書、2009年)、
『ニクソン訪中と冷戦構造の変容―米中接近の衝撃と周辺諸国』 (編著、慶應義塾大学出版会、2006年)、
『大日本帝国の崩壊と引揚・復員』(編著、慶應義塾大学出版会、2012年)、
『周恩来キッシンジャー機密会談録』(共監訳、岩波書店、2004年)、ほか多数。
目次
序章――抑留・復員問題にどう向きあうか
第一章 ビルマ・タイ・マレー・シンガポールでの抑留と復員――イギリス軍管轄下
はじめに――開戦から終戦へ/一 終戦と降伏/二 強制労働と戦犯裁
判の開始/三 英軍側の復員計画 /四 一〇万名の現地残留への方向
転換 /五 残留決定をめぐる英米対立/ 六 残留をめぐるマッカーサ
ーと日本政府の英蘭批判/七 残留者の復員をめぐる英米対立/八 残
留者の復員計画の進展/九 残留者の復員開始/一〇 残留者の復員完
了/おわりに
第二章 インドネシアでの抑留と復員――オランダ軍管轄下
はじめに――独立運動に翻弄されたオランダ/一 終戦と武装解除/
二 抑留と強制労働 /三 戦犯裁判の恐怖/四 残留労働をめぐる
英・蘭側の画策 /五 復員への道のり/おわりに――蘭印からの帰
還の特徴
第三章 東部ニューギニア・豪北での抑留と復員――オーストラリア軍管轄下
はじめに――平穏な終戦を迎えた第八方面軍/一 ラバウル、ニューギ
ニアでの終戦/二 降伏調印から収容所へ /三 武装解除と抑留者の
苦難 /四 戦犯裁判はじまる /五 帰還準備と復員完了へ /おわり
に――豪北地区からの帰還の特色
第四章 フィリピンでの抑留と復員――アメリカ軍管轄下
はじめに――開戦から終戦へ/一 終戦と米軍の対応/二 降伏への
道 /三 武装解除へ/四 収容所生活と強制労働 /五 急がれた戦犯
裁判 /六 帰還準備から復員完了へ /おわりに――フィリピンからの
帰還の特異性
終章――双方向からとらえた抑留・復員・帰還