哲学は環境問題に使えるのか 環境プラグマティズムの挑戦
価格:5,940円 (消費税:540円)
ISBN978-4-7664-2612-0 C3012
奥付の初版発行年月:2019年09月 / 発売日:2019年09月中旬
▼「環境倫理学」をアップデートする「環境プラグマティズム」!
▼その基本文献であるアンソロジーがついに翻訳!
1990年初め日本にも紹介された「環境倫理学」。当時、生命倫理学と共に注目されたが、90年代半ばに欧米では大きな地殻変動が起こっていた。実際の環境政策に応用できない、実行不能な「環境倫理学」を批判し、プラグマティズムの哲学を融合させた本論集『環境プラグマティズム』から「環境倫理学〈2.0〉」は始まった。その基本文献がついに邦訳なる。「環境倫理学〈3.0〉」を展望するうえでも必読の書となるだろう。
アンドリュー・ライト(アンドリュー ライト)
原著刊行当時、アルバータ大学の環境保護プログラムの研究員。哲学の兼任教授。現在はジョージ・メイソン大学の教授、および世界資源研究所の気候プログラムの特別上級研究員。
エリック・カッツ(エリック カッツ)
原著刊行当時、ニュージャージー工科大学における技術と社会プログラムのディレクター。現在はニュージャージー工科大学の哲学教授、同大人文学部の学部長。
岡本 裕一朗(オカモト ユウイチロウ)
玉川大学文学部名誉教授。九州大学大学院文学研究科単位取得退学、博士(文学)九州大学。専門分野:哲学・倫理学。主要業績:『異議あり!生命・環境倫理学』(単著、ナカニシヤ出版、2002年)、『ネオ・プラグマティズムとは何か』(単著、ナカニシヤ出版、2012年)
田中 朋弘(タナカ トモヒロ)
熊本大学大学院人文社会科学研究部教授。大阪大学大学院文学研究科単位取得退学。博士(文学)大阪大学。専門分野:哲学・倫理学。主要業績:『職業の倫理学』(単著、丸善出版、2002年)、『文脈としての規範倫理学』(単著、ナカニシヤ出版、2012年)
上記内容は本書刊行時のものです。
目次
謝辞
序論:紛争地としての環境プラグマティズムと環境倫理学・・・アンドリュー・ライト/エリック・カッツ
Ⅰ 環境思想と古典的アメリカ哲学
第1章 プラグマティズムと環境思想・・・ケリー・A・パーカー
第2章 プラグマティズムはどのように環境倫理学であるのか・・・サンドラ・B・ローゼンタール/ロージン・A・バックホルツ
第3章 文化としての自然――ジョン・デューイのプラグマティズム的な自然主義・・・ラリー・A・ヒックマン
第4章 G・H・ミードのコスモロジーにおける環境保護にかかわる価値
・・・アリ・サンタス
第5章 レオポルドの土地倫理の一貫性・・・ブライアン・G・ノートン
Ⅱ プラグマティズム理論と環境哲学
第6章 統合か還元か――環境価値に対する二つのアプローチ・・・ブライアン・G・ノートン
第7章 原初段階にある環境倫理学・・・アンソニー・ウエストン
第8章 政治的エコロジーにおける共存主義・・・アンドリュー・ライト
Ⅲ 環境問題へのプラグマティストのアプローチ
第9章 プラグマティズムと政策――水の事例・・・ポール・B・トンプソン
第10章 定義のためのプラグマティックなアプローチに向けて――「湿地」と意味の政治学・・・エドワード・シアッパ
第11章 自然資源管理に対する、多元論的で、プラグマティックかつ進歩的なアプローチ・・・エメリー・N・キャッスル
第12章 自然の法対尊敬の法――ノルウェーの実践における非暴力
・・・デイビッド・ローゼンバーグ
第13章 環境倫理学を紛争管理の方法として教えること・・・ゲーリー
・E・ヴァーナー/スーザン・J・ギルバーツ/ターラ・ライ・ピーターソン
Ⅳ 環境プラグマティズム――論争
第14章 内在的価値を超えて――環境倫理学におけるプラグマティズム
・・・アンソニー・ウエストン
第15章 内在的価値を求めて――プラグマティズムと環境倫理学における絶望・・・エリック・カッツ
第16章 沼地に対して不公正――カッツに対する返答/基礎というものに対して不公正では?――ウエストンに対する返答・・・アンソニー・ウエストン/エリック・カッツ
第17章 環境プラグマティズムは哲学かメタ哲学か――ウエストン・カ
ッツ論争について・・・アンドリュー・ライト
解説
環境哲学をアップデートするために・・・岡本裕一朗
あとがき・・・田中朋弘
人名索引
事項索引