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「水曜どうでしょう」と藩士コミュニティの研究5人目の旅人たち

5人目の旅人たち 「水曜どうでしょう」と藩士コミュニティの研究

四六判 272ページ 並製
価格:1,760円 (消費税:160円)
ISBN978-4-7664-2624-3 C0030
奥付の初版発行年月:2019年10月 / 発売日:2019年10月上旬

内容紹介

▼「なぜ自分は「水曜どうでしょう」にこんなにもハマっているのだろう?」と思っている全てのファンにオススメの1冊!
▼自身もファンである社会心理学者が分析する、この番組が支持され続ける秘密とは?

HTBの「水曜どうでしょう」は、いかにして多くのファン(=藩士)にとって“人生になくてはならないコンテンツ”にまでなったのか?
自らもファンである社会心理学者が全国のファン19名へのインタビューやディレクター陣・ファンたちとの交流をもとに、その要因がディレクター陣の仕掛けた戦略とファンコミュニティとの奇跡のコラボレーションであったことを明らかにする。
ネット時代のテレビのあり方として先駆的、という指摘にも注目。

有名藩士のゴトータケヲ画伯がカバー装画と挿し絵を提供!

著者プロフィール

広田 すみれ(ヒロタ スミレ)

東京都市大学メディア情報学部教授。
1984年慶應義塾大学文学部心理学専攻卒。民間シンクタンク勤務後、1993年慶應義塾大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。博士(社会学)。
慶應義塾大学新聞研究所(現メディア・コミュニケーション研究所)研究員などを経て現職。ブラウン大学訪問研究員(2018年前期)。日本心理学会地区別(関東地区)代議員(2019~2021年予定)。
専門は、社会心理学、意思決定論、リスクコミュニケーション。
主要著書・訳書に、『リスク学事典』(共編著、丸善出版、2019年)、『心理学が描くリスクの世界(第3版)』(共編著、慶應義塾大学出版会、2018年)、『読む統計学 使う統計学(第2版)』(慶應義塾大学出版会、2013年)、イアン・ハッキング『確率の出現』(共訳、慶應義塾大学出版会、2013年)、『リスクの社会心理学』(共著、有斐閣、2012年)、『感情と思考の科学事典』(共著、朝倉書店、2010 年)、『朝倉心理学講座 意思決定と経済の心理学』(共著、朝倉書店、2009年)など。
2016年11月よりFacebook グループ「藤やんとうれしー」の会員。

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

長い長いまえがき
 自己紹介と東日本大震災と番組/この本で解こうとしている問い/研究
 の方法

第一章 「水曜どうでしょう」とはどんな番組か
 不思議な番組「水曜どうでしょう」/番組の概要/番組と番組掲示板/
 レギュラー放送時の社会背景/ビジネスとしての番組の大成功/熱烈な
 ファン「藩士」/北海道物産展にて

第二章 メディアと「藩士」 その1――テレビのレギュラー放送からDVDへ
 ファンの共通点/何度も見ないとわからない/同期型のテレビと疑似同
 期のTwitter/共感の共有の重要性/身体性の高いものは繰り返し見ら
 れる/マスメディアの「リレーションシップマーケティング」

第三章 メディアと「藩士」 その2――番組掲示板の役割
 番組HPのスタッフルームと番組掲示板/嬉野さんとSHARPさん/
 番組掲示板でのお悩み相談/番組掲示板でのマーケティング――関係性
 を深める/掲示板でのコミットメント/道内と道外のファンの違いとメ
 ディア/道民にとっての番組/キー局でのSNS利用の試み/DVD化
 と掲示板でのコミュニケーション

第四章 なぜファンは引き込まれるのか――身体性、声、臨場感
 番組のリズムやテンポ――編集の重要性/藤村Dの声/声と番組への没
 入感/画角による没入感と臨場感/視覚誘導性自己運動感覚(ベクショ
 ン)/一人称RPG「水曜どうでしょう」/画角と笑い/認知負荷が低
 い理由/自伝的記憶?

第五章 「番組で癒される」――レジリエンス効果のメカニズム
 番組を見て元気になる/クライシスからの回復1(AIさん@愛知県、
 四十代女性)/クライシスからの回復2(NIさん@大分県、三十代
 女性)/クライシスからの回復3(MMさん@埼玉県、四十代男性)/
 「悲しいから泣くのではなく、泣くから悲しい」――感情末梢起源説/
 不安感の解消についての実験/疲れない笑いと集中して見られる媒体/
 鬱状態でも見られる「表現」/番組視聴による学習効果

第六章 番組の思想
 番組内の水平性――四人部屋の思想/番組外の水平性――視聴者と制作
 者の関係/テレビの世界と視聴者の日常世界が水平につながる/日常
 性/安心感

第七章 ファンコミュニティの現在
 番組のファンの広がり/言語を共有するコミュニティ/ファンコミュニ
 ティと「つながる」/番組世界に入り込みたい/「人を支える」番組/
 番組と一緒に自分の人生を振り返る

終 章 コミュニケーションと信頼
 テレビはどこへ行くのか/レジリエンスと笑い/コミュニケーションと
 信頼/個人としてコミュニケーションする

引用文献
参加したイベント・話を伺った方と謝辞
付表・付図(年表)


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