ジャンセニスム 生成する異端 近世フランスにおける宗教と政治
価格:9,460円 (消費税:860円)
ISBN978-4-7664-2653-3 C3010
奥付の初版発行年月:2020年02月 / 発売日:2020年02月中旬
▼17世紀フランス、王権と教会を震撼させた大宗教論争を描く。
▼宗派対立を超えて、異端の認定をめぐる排除と抵抗の力学を明らかにし、近世フランスにおける共同体と個人の関係を再考する。
▼徹底した文献調査に基づき、もうひとつの歴史を丹念に掘り起こす、革新的な一冊!
御園 敬介(ミソノ ケイスケ)
1975年神奈川県生まれ。一橋大学社会学部卒業。一橋大学大学院社会学研究科博士課程修了。クレルモン=フェラン大学大学院人文科学研究科博士課程修了。現在、慶應義塾大学商学部准教授。著書に Écrire contre le jansénisme. Léonard de Marandé polémiste vulgarisateur (Paris, H. Champion, 2012)。
上記内容は本書刊行時のものです。
目次
序論
第一部 「ジャンセニスム」への視線
第一章 アウグスティヌスをめぐって
1 恩寵と自由意志
2 「ジャンセニスムの教理」
3 批判の論理
4 不安の拡大
5 原理主義?
6 アウグスティヌスの相対化
第二章 政治的イメージの問題
1 『ジャンセニスムの政治問題』
2 宗教と政治の混交
3 ジャンセニスムという「セクト」
4 想像力の根源へ
5 聖体会とは何か
6 ジャンセニスムと聖体会
第二部 異端を囲い込む
第三章 事実の確定
1 五命題の断罪
2 聖職者会議と「事実問題」
3 フランスとローマのあいだ
4 小勅書の翻訳と受諾
5 歴史記述としての反ジャンセニスム
6 アルノー譴責事件
第四章 信仰宣誓書
1 小勅書の受諾から信仰の宣誓へ
2 王権と反ジャンセニスム
3 ポール=ロワイヤルの修道女たち
4 司教の抵抗
5 レギミニス・アポストリキ
6 「教会の和約」に向けて
第三部 抵抗と服従
第五章 署名をめぐる論争
1 抵抗の理論
2 良心の問題
3 「恭しい沈黙」
4 強制の理論
5 パリ大司教ペレフィクスの教書
6 事実と不可謬性
第六章 論争と信の観念史
1 「信仰の行為」から
2 信仰分析の系譜
3 聖体論争における方法の問題
4 権威と検討
5 ジャンセニスム論争と信の観念史
6 フェヌロンの不可謬性論
結論
注
あとがき
参考文献
事項索引
人名索引