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――市場・制度・透明性アジアの国際不動産投資

アジアの国際不動産投資 ――市場・制度・透明性

中川 雅之:編著, 山﨑 福寿:編著
A5判 240ページ 上製
価格:4,400円 (消費税:400円)
ISBN978-4-7664-2659-5 C3033
奥付の初版発行年月:2020年02月 / 発売日:2020年02月中旬

内容紹介

▼アジア諸国における不動産投資の現状や制度を経済分析。
▼国際不動産投資に寄与する、ビジネス・政策をアカデミックに検討。

成長セクターであるアジアの不動産市場について、投資に関する各国の制度やその市場の透明性を分析。
さらに市場の透明性が経済成長に与える影響を考察し、日本経済、不動産市場への示唆を与える。

著者プロフィール

中川 雅之(ナカガワ マサユキ)

1961年生まれ。日本大学経済学部教授。1984年京都大学経済学部卒業。経済学博士(大阪大学)。1984年建設省入省後、大阪大学社会経済研究所助教授、国土交通省都市開発融資推進官などを経て、2004年より現職。主要著作に『都市住宅政策の経済分析』(日本評論社、日経・経済図書文化賞、2003年NIRA大来政策研究賞)。“Earthquake risks and housing rents: Evidence from the Tokyo metropolitan area”(Nakagawa, M., M. Saito, and H. Yamaga), Regional Science and Urban Economics vol. 37, 87-99, 2007, “Public perceptions of earthquake risk and the impact on land pricing: The case of the Uemachi fault line in Japan”(Gu, T., M. Nakagawa, M. Saito and H. Yamaga), The Japanese Economic Review, vol 69-4, 373-393 など。

山﨑 福寿(ヤマザキ フクジュ)

1954年生まれ。日本大学経済学部教授。東京大学大学院経済学科研究科博士課程単位取得退学。経済学博士。上智大学経済学部教授をへて現職。主要著書・論文に『土地と住宅市場の経済分析』(東京大学出版会、第43回日経・経済図書文化賞受賞)。『日本の都市の何が問題か』(NTT出版)、“The Lock-In Effect of Capital Gains Taxation on Land Use”, Journal of Urban Economics, vol. 39-2, 216-228. 1983 など。

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

第1章 国際不動産投資の意義(中川 雅之・山崎 福寿)
 1 本書の問題意識と背景
  不動産取引の国際化とは?/不動産取引の国際化にどう対応すべき
  か?/グローバル都市論
 2 本書の概説
  本書の構成/各章の概要

 第Ⅰ部 アジア各国の不動産制度

第2章 アジア地域における対内不動産投資と諸制度(原野 啓)
 1 はじめに
 2 アジア地域における対内不動産投資の現状
 3 不動産所有の権利関係
  中国/香港/韓国/シンガポール/インド/マレーシア/タイ/ベト
  ナム/フィリピン/インドネシア
 4 不動産関連の税制
  中国/香港/韓国/シンガポール/インド/マレーシア/タイ/ベト
  ナム/フィリピン/インドネシア
 5 外国人による不動産保有について
  中国/香港/韓国/シンガポール/インド/マレーシア/タイ/ベト
  ナム/フィリピン/インドネシア
 6 対内不動産投資と制度に関する回帰分析
  データおよび変数/分析方法と分析結果
 7 まとめ

第3章 中国の不動産市場の現状と課題(曽根 康雄)
 1 はじめに
 2 中国の土地制度
 3 中国の住宅不動産売買制度
 4 中国の「新都市化」政策
 5 マクロ経済管理における不動産市場の重要性
 6 グローバル金融危機と住宅不動産市場の過熱
 7 2000年以降の政策展開
  2017年以降の新たな状況
 8 結論

第4章 世界の不動産登記制度と日本の課題(中川 雅之)
 1 はじめに
 2 2種類の不動産登記制度
 3 日本の登記の特徴
  レコーディングシステムとしての登記制度/現在の所有関係を反映し
  ていない場合のコスト
 4 アジア太平洋諸国の登記制度
  シンガポール/インドネシア/タイ/マレーシア/ベトナム/フィリ
  ピン/カンボジア/韓国/中国/香港/台湾/インド/パキスタン/
  モンゴル/ミャンマー/カナダ/オーストラリア
 5 登記制度の選択の経済学的評価
 6 おわりに
  各国の制度の標準化/日本の不動産登記制度への示唆
 補論
  日本の登記制度に関する理論的分析/数値例によるシミュレーション

第5章 ベトナムの環境問題と環境政策(日引 聡)
 1 はじめに
 2 ベトナムの環境問題と環境政策
  環境影響評価/大気汚染の現状と大気汚染政策/水質汚濁の現状と水
  質汚濁政策/廃棄物問題/その他の環境税
 3 ベトナムの環境政策とその問題点
 4 おわりに

 第Ⅱ部 アジアの不動産市場の透明性と投資環境

第6章 不動産市場の成熟度に関する制度的アプローチ(中川 雅之)
 1 はじめに
 2 国際不動産投資の推移
  各国の商業用不動産市場はどうみられてきたのか?/国際不動産市場
  の推移
 3 不動産市場の成熟度
  投資家が重視する市場の特性/市場成熟度という指標
 4 市場の透明度に従った国際不動産投資の動き
  発展途上国では国際不動産投資は増加していないのか?/どのような
  市場透明度が国際不動産投資を増加させるのか?
 5 総論
 補論 透明性が高ければ国際不動産投資は増加するのか?
  透明度の高い不動産市場とは?/高透明性市場における国際不動産投
  資/低透明性市場における国際不動産投資/国際不動産投資関数の形
  状

第7章 世界の不動産市場と透明度(大東 雄人)
 1 はじめに
 2 各国の不動産市場の透明度調査の方法と概要
  定量的要素/定性的調査要素
 3 不動産市場と透明度調査の変遷
 4 不動産透明度インデックスによる各国ランキング
  都市レベルでの不動産透明度/オルタナティブセクターへの投資資金
  の流入/不動産テックという新しい分野/フレキシブルなオフィスス
  ペース
 5 世界主要都市の不動産投資額
 6 日本の不動産市場における透明度

第8章 市場の透明性と国際不動産投資(山崎 福寿・定行 泰甫・原野 啓)
 1 はじめに
 2 先行研究
  法制度、金融市場、経済成長/市場透明度と国際不動産投資
 3 データ
  国際不動産投資/不動産市場透明度インデックス/その他の要因
 4 実証分析
  分析方法/分析結果
 5 結論

第9章 モビリティと経済成長(浅田 義久)
 1 はじめに
 2 研究対象の概要
 3 先行研究
 4 本章の分析枠組み
 5 分析研究
  国内人口移動性向と経済成長/不動産市場透明度など不動産市場充実
  度と国内人口移動/日本におけるモビリティと成長率
 6 おわりに

第10章 日本の不動産市場の透明度と不動産投資環境(瀬下 博之)
 1 はじめに
 2 日本の不動産透明度インデックス
  不動産の収益性(パフォーマンス測定)と市場ファンダメンタルズ
  データに関する透明度/
  上場法人のガバナンス/規制と法制度/取引プロセス
 3 日本の不動産市場と法制度・取引慣行
  借地借家法制/相続税評価と賃貸経営/不動産の売買取引における障
  害/担保法
 4 おわりに――日本の不動産市場における投資環境整備への視座


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