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アメリカ二重経済のジレンマなぜ中間層は没落したのか

なぜ中間層は没落したのか アメリカ二重経済のジレンマ

四六判 352ページ 上製
価格:2,970円 (消費税:270円)
ISBN978-4-7664-2674-8 C3033
奥付の初版発行年月:2020年05月 / 発売日:2020年05月下旬

内容紹介

トランプ大統領を生み出した「アメリカの分断」はなぜ起こったのか。富裕部門と貧困部門の二極化を固定する政治経済の政策、人種・ジェンダー差別、大量投獄、教育・インフラの危機まで、もともとは発展途上国の分析のために開発された「二重経済」モデルによって明晰に分析する。アメリカ経済史の大家からの警告。

著者プロフィール

ピーター・テミン(ピーター テミン)

1937年生まれ。米国マサチューセッツ工科大学名誉教授。専門は経済史。アメリカの大恐慌の研究で知られる。邦訳された著作に『大恐慌の教訓』(東洋経済)、共著に『リーダーなき経済』(日本経済新聞出版社)、『学び直しケインズ経済学』(一灯舎)がある。

栗林 寛幸(クリバヤシ ヒロユキ)

1971年生まれ。一橋大学経済研究所研究員。東京大学教養学部教養学科国際関係論卒業、ケンブリッジ大学大学院修士課程修了(経済学)。訳書にビンモア『正義のゲーム理論的基礎』、バスー『見えざる手をこえて』(以上、NTT出版)、監訳にマーモット『健康格差』(日本評論社)がある。

猪木 武徳(イノキ タケノリ)

1945年生まれ。京都大学経済学部卒業。米国マサチューセッツ工科大学大学院修了。大阪大学経済学部教授・学部長を経て、2002年より国際日本文化研究センター教授。2008年、同所長。日本学術会議会員。著書に『戦後世界経済史』(中公新書)、『自由の条件』(ミネルヴァ書房)、訳書にテミン『大恐慌の教訓』(共訳、東洋経済新報社)がある。

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

第1章 二重経済――成長の終焉とルイス・モデル
第2章 FTE 部門――金融・技術・電子の特権階層
第3章 低賃金部門――格差と抑圧の構造
第4章 移行――教育による階層間移動への壁
第5章 人種とジェンダー――根深い差別の存続
第6章 政治の投資理論――政治資金の影響力
第7章 超富裕層の選好――小さな政府と減税
第8章 政府の概念――誰のための政府か?
第9章 大量投獄――人種差別と負のスパイラル
第10章 公教育――財源不足と学生ローン地獄
第11章 アメリカの都市――インフラの荒廃と居住の隔離
第12章 個人と国家の負債――借金漬けの個人、救済される銀行
第13章 比較――技術変化と国際化のなかのアメリカ
第14章 結論――公正な社会のための行動計画
エピローグ――トランプ氏の経済的帰結
補論 不平等のモデル――ピケティ・ソロー・クズネッツ
解説(猪木武徳)


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