生命の経済 生命の教養学16
価格:2,640円 (消費税:240円)
ISBN978-4-7664-2676-2 C0045
奥付の初版発行年月:2020年06月 / 発売日:2020年05月下旬
▼奪い合いか、助け合いか?
細胞はなぜ無駄な抗体を作るのか、脳はなぜ不合理な判断をするのか、文学はやはり蕩尽なのか、国家はなぜ戦争をするのか、それでも人びとはなぜ助け合うのか?
生産と消費、交換と搾取、競争と協力といった私たちの経済的な営みに着目し、多様な生命と組織が織りなす生と死のダイナミズムを捉え直す。
西尾 宇広(ニシオ タカヒロ)
慶應義塾大学商学部准教授。1985年生まれ。京都大学大学院文学研究科博士後期課程(ドイツ語学ドイツ文学専修)、博士(文学)。専門は近代ドイツ文学。著書に『ハインリッヒ・フォン・クライスト――「政治的なるもの」をめぐる文学』(共著・編訳、インスクリプト、2020年)、『晩年のスタイル――老いを書く、老いて書く』(共著、松籟社、2020年)、『文学と政治――近現代ドイツの想像力』(共著、松籟社、2017年)等。
上記内容は本書刊行時のものです。
目次
生命の経済
生命の教養学16
目次
はじめに 西尾 宇広
「生命の経済」という視点からみた人間の特異性
「協力の哲学」に向けて 田中 泉吏
Ⅰ 心と体の経済学
なぜ体は〈無駄〉だらけなのか?
タンパク質の翻訳後修飾 清水 史郎
心的エネルギーのダイナミズム
“無意識” に光をあてる 森 さち子
行動経済学とビッグデータから探るヒトの意思決定と行動
脳に埋め込まれた過去の遺物を理解し、よりよい行動を起こさせるに
は? 星野 崇宏
Ⅱ 生と死の経済学
生と死と環境基準 奥田 知明
生きるリスクと死ぬリスク
寿命と向き合うファイナンス 中川 秀敏
動物の生死と人類
屠畜と肉食の文化人類学 宮本 万里
Ⅲ 互助と互恵の生物学
互恵的な社会が生まれるまで
アリストテレスに学ぶ政治と経済 稲村 一隆
誕生と加齢の経済学
社会はなぜ助け合うのか? 駒村 康平
生命の経済史
資本主義と公共善 山本 浩司
生命から学ぶ社会の成長と消費
バタイユ「全般経済」再考 石川 学