〈トルコ国民〉とは何か 民主化の矛盾とナショナル・アイデンティティー
鈴木 慶孝:著
A5判 336ページ 上製
価格:7,480円 (消費税:680円)
ISBN978-4-7664-2696-0 C3022
奥付の初版発行年月:2020年09月 / 発売日:2020年09月中旬
価格:7,480円 (消費税:680円)
ISBN978-4-7664-2696-0 C3022
奥付の初版発行年月:2020年09月 / 発売日:2020年09月中旬
内容紹介
――モザイク国家の苦悩と現実――
世俗主義/政教分離を国是としたトルコ。
しかし1980年代以降、イスラームが公定イデオロギー化され、
クルド人などの民族的マイノリティーや、
アレヴィ―などの宗教的マイノリティー問題により、その枠組みは動揺している。
多様性を包摂した「国民統合」政策の抱える矛盾と困難を描き出す、意欲作。
著者プロフィール
鈴木 慶孝(スズキ ヨシタカ)
1987年茨城県生まれ。2018年慶應義塾大学大学院社会学研究科後期博士課程単位取得退学。博士(社会学)。
専門領域は国際社会学、多文化主義・多文化共生研究、トルコ研究。
現在、大阪経済法科大学アジア太平洋研究センター客員研究員。清泉女子大学、津田塾大学で非常勤講師。
目次
序 「多様性」の受容に苦悶するトルコ共和国
第1章 「トルコ国民」の創造とその矛盾――多民族国家のネイション概念
第2章 「トルコ・イスラーム総合」への道――国民概念の矛盾の拡大
第3章 民族‐宗教的連帯の確立――宗務庁が目指す国民統合
第4章 宗教的亀裂――アレヴィーの排除
第5章 民族的亀裂――クルド人の排除
第6章 政治的イスラームの亀裂――ギュレン運動からみる多様性包摂の課題
第7章 エルドアン政権下のトルコ国民統合政策とその限界
終 章 「トルコ民族」から「トルコ国民」の国家へ――ナショナル・アイデンティティーの再構築をめぐる課題
あとがき
引用・参考文献
索引