民俗学の思考法 〈いま・ここ〉の日常と文化を捉える
価格:1,980円 (消費税:180円)
ISBN978-4-7664-2731-8 C3039
奥付の初版発行年月:2021年03月 / 発売日:2021年03月中旬
▼「生きる技法」を捉える
いま・ここにある人びとの生を、その生活や日常、文化を、
ミクロな視点と同時代の世相や社会との絡みのなかで捉える民俗学。
だから、SNSも科学技術もグローバリゼーションだって扱う。
民俗学の基本的な考え方を初学者向けにわかりやすく解説する、決定版テキスト!
民俗学の重要な概念や人名、理論、事例などを丁寧に解説するキーワード集36を収録。
著者紹介・編者以外(執筆順)
島村恭則(しまむら・たかのり)
関西学院大学社会学部教授。主要業績に、『みんなの民俗学――ヴァナキュラーってなんだ?』(平凡社新書、2020年)。
周星(しゅう・せい)
神奈川大学国際日本学部歴史民俗学科教授。主要業績に、『現代民俗学的視野与方向』(商務印書館、2018年)。
法橋量(ほっきょう・はかる)
慶應義塾大学非常勤講師。主要業績に『方法としての〈語り〉――民俗学をこえて』(共著、ミネルヴァ書房、2020年)。
フェルトカンプ, エルメル(Elmer VELDKAMP)
ライデン大学人文学部地域研究所(Leiden Institute for Area Studies)韓国学科専任講師。主要業績に『Highlights from the Korea collection of Rijksmuseum Volkenkunde』(Arnhem: LM Publishers、2014年)。
山泰幸(やま・よしゆき)
関西学院大学人間福祉学部教授。主要業績に『だれが幸運をつかむのか――昔話に描かれた「贈与」の秘密』(筑摩書房、2015年)。
室井康成(むろい・こうせい)
会社役員。主要業績に『事大主義――日本・朝鮮・沖縄の「自虐と侮蔑」』(中央公論新社、2019年)。
重信幸彦(しげのぶ・ゆきひこ)
國學院大學兼任講師。主要業績に『みんなで戦争――銃後美談と動員のフォークロア』(青弓社、2019年)。
金子祥之(かねこ・ひろゆき)
東北学院大学文学部歴史学科講師。主要業績に「オビシャ行事をめぐる地域社会の縮小戦略――村規約にみる現代化への対応 」(『生活学論叢』33号、2018年)。
加賀谷真梨(かがや・まり)
新潟大学人文学部准教授。主要業績に『民衆史の遺産 第14巻沖縄』(谷川健一・大和岩雄編)(分担執筆、大和書房、2019年)。
施尭(し・ぎょう)
東京大学大学院総合文化研究科超域文化科学専攻文化人類学コース博士課程。主要業績に「「民謡」への道――戦後沖縄の旧・コザ市を舞台にした4人の民謡歌手のライフストーリーから」(東京大学修士学位論文、2014年)。
飯倉義之(いいくら・よしゆき)
國學院大學文学部日本文学科准教授。主要業績に『怪異を魅せる』(青弓社、2016年)。
松田睦彦(まつだ・むつひこ)
国立歴史民俗博物館研究部准教授。主要業績に『人の移動の民俗学――タビ〈旅〉から見る生業と故郷』(慶友社、2010年)。
朴承賢(ぱく・すんひょん)
啓明大学校国際地域学部日本学専攻助教授。主要業績に『老いゆく団地──ある都営住宅の高齢化と建替え』(森話社、2019年)。
俵木悟(ひょうき・さとる)
成城大学文芸学部教授。主要業績に『文化財/文化遺産としての民俗芸能――無形文化遺産時代の研究と保護』(勉誠出版、2018年)。
辻本侑生(つじもと・ゆうき)
民間企業勤務。主要業績に「いかにして「男性同性愛」は「当たり前」でなくなったのか――近現代鹿児島の事例分析」(『現代民俗学研究』12号、2020年)。
鈴木洋平(すずき・ようへい)
拝島大師職員。主要業績に「石塔化と「無縁」――佐渡橘における恒久的石塔の選択と『意味づけ』」(『日本民俗学』257号、2009年)。
岩本 通弥(イワモト ミチャ)
東京大学大学院総合文化研究科教授
1956年生まれ。筑波大学大学院博士課程歴史・人類学研究科満期退学。文学修士。主な著書に、『方法としての〈語り〉――民俗学をこえて』(編、ミネルヴァ書房、2020年)、『ふるさと資源化と民俗学』(編、吉川弘文館、2007年)、『都市の暮らしの民俗学』1~3(共編、吉川弘文館、2006年)などがある。
門田 岳久(カドタ タケヒサ)
立教大学観光学部交流文化学科准教授
1978年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程満期退学。博士(学術)。主な著書に、『巡礼ツーリズムの民族誌――消費される宗教経験』(森話社、2013年)、『〈人〉に向きあう民俗学』(共編、森話社、2014年)、『現代宗教とスピリチュアル・マーケット』(共著、弘文堂、2020年)などがある。
及川 祥平(オイカワ ショウヘイ)
成城大学文芸学部文化史学科専任講師
1983年生まれ。成城大学大学院文学研究科博士課程後期、単位取得退学。博士(文学)。主な著書に、『偉人崇拝の民俗学』(勉誠出版、2017年)、『東日本大震災と民俗学』(共編、成城大学グローカル研究センター、2019年)、「「人生儀礼」考――現代世相への対応に向けて」(『成城文藝』254、2020年)などがある。
田村 和彦(タムラ カズヒコ)
福岡大学人文学部東アジア地域言語学科教授
1974年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程満期退学。博士(学術)。主な論文に「中国民俗学の現在──現地調査と民俗志を中心に」(『日本民俗学』259号、2009年)、「文化人類学與民俗学的対話――圍繞「田野工作」展開的討論」(周星(主編)『民俗学的歴史、理論與方法』、上巻、商務印書館、2006年)などがある。
川松 あかり(カワマツ アカリ)
東京大学大学院総合文化研究科超域文化科学専攻文化人類学コース博士課程
1990年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科修士課程修了。修士(学術)。主要業績に、「「語り部」生成の民俗誌にむけて――「語り部」の死と誕生、そして継承」(『超域文化科学紀要』23、2018年)、「ナラティヴ研究と『日常的な民俗誌実践』――日本の旧産炭地筑豊における遺産と記憶」(『日常と文化』8、2020年)などがある。
目次
はじめに 門田岳久
第Ⅰ部 〈いま・ここ〉を捉える思考法
第1章 生きるための民俗学へ
――日常とヴァナキュラー 島村恭則
第2章 過去に縛られながら未来に向かう
――世相と歴史 岩本通弥
第3章 文化を伝え、演じ、作り出す
――芸能とパフォーマンス 周 星
第4章 ソーシャルメディアは伝承母体になりうるか
――ハナシとメディア 法橋 量
第5章 暮らしのなかのブラックボックス
――科学技術とフォークロア フェルトカンプ, エルメル
第6章 モノを使う、モノに使われる
――生活と生態 田村和彦
第7章 何も信じられるものがない時代の宗教性
――信仰と実践 門田岳久
第8章 なぜ文化を遺しておかなくてはならないのか
――文化遺産と制度 川松あかり
第9章 災害多発時代に命と暮らしを守る
――防災・減災と復興 山 泰幸
第10章 超高齢時代のまちづくり
――地域コミュニティと場づくり 山 泰幸
第11章 変わりゆく家族のかたち
――親族とつながり 岩本通弥
第12章 グローバリゼーションとモビリティ
――移動と越境 島村恭則
第13章 着て、食べて、住まい続ける
――生活と衣食住 及川祥平
第14章 新しい生き方と死に方
――人生と儀礼 及川祥平
第Ⅱ部 現代民俗学を読み解くキーワード36
1 民 俗 室井康成
2 文化の伝達 重信幸彦
3 中央と周辺 島村恭則
4 日 常 岩本通弥
5 伝統とイデオロギー 重信幸彦
6 ヴァナキュラー 島村恭則
7 都 市 岩本通弥
8 世 相 室井康成
9 民俗学の人間モデル 門田岳久
10 自治と互助 金子祥之
11 ノスタルジーと郷土 法橋 量
12 近代化 田村和彦
13 ジェンダー 加賀谷真梨
14 文化人類学と民俗学 島村恭則
15 教 育 施 尭
16 フォークロリズム 法橋 量
17 ネット社会の民俗 飯倉義之
18 美 施 尭
19 ライフコース 及川祥平
20 語 り 川松あかり
21 記 憶 及川祥平
22 自 然 松田睦彦
23 宗教的なるもの 及川祥平
24 ケ ア 加賀谷真梨
25 地 域 朴 承賢
26 公共民俗学 金子祥之
27 世界の民俗学 田村和彦
28 フェス・イベントと祭り・行事 俵木 悟
29 文化政策 俵木 悟
30 フィールドワーク 門田岳久
31 エスノグラフィー 門田岳久
32 働 く 加賀谷真梨
33 差 別 辻本侑生
34 地域差/地域性 鈴木洋平
35 サブカルチャーと民俗学 飯倉義之
36 複数の民俗学 門田岳久
索 引