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なぜ、インテリジェンスは必要なのか

なぜ、インテリジェンスは必要なのか

四六判 384ページ 上製
価格:2,970円 (消費税:270円)
ISBN978-4-7664-2752-3 C0031
奥付の初版発行年月:2021年06月 / 発売日:2021年06月中旬

内容紹介

▼インテリジェンスに理論はあるのか? 実態はどうなっているのか?
▼外交、安全保障等の問題を的確に把握するためのリテラシー。
▼なぜ我々はインテリジェンスを知る必要があるのか?
「インテリジェンス」の理論と実践的な問題すべてを解き明かす。

安全保障政策を判断するうえでは、我々にも必須となる「インテリジェンス」。
インテリジェンスとはそもそも何なのか? 
多くの方々に向けて、国家のインテリジェンス機能に関する理解を少しでも深めてもらうことを目的として執筆された教養書!

著者プロフィール

小林 良樹(コバヤシ ヨシキ)

明治大学公共政策大学院(専門職大学院)ガバナンス研究科 特任教授。
早稲田大学博士(学術)、ジョージワシントン大学修士(MIPP)。香港大学修士(MIPA)。トロント大学修士(MBA)。
1964年東京都生まれ。1987年、東京大学法学部卒業後に警察庁入庁。警察庁警備局外事第一課課長補佐、在香港日本国総領事館領事、在米国日本国大使館参事官、警察庁国際組織犯罪対策官、慶應義塾大学総合政策学部教授、高知県警本部長等を歴任。2016年3月からは内閣情報調査室の内閣情報分析官(国際テロ担当)として、テロ情勢分析に従事。2019年3月、内閣官房審議官(内閣情報調査室・内閣情報分析官)を最後に退官。同年4月より現職。
専門はインテリジェンス、テロリズム、社会安全政策等。
主要著書に『テロリズムとは何か―〈恐怖〉を読み解くリテラシー』(慶應義塾大学出版会、2020)、『犯罪学入門―ガバナンス・社会安全政策のアプローチ』(慶應義塾大学出版会、2019)、“Assessing Reform of the Japanese Intelligence Community,” International Journal of Intelligence and Counterintelligence, 28(4), August 2015, pp. 717-733、『インテリジェンスの基礎理論(第2版)』(立花書房、2014)等多数。

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

はしがき/凡 例

第1章 なぜインテリジェンスを知る必要があるのか
 1 そもそも「インテリジェンス理論」とは何か
 2 外交、安全保障等の実務家にとっての意義
 3 実務家以外の人々にとっての意義
 Column 米国の大学等におけるインテリジェンス研究、教育

第2章 インテリジェンスとは何か――定義はない!?
 1 本書におけるインテリジェンスの定義
 2 インテリジェンスの機能
 3 インテリジェンス部門と政策判断者はどのような責任を負うのか
 4 インテリジェンスの定義をめぐる議論
 Column 「判断を支援する」と「判断を容易にする」は同義
 か/Column インテリジェンスの失敗

第3章 インテリジェンス理論に体系はあるのか
 1 インテリジェンス理論の体系――4つの基本理念
 2 基本理念1――客観性の維持
 3 基本理念2――政策部門からのリクワイアメント(要求)優先
 4 基本理念3―秘匿性の確保
 5 基本理念4―民主的統制の実施
 6 新たな理念
 7 理論上の課題
 Column インテリジェンス部門の情勢評価と大統領の政策の矛盾?

第4章 インテリジェンスの定義、機能に関連する様々な問題
 1 インテリジェンス、インフォメーション、情報はそれぞれ異なるも
 のなのか
 2 同盟国、友好国等を対象としたインテリジェンス活動もあり得るの
 か
 3 インテリジェンスは特定の時代のみに重要なものなのか
 4 「対外インテリジェンス」と「国内インテリジェンス」は本質的に
 異なるものなのか
 5 捜査機関とインテリジェンス機関は別個であるべきなのか
 Column 「短期的インテリジェンス」と「中・長期的インテリジェン
 ス」

第5章 インテリジェンス・プロセス
 1 インテリジェンス・プロセスとインテリジェンス・サイクル
 2 インテリジェンス・プロセスの各段階
 3 インテリジェンス・プロセス概念への批判と有用性
 Column 包括的なリクワイアメントの付与—ジョージ・W・ブッシュ大
 統領の例

第6章 インテリジェンス・コミュニティ(1)――意義・日本の組織
 1 インテリジェンス・コミュニティとは何か
 2 日本のインテリジェンス・コミュニティ
 3 日本におけるインテリジェンス機能の強化に向けた取組
 4 インテリジェンス理論とインテリジェンス・コミュニティの概念

第7章 インテリジェンス・コミュニティ(2)――米国の組織
 1 コミュニティの概要
 2 取りまとめ機関――国家情報長官、国家情報長官室
 3 政策部門とインテリジェンス部門の結節点
 4 米国のインテリジェンス・コミュニティの特徴
 5 米国のICに影響を与えた主な歴史的出来事
 6 インテリジェンス理論と米国のインテリジェンス・コミュニティ
 Column 国家情報長官の主な人事・予算権限

第8章 インフォメーションの収集
 1 情報収集の様々な手法
 2 オシント(OSINT)
 3 ヒューミント(HUMINT)
 4 シギント(SIGINT)
 5 ジオイント(GEOINT)
 6 各「イント」に共通の問題
 7 インテリジェンス理論と収集作業
 Column ファイブ・アイズ/Column 映画、ドラマに見る情報収集の
 手法

第9章 インフォメーションの分析
 1 「優れたインテリジェンス・プロダクト」とは何か
 2 分析をめぐる諸問題
 3 インテリジェンス理論と分析作業
 Column 分析手法の基礎/Column 「麦とモミ殻」

第10章 カウンターインテリジェンス――その他のインテリジェンス機能①
 1 カウンターインテリジェンスの定義と理論体系上の位置付け
 2 カウンターインテリジェンスの担当機関
 3 カウンターインテリジェンスの対象
 4 カウンターインテリジェンスの機能と施策
 5 カウンターインテリジェンスの直面する課題
 6 日本におけるカウンターインテリジェンス関連の諸制度の整備の経
 緯
 7 インテリジェンス理論とカウンターインテリジェンス
 Column エイムズ事件/Column ハンセン事件/Column 映画、ドラ
 マに見るカウンターインテリジェンス

第11章 秘密工作活動――その他のインテリジェンス機能②
 1 秘密工作活動の定義、特徴及び理論体系上の位置付け
 2 秘密工作活動の類型
 3 秘密工作活動をなぜ行うのか――秘密工作活動の正当性、要件・手
 続き
 4 秘密工作活動の直面する課題
 5 インテリジェンス理論と秘密工作活動

第12章 インテリジェンス・コミュニティに対する民主的統制
 1 基本的な考え方
 2 米国における民主的統制の制度
 3 イギリスにおける民主的統制の制度
 4 その他の主要国における議会によるICに対する民主的統制の制度
 5 日本における民主的統制の制度
 6 インテリジェンス理論と民主的統制
 Column インテリジェンスと文化――米英の比較

第13章 インテリジェンスの課題――伝統的な課題から新たな課題へ
 1 東西冷戦時代のインテリジェンスの課題
 2 東西冷戦後のインテリジェンスの課題
 3 インテリジェンス理論との関係


 本書注/引用・参考文献/あとがき/索 引


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