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令和3年民法・不動産登記法改正等のポイント物権法改正を読む

物権法改正を読む 令和3年民法・不動産登記法改正等のポイント

A5判 192ページ 並製
価格:2,420円 (消費税:220円)
ISBN978-4-7664-2759-2 C0032
奥付の初版発行年月:2021年08月 / 発売日:2021年08月下旬

内容紹介

▼2021年4月に成立した、物権法改正・不動産登記法改正、新法・相続取得土地の国庫帰属法のポイントを解説!
▼重要な改正内容をコンパクトに解説した必読の改正民法解説。
▼法制審議会(民法・不動産登記法部会)幹事、松尾弘教授による、好評「改正法を読む」シリーズの最新作。

物権法における、①相隣関係に関する規定の見直し、②共有物の使用・管理・変更・分割に関する規定の改正、③所有者不明土地・建物の管理、④管理不全土地・建物管理制度、⑤相続財産の管理および清算に関する規律 

不動産登記法等における、①不動産所有権の相続登記を促進するための法改正、②登記名義人の探索・特定を容易にするための法改革 
③登記義務者の所在不明の場合における権利に関する登記の抹消等、④不動産登記情報の公開基準の合理化 

相続土地国庫帰属法の立法など

これらの改正法・新法のポイントを押さえながら幅広くフォローする。

著者プロフィール

松尾 弘(マツオ ヒロシ)

慶應義塾大学大学院法務研究科教授。
1962年長野県生まれ。慶應義塾大学法学部卒業。一橋大学大学院法学研究科博士後期課程単位取得。横浜市立大学商学部助教授,横浜国立大学大学院国際社会科学研究科教授を経て,現職。この間,シドニー大学客員教授,オックスフォード大学客員研究員,社会資本整備審議会(公共用地分科会)委員,国土審議会(土地政策分科会)特別委員,法制審議会(民法・不動産登記法部会)幹事,財政制度等審議会(国有財産分科会)臨時委員などを務める。
主要著作として,ヘルムート・コーイング『法解釈学入門』(訳,慶應義塾大学出版会,2016),ジョセフ・ラズ『法体系の概念―法体系論序説(第2版)』(訳,慶應義塾大学出版会,2011),『民法の体系―市民法の基礎(第6版)』(慶應義塾大学出版会,2016),『民法改正を読む―改正論から学ぶ民法』(慶應義塾大学出版会,2012),『債権法改正を読む―改正論から学ぶ新民法』(慶應義塾大学出版会,2017),『家族法改正を読む―親族・相続法改正のポイントとトレンド』(慶應義塾大学出版会,2019),『開発法学の基礎理論―良い統治のための法律学』(勁草書房,2012),『発展するアジアの政治・経済・法―法は政治・経済のために何ができるか』(日本評論社,2016),『財産権保障と損失補償の法理』(大成出版社,2011),『基本事例から考える損失補償法』(大成出版社,2015),Property and Trust Law: Japan, International Encyclopedia of Laws, Kluwer International, 2021 ほか。

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

はしがき
凡例・新旧対照条文/立法関係資料等略記・参考文献/図表一覧/付表

 Ⅰ はじめに
―令和3年民法・不動産登記法改正等の経緯と特色
1 令和3年民法・不動産登記法改正等の経緯 
 (1) 「所有者不明土地」問題への対応立法の展開
 (2) 登記制度・土地所有権の在り方等に関する研究会における検討
 (3) 法制審議会民法・不動産登記法部会から法案提出へ
 (4) 国会審議から成立・公布・施行へ
2 令和3年民法・不動産登記法改正等の特色 

 Ⅱ 民法等の改正
1 相隣関係に関する規定の見直し 
 (1) 所有者不明土地問題と相隣関係
 (2) 隣地使用権の承認
 (3) 隣地から越境した竹木の枝の切除
 (4) 継続的給付を受けるための設備の設置権等
 (5) 管理措置請求権または管理措置権の導入の見送り
2 共有物の使用・管理・変更・分割に関する規定の改正 
 (1) 共有物の使用
 (2) 共有物の管理
 (3) 共有物の変更
 (4) 共有物分割請求に関する規律の見直し
 (5) 不動産共有者の一部が不明の場合における持分またはその譲渡権
  限の取得
 (6) 共有規定の改正と準共有
3 所有者不明土地・建物の管理 
 (1) 所有者不明土地・建物管理制度の創設
 (2) 不在者財産管理制度との関係
 (3) 所有者不明土地の管理
 (4) 所有者不明建物管理制度
4 管理不全土地・建物管理制度 
 (1) 管理不全土地・建物管理制度の創設
 (2) 管理不全土地の管理
 (3) 管理不全建物の管理
5 相続財産の管理および清算に関する規律 
 (1) 相続財産の管理
 (2) 相続財産の清算と相続財産清算人
 (3) 遺産分割に関する期間制限

 Ⅲ 不動産登記法等の改正
1 不動産所有権の相続登記を促進するための法改正 
 (1) 不動産所有権の相続登記の申請義務
 (2) 相続登記申請義務を怠った場合のサンクション
 (3) 登記手続の簡略化等
 (4) 所有不動産記録証明書の交付等
 (5) 所有権の登記名義人の権利能力の喪失に関する登記所の権限の拡
  大
2 登記名義人の探索・特定を容易にするための法改革 
 (1) 登記名義人の氏名・名称および住所の変更の登記義務
 (2) 登記所による登記名義人の氏名・名称および住所の変更情報の入
  手
 (3) 法人に関する登記事項の追加
 (4) 所有権の登記名義人が日本国内に住所をもたない場合に所在の把握を容易にするための
 措置
3 登記義務者の所在不明の場合における権利に関する登記の抹消等 
 (1) 除権決定による権利に関する登記の抹消等
 (2) 買戻しの特約に関する登記の抹消
 (3) 解散した法人の担保権に関する登記の抹消
 (4) 所有権の登記名義人が所在不明等の場合における残された課題
4 不動産登記情報の公開基準の合理化 
 (1) 被害者保護のための住所情報の公開の見直し
 (2) 登記簿の附属書類の閲覧等の基準の合理化

 Ⅳ 土地所有権の国庫への帰属の承認等に関する制度の創設
1 相続土地国庫帰属法の立法の経緯と意義 
 (1) 土地所有権の放棄の可否
 (2) 共有持分権の放棄との関係
 (3) 相続土地国庫帰属法の制定とその意義
 (4) 相続土地国庫帰属法の制定の含意
2 土地所有権の国庫帰属の承認 
 (1) 承認申請の要件
 (2) 承認申請書の提出および手数料の納付
 (3) 承認申請の却下事由
 (4) 法務大臣による承認
 (5) 負担金の納付
 (6) 国庫帰属の時期
3 国庫帰属地の管理・処分 
4 承認の取消し 
5 承認を受けた者の損害賠償責任 
6 相続土地国庫帰属法の展望 

 Ⅵ おわりに
―令和3年民法・不動産登記法改正等の意義と課題
1 所有者不明土地問題への対応立法としての包摂性・整合性・持続可能性 
2 物権法理の展開と課題

改正物権法新旧対照条文/索引


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