マクロ経済統計と構造分析 もう一つの国民経済勘定体系を求めて
価格:3,740円 (消費税:340円)
ISBN978-4-7664-2761-5 C3033
奥付の初版発行年月:2021年09月 / 発売日:2021年09月上旬
▼マクロ経済の日々の変化をどう読み解くか、経済統計の歴史を繙(ひもと)き未来を描く。
経済活動の把握に挑んだ人々の紆余曲折の歴史を辿りつつ、SNA諸勘定の理論と構造を体系的に説明。実物経済への影響力をますます強める金融市場の動きを精緻に捉えるべく、新たなマクロ経済統計のあり方を考察する。
辻村 雅子(ツジムラ マサコ)
立正大学データサイエンス学部准教授
1998年慶應義塾大学商学部卒業、2003年同大学院商学研究科博士課程単位取得退学、2016年博士(経済学)学位取得。2003~2009年和洋女子大学人文学部国際社会学科講師、2003~2018年慶應義塾大学通信教育部講師、2005年~同大学産業研究所研究員、2016~2021年立正大学経済学部特任講師、2021年より現職。
辻村 和佑(ツジムラ カズスケ)
慶應義塾大学名誉教授、明星大学常勤教授
1976年慶應義塾大学商学部卒業、1981年同大学院経済学研究科博士課程単位取得退学、2009年博士(商学)学位取得。1979~1985年慶應義塾大学経済学部助手、1985~1997年助教授、1997~2019 年教授。この間1982~1984年オックスフォード大学でAndrew Graham教授に師事、2001~2005年慶應義塾大学産業研究所所長。
目次
はしがき
第1章 はじめに
1.1 マクロ経済統計の誕生
1.2 本書の構成
第1部 経済統計の誕生と発展
第2章 経済統計の歴史
2.1 ウィリアム・ペティの政治算術
2.2 フランソワー・ケネーの経済表
2.3 世界恐慌と国民経済勘定体系の発展
第3章 国民経済勘定体系
3.1 経済統計
3.2 国民経済勘定体系の基礎概念
第2部 SNA諸勘定の理論と構造
第4章 国際収支表・対外資産負債残高表
――対外フロー法の基礎勘定
4.1 国際収支表作成の歴史的な背景
4.2 国際収支表の歴史
4.3 国際収支表と対外資産負債残高表の枠組み
4.4 国際収支表と対外資産残高表の観察
第5章 産業連関表
――プロダクトフロー法の基礎勘定
5.1 産業連関表の歴史的な発展
5.2 産業連関表の枠組み
5.3 産業連関表とレオンティエフ逆行列
5.4 産業連関表の三角化
第6章 資金循環勘定
――資金フロー法の基礎勘定
6.1 資金循環勘定の歴史
6.2 資金循環統計の枠組み
6.3 資金過不足と金融資産・負債差額
6.4 資金循環統計を構成する金融機関の概要
6.5 資金循環統計を用いた応用分析
第3部 国民経済勘定体系の課題と展望
第7章 プロダクトフロー法に立脚した国民経済勘定体系としてのSNA
7.1 国際連合を中心にした国民経済計算体系の発展
7.2 国民経済計算の編纂方式に関わる初期のアイディア
7.3 ストーンの提案と1947暫定版SNA
7.4 SNA1953
7.5 SNA1968
7.6 SNA1993・SNA2008
7.7 純粋なプロダクトフロー法に基づく統計
第8章 資金フロー法に立脚した国民経済勘定体系の構築
8.1 資金フロー法に立脚した国民経済勘定体系の必要性
8.2 資金フロー法に立脚した国民経済勘定体系の概要
8.3 米国のデータを用いた資金フロー法に立脚した国民経済勘定体系
の作成
8.4 資金循環表の作成
8.5 米国の資金循環表を用いた実証分析
第9章 おわりに
9.1 金融市場と実物市場の相互依存関係の把握
9.2 もう一つの国民経済勘定体系を求めて
参考文献
索 引