コミュニケーション場のメカニズムデザイン
価格:2,970円 (消費税:270円)
ISBN978-4-7664-2773-8 C3034
奥付の初版発行年月:2021年10月 / 発売日:2021年10月中旬
▼ビブリオバトル、ディベート、演劇ワークショップ、発話権取引の実践から「コミュニケーション場」のメカニズムを解明する。
▼ビジネスの「会議」、教育の場の「議論」などの「質」と「量」を改善する!
▼「コミュニケーション」についての新たな総合的アプローチの提案。
一部の人が話す会議、かみ合わない議論…。
誰もが経験する、コミュニケーションの「失敗」に対し、「場」の「メカニズム」に注目し、実践と理論の両方から検討する。ビブリオバトル、ディベート、演劇ワークショップ、発話権取引についての分析と、メカニズムデザイン理論、自然言語処理の知見を加わる。
谷口 忠大(タニグチ タダヒロ)
立命館大学情報理工学部教授。京都大学大学院工学研究科精密工学専攻博士課程修了。博士(工学)。専門分野は人工知能、創発システム、コミュニケーション場のメカニズムデザイン、記号創発ロボティクス。
著書に『ビブリオバトル――本を知り人を知る書評ゲーム』(文藝春秋、2013年)、『記号創発ロボティクス――知能のメカニズム入門』(講談社、2014年)、『賀茂川コミュニケーション塾――ビブリオバトルから人工知能まで』(世界思想社、2019年)『心を知るための人工知能――認知科学としての記号創発ロボティックス』(共立出版、2020年) などがある。
石川 竜一郎(イシカワ リュウイチロウ)
早稲田大学国際学術院教授。一橋大学大学院経済学研究科博士後期課程単位退学。博士(経済学)。専門分野は理論経済学、ゲーム論。
著書に『制度と認識の経済学』(共編著、2013年、NTT出版)、論文に「コミュニケーションの場の動的ゲーム論理」『システム制御情報学会論文誌』Vol. 32, No. 12, pp. 429‒438, “It is not just confusion! Strategic uncertainty in an experimental asset market,” Economic Journal, vol.127(Oct.): F563-F580, 2017(共著)などがある。
目次
まえがき
第1章 コミュニケーション場のメカニズムを始めよう!(谷口忠大)
1.はじめに
2.コミュニケーション場のメカニズムデザイン
3.メカニズムの設計原理と設計変数
第2章 ビブリオバトル──ゲーム感覚で知識に出会う (谷口忠大、益井博史)
1.ビブリオバトルのメカニズム
2.ビブリオバトルの機能と実証研究
3.設計変数としての制限時間
4.ビブリオバトルの開催形式と広がり
第3章 ディベート──ルールに基づく討論のメカニズム (中川智皓)
1.パーラメンタリーディベート
2.論理構造のデザイン
3.ビブリオバトルとディベートと設計変数
4.ディベートの教育での活用と広がり
第4章 演劇ワークショップ──ロールプレイの空間を創る (蓮行、末長英里子)
1.なぜ、コミュニケーション場のメカニズムデザインで「演劇」を扱
うのか?
2.件の宣言
3.件の宣言の設計変数
4.演劇ワークショップの広がり
5.コミュニケーション場のメカニズムデザインへの応用可能性
6.まとめと今後の展望
第5章 発話権取引──会議でみんなの発言を活発化する (谷口忠大)
1.発話権取引をやってみよう!
2.発話権取引の効果検証
3.市場メカニズムに基づく発話時間配分
第6章 メカニズムデザイン──正直者が不利にならない仕組み (石川竜一郎)
1.はじめに
2.市場メカニズムと発話権取引
3.意見を集約する投票
4.メカニズムデザインとゲーム理論
5.ゲーム理論とメッセージ送信ゲーム
6.メカニズムデザインからマーケットデザインへ
7.社会システム設計から制度と認識の経済学へ
第7章 コミュニケーションの言語処理──人工知能による議論の支援 (井之上直也)
1.はじめに
2.論述構造解析
3.論述品質評価
4.まとめと今後の展望
第8章 コミュニケーション場のシステム理論──論点整理と課題 (谷口忠大)
1.コミュニケーション場の階層性とその制御
2.コミュニケーション場のメカニズムの設計原理を求めて
3.関連分野における学術的な広がり
あとがき
索引