仕事から見た「2020 年」 結局、働き方は変わらなかったのか?
価格:1,980円 (消費税:180円)
ISBN978-4-7664-2806-3 C0033
奥付の初版発行年月:2022年03月 / 発売日:2022年03月中旬
◆ データによる「歴史証言」 ◆
テレワーク、おうち時間、仕事満足度など、地球規模で席巻したコロナ・パンデミックは人々の暮らしと働き方に大きな影響を与えた。この変化は一時的なものか、それとも旧弊を払拭する転機となったのか。
リクルートワークス研究所が実施した全国就業実態パネル調査と臨時追跡調査のデータを用いて同一個人の働き方の変容などを多角的に分析し、わが国の労働市場にはどんな構造変化が起きたのかを検証する貴重な「歴史証言」書。
▼コロナショックによる働き方の変化は、社会と働き手にどんな影響をもたらしたのか。
▼「2020年に起こったこと」を正しく理解するための画期的な一書。
・ リクルートワークス研究所が2016年より継続して行ってきた、約5万人
を対象とする、生活や働き方に関する貴重な大規模パネル調査をもと
に、日本史のなかでも一つの分岐点になるであろう「2020年」がどうい
う年であったのかを、仕事の観点から詳らかにしていく。
・ このパネル調査は現在も継続中であり、感染拡大する前後における同一
個人の働き方の変化を明らかにできる、唯一無二の統計情報となってい
る。近視眼的な読み解きではなく、「歴史証言」として長く読まれるこ
とを想定し編まれた稀有な作品。
「2020年」を読み解く具体的なポイントの一部
* 感染拡大の緊急事態に適応できたのは、感染拡大前にどのような環境に
あった人なのか。
* 緊急事態後のみならず、持続的に働き方を変えたのはどんな環境下の人
たちなのか。
* 感染拡大によってもまったく働き方が変わらなかったのはどんな環境下
の人たちなのか。
* 休業手当は就業継続につながったのか。
* 休業は在職者の満足度や収入にどのような影響を及ぼしたのか。
* 感染拡大の影響は都会と田舎で異なるのか。
* テレワークによって満足度や生産性を高めたのはどのような環境下の人
たちなのか。
* 感染拡大は子どもを持つ就業者の仕事と家事・育児にどのような影響を
及ぼしたのか。
玄田 有史(ゲンダ ユウジ)
1964年生まれ。88年、東京大学経済学部卒業。ハーバード大、オックスフォード大各客員研究員、学習院大学教授等を経て現職。博士(経済学)。
主著
『仕事のなかの曖昧な不安』(中央公論新社、2001年、日経・経済図書文
化賞、サントリー学芸賞)
『ジョブ・クリエイション』(日本経済新聞社、2004年、エコノミスト
賞、労働関係図書優秀賞)
『孤立無業』(日本経済新聞出版社、2013年)
『危機と雇用』(岩波書店、2015年、沖永賞)
『人手不足なのになぜ賃金が上がらないのか』(慶應義塾大学出版会、
2017年、編著)
ほか多数。
萩原 牧子(ハギハラ マキコ)
1975年生まれ。大阪大学大学院国際公共政策研究科博士後期課程修了。博士(国際公共政策)。2006年より現職。調査設計と解析を担当し、2016年「全国就業実態パネル調査」を立ち上げる。厚生労働省「柔軟な働き方に関する検討会」委員(2017)、厚生労働省「これからのテレワークでの働き方に関する検討会」委員(2020)などを務める。
主業績
「『複業』の実態と企業が認めるようになった背景」(共著)『日本労働
研究雑誌』No.676, 2016年。
目次
序 章 調査の概要と各章共通で使用する図表(リクルートワークス研究所)
第1章 働き方の柔軟性と新たな格差(山本)
第2章 雇用の二極化を検証する(照山)
第3章 都会の仕事、田舎の仕事――感染による地域間格差への影響(阿部)
第4章 感染拡大と「働きがい」の変化と格差――ワーク・エンゲージメントの視点(久米)
第5章 感染拡大が引き起こした企業規模間格差――「規模」から浮かび上がる格差の実態(茂木)
第6章 キャリアを通した階層移動の機会(三輪)
第7章 テレワークへの移行と定着、そして効果(萩原)
第8章 テレワークの普及に必要となる労働者代表――孤立を防ぐための集団交渉(玄田)
第9章 休業が在職者にもたらした帰結とは――収入・満足度等への影響(太田)
第10章 休業手当は就業継続につながったのか――手当支給の影響と効果(久米)
第11章 子どもを持つ就業者のワーク・ライフ・バランスは変化したのか(大谷)
第12章 社会人にとって「学び」の持つ意味とは――2020年は学習を変えたのか(孫)
終 章 総括――結局、何が変わり、何が変わらなかったのか?(玄田)
あとがき
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