新版 ヨーロッパの中世
価格:3,300円 (消費税:300円)
ISBN978-4-7664-2808-7 C3022
奥付の初版発行年月:2022年05月 / 発売日:2022年05月中旬
近現代に結実する豊穣なる中世
中世ヨーロッパは真に暗黒の時代だったのか?
「ローマ」「キリスト教」「世俗権」「都市」「国民」「科学」などヨーロッパ中世の基底となるキーワードから解き明かす。
▼全20章で解き明かす、中世ヨーロッパ史テキストの決定版。
▼ヨーロッパ周辺の「隣人」との関わり、庶民の暮らしや地勢・気候等も網羅し、より深いレベルの理解を促す。
▼歴史を学び直したい大人にもおすすめ。
中世ヨーロッパ史の好評テキストを改訂。12世紀ルネサンスからスコラ学・神秘主義等に注目した新章「知の世界」が加わり、全20章となった完全版。庶民の暮らし、ヨーロッパを取り巻くさまざまな隣人たちとの関わり、地勢や天変地異といったさまざまな“歴史”を網羅することにより、より深いレベルで西洋中世史を理解できる。学生のみならず、歴史を学び直したい大人へもおすすめの一冊。
神崎 忠昭(カンザキ タダアキ)
略 歴:1957年生まれ。1989年3月慶應義塾大学大学院博士課程単位取得満期退学。慶應義塾大学文学部教授。
専 攻:ヨーロッパ中世史
主要著作:『断絶と新生』(編、慶應義塾大学出版会、2016年)、『自然を前にした人間の哲学――古代から近代にかけての12の問いかけ』(編、慶應義塾大学出版会、2020年)、ジャン・ルクレール『修道院文化入門――学問への愛と神への希求』(共訳、知泉書館、2004年)、「ヴェッティヌスの幻視 Visio Wettiniについて」『慶應義塾大学言語文化研究所紀要』26、1994年など
目次
イントロダクション
1 時代区分
2 自然条件
第1章 大いなるローマ
1 ローマの遺産
2 キリスト教の成立
3 後期ローマ帝国
4 荒れ野に生きる人々
第2章 古代世界の終焉とゲルマン人
1 侵入
2 帝国の衰退
3 統合の模索
4 ガリア
5 海の彼方
6 文化の継承
第3章 フランク王国
1 メロヴィング朝
2 カロリング家の台頭
3 カール大帝
4 カロリング・ルネサンス
5 ベネディクト修道士
6 カロリング家の退潮
第4章 隣人たち―交流と緊張
1 コンスタンティノープル
2 イスラーム
3 東欧
4 ノルマン人
第5章 鉄の時代―混乱と再編
1 異民族の侵入
2 封建制
3 荘園と農民
4 農業革命
5 平和の回復
第6章 皇帝
1 オットー朝
2 帝国教会政策
3 11世紀中葉までのローマ教会
4 カノッサの屈辱
第7章 教皇
1 聖職者とは
2 ヒエラルキー
3 教皇権の「絶頂」
4 帝国の落日
5 アナーニ事件
第8章 修道士
1 クリュニー
2 隠修士
3 シトー会
4 修道参事会士
5 戦士のキリスト教化
第9章 英仏の葛藤
1 プランタジネット朝
2 カペー家
3 イングランドの混乱と立憲制の萌芽
第10章 都市
1 都市とは
2 都市の人々
3 人とモノの動き
4 都市の文化
5 アウトサイダーたち
第11章 新しい宗教生活
1 異端:ワルド派、カタリ派
2 托鉢修道会
3 民衆のキリスト教化
第12章 知の世界
1 12世紀ルネサンス
2 プラトンとアリストテレス
3 スコラ学
4 大学
5 神秘主義
第13章 国民国家
1 百年戦争
2 国民国家フランス
3 バラ戦争:イングランド
第14章 それぞれの国制の模索
1 帝国からドイツへ
2 ブルゴーニュ
3 イタリア
4 スイス
第15章 隣人から一員へ
1 北欧
2 東欧
3 レコンキスタ
4 コンスタンティノープルの落日
5 帝国の後継者
第16章 中世後期の教会
1 アヴィニョン教皇庁
2 教会大分裂
3 公会議主義運動
4 「国民教会」に向かって
第17章 衣食住
1 衣服
2 食生活
3 住居
第18章 人の一生
1 子ども
2 家族
3 病気
4 不安
5 老いと死
第19章 宗教改革
1 人文主義
2 ルター
3 カール5世
4 反宗教改革
第20章 近代へ
1 古代の再発見
2 大航海時代
3 地図
4 技術そして科学
5 人間性の肯定
エピローグ
文献案内-さらに学びたい人のために
人名・事項索引
図版出典一覧