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日本・韓国・インドネシア・ドイツ対立と分断の中のメディア政治

慶應義塾大学東アジア研究所叢書
対立と分断の中のメディア政治 日本・韓国・インドネシア・ドイツ

山腰 修三:編著
A5判 248ページ 上製
価格:3,520円 (消費税:320円)
ISBN978-4-7664-2822-3 C3336
奥付の初版発行年月:2022年04月 / 発売日:2022年04月中旬

内容紹介

社会の対立や分断を活性化させたポピュリズムの興隆は、今日のメディア環境と「政治」との強い相互作用抜きには説明できない。
民主主義とメディアの現代的危機をもたらしている対立や分断の政治を生み出す条件や特徴を、日本・韓国・ インドネシア・ドイツの事例から明らかにする。
学際的なアプローチからメディアと政治の関係性に迫る共同研究の成果。

著者プロフィール

山腰 修三(ヤマコシ シュウゾウ)

慶應義塾大学法学部教授。
慶應義塾大学大学院法学研究科後期博士課程単位取得退学。博士(法学)。
専門は、マス・コミュニケーション論、ジャーナリズム論、政治社会学。
主要業績に、『コミュニケーションの政治社会学――メディア言説・ヘゲモニー・民主主義』(ミネルヴァ書房、2012年)、『戦後日本のメディアと原子力問題――原発報道の政治社会学』(編著、ミネルヴァ書房、2017年)、ニック・クドリー『メディア・社会・世界――デジタルメディアと社会理論』(監訳、慶應義塾大学出版会、2018年)、カリン・ウォール=ヨルゲンセン『メディアと感情の政治学』(共訳、勁草書房、2020年)など。

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

はじめに (山腰修三)

第1章 「統合」と「分断」のメディア・イベント
――川崎ヘイトスピーチデモの報道を事例として (三谷文栄)
 はじめに
 1 メディア・イベント論の視座
 2 メディア・イベントと川崎ヘイトスピーチデモ
 3 メディア・イベントと「統合」と「分断」の論理
 4 社会の「中心」はどこにあるのか
 おわりに

第2章 日本型メディア・ポピュリズムと「改革」言説
――「失われた一〇年」期における朝日新聞の社説を中心にして (山腰修三)
 1 メディア政治とポピュリズム
 2 ポピュリズムの言説戦略としての「改革」
 3 「失われた一〇年」と「危機」
 4 小泉現象と新自由主義的改革
 5 日本における「改革」言説とメディア・ポピュリズムの帰結

第3章 現代日本社会における「政治のメディア化」と「ジャーナリズム化」
――小池都政における豊洲市場移転延期問題(二〇一六年~二〇一七年)を事例として (山口 仁)
 はじめに
 1 「政治のメディア化」と「ジャーナリズム化」
 2 事例:小池百合子東京都知事による豊洲市場移転延期問題の争点化
 と関連報道
 おわりに

第4章 韓国社会におけるメディアシニシズムと政治コミュニケーション (李 光鎬 )
 はじめに
 1 メディアシニシズムとは何か
 2 メディアシニシズムの政治心理学
 3 韓国社会におけるメディアシニシズムの実態
 4 党派性の強さと敵対的メディア認知、メディアシニシズムの関係
 5 メディアシニシズムと政治情報源の利用
 6 メディアシニシズムと政治ニュースの「消費」
 7 メディアシニシズムと選択的接触
 おわりに

第5章 韓国における政治情報の選択的接触と共有 (李 津娥)
 はじめに
 1 オンライン政治情報利用の特徴
 2 政治志向と情報への選択的接触――認知的特性と情報のカスタマイ
 ズ志向
 3 オンライン上の政治情報の共有
 おわりに

第6章 大衆団体法とイスラム化の葛藤
――二一世紀インドネシアにおける新しい大衆像 (山本信人)
 はじめに
 1 オルマスの顕在化
 2 マサ(大衆)の統制
 3 民主化とイスラム化
 4 大衆団体の統制強化へ
 5 二〇一七年大衆団体法代行政令
 6 浮遊しながら結集する情報消費者
 おわりに

第7章 ドイツのヘイトスピーチ対策
――二〇一七年のSNS対策法と二〇二一年改正 (鈴木秀美)
 はじめに
 1 SNS対策法の概要
 2 二〇二一年改正
 おわりに

索 引


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