アメリカ・マーケティング研究史15講 対象と方法の変遷
価格:2,640円 (消費税:240円)
ISBN978-4-7664-2844-5 C3034
奥付の初版発行年月:2022年09月 / 発売日:2022年09月中旬
研究対象としての企業実践とそれを説明する研究方法の歴史から、マーケティング研究の過去・現在・未来を読み解く決定版テキスト!
▼マーケティングが、技術革新や消費者行動など現実社会の変化を受けてその対象を拡大し、生産から販売まで企業の意思決定全体をカバーする重要な活動へと成長していく過程が分かる!
▼マーケティング研究が、経済学、心理学、哲学など多様な学問を吸収してきた理由と、その理論と方法の歴史的な変遷を理解できる!
▼卒業論文・修士論文の執筆に役立つ文献一覧も充実、研究の潮流を俯瞰でき、読むべき重要論文も見つかる!
堀越 比呂志(ホリコシ ヒロシ)
慶應義塾大学名誉教授
1977年慶應義塾大学商学部卒、79年同大学院商学研究科修士課程修了、84年同博士課程単位取得退学。2000年博士(商学)。1986年青山学院大学経営学部専任講師、90年同助教授、99年慶應義塾大学商学部助教授、2001年教授。2020年退職、名誉教授。この間、2005~2008年マーケティング史研究会(現・学会)世話人、2006~2009年および2013~2016年日本商業学会理事、2016~2018年日本ポパー哲学研究会代表、2012~日経広告研究所論文審査委員会委員長など歴任。
専門は、マーケティング学説史・方法論。
主な業績に、『文化を競争力とするマーケティング』(共著、中央経済社、2020年)、『マーケティング理論の焦点』共編著、中央経済社、2017年)、『戦略的マーケティングの構図』(編著、同文舘出版、2014年)、『マーケティング研究の展開(シリーズ歴史から学ぶマーケティング 第1巻)』(編著、同文舘出版、2010年)、『マーケティング・メタリサーチ』(単著、千倉書房、2005年)ほか多数。
目次
はじめに
第Ⅰ部 マーケティング研究の登場と第2次世界大戦前の展開
<第Ⅰ部の時代とマーケティング行為>
第1講 マーケティング研究の対象とマーケティング研究登場の知的背景
1.マーケティング行為の発生と行為の次元
2.「marketing」という用語の発生と当時の社会・経済的問題状況
3.マーケティング研究の対象としてのミクロとマクロ
4.古典派経済学的状況の崩壊
5.新たな知的潮流の出現
第2講 初期マーケティング研究の状況と第2次世界大戦前のマーケティング研究の展開
1.マーケティング研究者の連合的活動と学科としての成立
2.マーケティング研究のパイオニアとしてのShawとWeld
3.第2次世界大戦前の主流としてのマクロ的マーケティング研究
4.第2次世界大戦前のミクロ的マーケティング研究
【コラム】第Ⅰ部の時代の日本
第Ⅱ部 第2次世界大戦後の企業環境の変化とマーケティング研究
<第Ⅱ部の時代とマーケティング行為>
第3講 戦後のアメリカ経済とマネジリアル・マーケティング
1.戦後のアメリカ経済の基本構造
2.戦後アメリカ経済と技術革新競争
3.技術革新競争とマーケティング
4.マネジリアル・マーケティングの特徴
第4講 戦前のマーケティング研究の反省――マーケティング・サイエンス論争
1.論争の発端
2.Alderson and Cox〔1948〕vs. Vaile〔1948〕の論争
3.Cox and Alderson(eds.)〔1950〕、Bartels〔1951〕vs.
Hutchinson〔1952〕の論争
4.論争の終結と学界の研究動向
5.Aldersonの「組織された行動システム(O. B. S.)」とマネジリア
ル・マーケティング
6.戦後マーケティング研究の基本的特徴――行動科学的研究プログラ
ム
第5講 ミクロ的研究の主流化とその新領域
1.企業家的接近の定着と数量化の進展
2.新概念の輩出と新しい研究領域
3.消費者行動研究
4.国際マーケティング論
第6講 1960年代のマクロ的研究における新しい動向と伝統的各論分野の動向
1.マーケティング・システムの研究
2.比較マーケティングとロジスティクス
3.コンシューマリズムの登場とマーケティングにおける社会問題
4.販売員管理
5.小売業および卸売業研究
6.市場調査論
7.広告研究
【コラム】第Ⅱ部の時代の日本
第Ⅲ部 1970年代におけるマーケティング研究の動向
<第Ⅲ部の時代とマーケティング行為>
第7講 マーケティング研究の対象に関するメタ論争――マーケティング概念拡張論争
1.マーケティングの意味に関する論争
2.Kotlerによるマーケティング概念の拡張の主張
3.Lazerのソーシャル・マーケティング
4.論争の展開とその帰結
第8講 1970年代のミクロ的研究における新しい動向
1.新製品開発研究と戦略的管理
2.経営戦略論とマーケティング研究
3.消費者行動研究における新しい展開
4.国際マーケティング論における新しい展開
第9講 1970年代のマクロ的研究における新しい動向
1.マクロ的研究の本格的展開
2.企業のマーケティング行為と社会
3.Kotler流のソーシャル・マーケティングと非営利組織のマーケティ
ング
第10講 4P論的各論における新動向
1.Price―製品研究に伴う新たな展開
2.Place―チャネル研究の新しい展開
3.Promotion―広告研究と販売員研究の位置づけの変化とその動向
【コラム】第Ⅲ部の時代の日本
第Ⅳ部 1980年代以降におけるマーケティング研究の動向
<第Ⅳ部の時代とマーケティング行為>
第11講 マーケティング研究の方法に関するメタ論争――マーケティング方法論論争
1.第1次マーケティング方法論論争
2.第2次マーケティング方法論論争
3.3つの論争群の思想的背景
第12講 マーケティングの研究の対象における焦点の変化――関係性マーケティング
1.マーケティングの特殊研究分野における関係性の認識
2.チャネル研究における関係性と関係性マーケティング研究の確立
3.関係性概念のパラダイム化とマーケティングの定義の変更
第13講 対象の構造化と方法における4つの研究プログラム
1.マーケティング研究の対象における新たな構造化
2.個別的事象への歴史的関心と2つの新たな研究プログラム
3.タイプ的事象への理論的関心と伝統的な2つの研究プログラム
第14講 4P論的各論における新動向
1.Product
2.Priceと消費者行動研究
3.Placeと経営戦略論
4.Promotion
第15講 マーケティング研究の基本動向と課題
1.隣接諸科学からの影響下でのマーケティング研究の理論化の進展
2.関係性マーケティング研究とミクロ‐マクロ・リンク
3.個別的事象に関する研究の進展とその貢献
4.ICTとマーケティング研究
5.サービス・ドミナント・ロジックの展開
6.マーケティング=マーケティング・コミュニケーション
【コラム】第Ⅳ部の時代の日本
事項索引
欧文・略語索引
人名索引