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モダン・ヒューマンとしての私たちと建築をめぐる10講ヨコとタテの建築論

ヨコとタテの建築論 モダン・ヒューマンとしての私たちと建築をめぐる10講

四六判 304ページ 並製
価格:2,970円 (消費税:270円)
ISBN978-4-7664-2860-5 C3052
奥付の初版発行年月:2023年01月 / 発売日:2023年01月下旬

内容紹介

▼いま建築を考える上での基本を、講義形式でわかりやすく語る入門書!
▼より広く、発展的に学ぶための分野横断的な文献案内も充実。
▼初学者から大学院生、他分野の読者まで幅広い層に開かれたオリジナルな建築論!

建築家は家屋の海原の中に聖堂をつくる。ヨコの広がりの内に、タテの力が働く場をつくり出そうとするのです──(本書より)

当たり前をじっくり考え直すこと、学び直すこと。
私たち=現生人類の本性に立ち返り、建築の思考をいきいきと語る。
相似の海としての「建物」の広がりから、「建築」はいかに世界と未来の幻視を立ち上げるか───。
東京藝術大学大学院での講義から生まれた出色の入門書。

著者プロフィール

青井 哲人(アオイ アキヒト)

明治大学理工学部建築学科教授、建築史・建築論
1970年生まれ。1995年京都大学大学院工学研究科建築学専攻博士課程中退。神戸芸術工科大学助手、人間環境大学准教授を経て、2008年明治大学理工学部建築学科准教授、2017年同教授。博士(工学)。主著に『彰化一九〇六年──市区改正が都市を動かす』(アセテート)、『植民地神社と帝国日本』(吉川弘文館)、『世界建築史15講』(共著、彰国社)『津波のあいだ、生きられた村』(共著、鹿島出版会)、『日本都市史・建築史事典』(共著、丸善)など。

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

第1部 ヨコとタテ──ヒトは世界を組み上げる(モダン・ヒューマン論)
●第1講 互換と累進──モダン・ヒューマン、その力のぎこちなさ
1 アナロジーの曲芸/2 自他に橋を架ける/3 不気味な累進性/4 互換性の思想/5 ぎこちなく世界へ/
●第2講 形態と内容──地上の幻
1 生き続けるデコル論/2 相似と類似、イメージとコトバ/3 むしろ「ふさわしい」こと/4 幻視絵画の窓/5 そこは相似の海だった
●第3講 相対と絶対──数と幾何学の魔法
1 逆立ちが起きる/2 「1」はのぞく、なぜなら……/3 拘束と自由/4 数の相対性と絶対性

第2部 ヨコにひろがる沃野──ありふれて、美しい(ビルト・ティシュー論)
●第4講 類型と組織──都市という織物の単位と積層
1 都市組織論と建物類型論/2 類型は少ないほどよい/3 モダン・ヒューマンの都市の建物/4 組織とは何か/5 都市の記憶/6 都市的事物
●第5講 自然と人工──なること/つくることは不思議な関係
1 構法の類型学/2 工作から組織へ/3 進化のエージェント/4 自然と人工
●第6講 平衡と進化──わたしたちは想念のなかで都市建築を分解する
1 かたい / やわらかい/2 あり方と動き方/3 平衡と進化/4 分解の宇宙/5 時間のカタチ

第3部 タテはいかに可能か──バラバラな世界に(アーキテクト論)
●第7講 饒舌と沈黙──喧騒のなかのサイレンス
1 19世紀ジャングル──社会の誕生/2 異形の都市と想像の共同体/3 内容のインフレーション/4 ポチョムキン都市/5 亡霊都市/6 バラバラゆえに
●第8講 過去と未来──世界が壊れ、組み変わっていくとき
1 前講のおさらい/2 過去の終わり/3 過去から未来を見通す──大理論の時代/4 未来の幻視──人間身体そのものの更新/5 伝統からの反転/6 伝統の創造/7 やっぱり世界はバラバラ
●第9講 単純と複雑──多元的な世界をそのままに
1 Bでもあり、13でもあり──アンビギュイティ/2 透明性―見えないものを見せる知覚の働き/3 ブリコラージュ/4 詩的言語/5 コーリン・ロウによるガルシュ/6 都市へ、社会へ

結語
●第10講 能動と受動──むすびにかえて
1 海に潜るように/2 能動と受動だけではない/3 スピノザの外態と内態/4 都市・建築のリアリズム再論/5 創作行為と内態(中動態)/6 第1の社会性──巻き込みと成長/7 第2の社会性──開かれと堆積/8 第3の社会性──虚構すなわち幻視を

●抜き書きノート


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