心理学が描くリスクの世界 Advanced
価格:3,740円 (消費税:340円)
ISBN978-4-7664-2866-7 C3011
奥付の初版発行年月:2023年10月 / 発売日:2023年10月中旬
・好評テキスト『心理学が描くリスクの世界:行動的意思決定入門(第3版)』の発展版!
・さまざまな分野で展開されるリスクと意思決定に関する研究法と事例を紹介。
・類書にない「意思決定と生理」についても1章を立てて詳述!
「リスクと意思決定」に関する心理学的知見の基礎知識を初めて解説した入門書、『心理学が描くリスクの世界』の姉妹編であり発展編。近年、興隆著しい行動経済学やリスクコミュニケーション等の「リスクと意思決定」の応用分野について、その基礎研究から研究事例までを幅広く紹介。また、「意思決定と生理」を詳述するほか、ナッジなど注目の話題を扱う14本のコラムも掲載。
増田真也()
慶應義塾大学看護医療学部教授。
慶應義塾大学大学院社会学研究科後期博士課程単位取得退学。博士(心理学)。専門は、社会心理学。
主要業績に、共著『ウェブ調査の基礎―実例で考える設計と管理』誠信書房(2023)、共著「調査回答の質の向上のための方法の比較」(心理学研究, 2019,90)、共著「Respondents with low motivation tend to choose middle category: Survey questions on happiness in Japan」(Behaiviormetrica, 2017, 44)など。
広田すみれ()
東京都市大学大学院環境情報学研究科教授。
慶應義塾大学大学院社会学研究科後期博士課程単位取得退学。博士(社会学)。専門は、社会心理学、行動意思決定論。
主要業績に、共著「Measurement of the thresholds of fear using methods of limits and effectiveness of colors in contrast of numbers in communicating probabilistic earthquake forecasting」(31th International Congress of Psychology, 2020)、共編著『リスク学事典』丸善出版(2019)、『5人目の旅人たち―「水曜どうでしょう」と藩士コミュニティの研究』慶應義塾大学出版会(2019、第35回テレコム社会科学賞奨励賞)など。
坂上貴之()
慶應義塾大学名誉教授(日本心理学会理事長(2019年7月〜2023年3月))。2023年3月逝去。
慶應義塾大学大学院社会学研究科心理学専攻後期博士課程単位取得退学。文学博士。専門は、実験心理学(学習心理学・行動分析学)。
主要業績に、共訳『スキナーの徹底的行動主義―20の批判に答える』誠信書房(2022)、共著『行動分析学―行動の科学的理解をめざして』有斐閣(2018)、責任編集者『基礎心理学実験法ハンドブック』朝倉書店(2018)など。
目次
はじめに
第I章 意思決定の研究法
I-1 意思決定を測る:確率と価値の測定法
I-2 意思決定を測る:確実性等価の測定法
I-3 意思決定を測る:医療場面での効用の測定法
I-4 質問紙調査と回答行動
I-5 同一物間選択
I-6 選択肢の分割と結合
I-7 意思決定と生理指標
I-8 選択行動と眼球運動
I-9 潜在的な態度の測定
I-10 マウスの軌跡による過程追跡法
第II章 意思決定とゲーム理論
II-1 ゲーム理論入門:「囚人のジレンマ」ゲームから
II-2 行動的ゲーム理論
II-3 動物実験におけるゲーム理論的アプローチ
II-4 ゲーム場面での霊長類の選択
II-5 進化ゲーム理論
第III章 意思決定と生理
III-1 意思決定と皮膚電気活動
III-2 意思決定と心拍動
III-3 意思決定と内受容感覚
III-4 意思決定と瞳孔
III-5 意思決定とホルモン
III-6 アイオワギャンブル課題
III-7 ケンブリッジギャンブル課題
第IV章 意思決定と社会
IV-1 互恵性と評判
IV-2 シグナリングと信頼
IV-3 人はなぜ不正を犯すのか?
IV-4 道徳と意思決定
IV-5 寄付と意思決定
IV-6 リバタリアン・パターナリズムと恩恵
IV-7 経済学と行動的意思決定:領域による違い
IV-8 選択肢の複数の属性がもたらす逸脱現象
第V章 意思決定と健康
V-1 医療意思決定
V-2 緊急時の意思決定
V-3 行動免疫系:感染症リスクを避ける行動システム
V-4 リスクに立ち向かうための「化粧」
V-5 行動健康経済学
V-6 ギャンブル障害
V-7 ギャンブラーの俗信と信念
V-8 幸福経済学
第VI章 意思決定と伝達
VI-1 環境意思決定
VI-2 意思決定と予測学
VI-3 因果関係の認知/随伴性の誤謬
VI-4 確率情報の伝達
VI-5 二重過程モデルの歴史
VI-6 様々な二重過程モデル
第VII章 意思決定と個人差・文化差
VII-1 楽観的な人は成功する?
VII-2 高齢者の意思決定
VII-3 不確実状況における判断や意思決定の個人差,
VII-4 ニューメラシー
VII-5 遺伝子型と意思決定
VII-6 確率判断と文化
VII-7 選択と文化
VII-8 不確実事象に関する予測の文化差
BOX
1 クリティカル・シンキングと意思決定
2 選択盲
3 世論調査における選択肢分割の効果
4 確率論とギャンブルと意思決定1
5 感情に関する様々な用語と意思決定
6 身体を清めると、感情もリセットされるか?
7 目があると向社会的行動をする?
8 ナッジは自律を損ねるか
9 シェアード・ディシジョンメイキング
10 災害や事故と意思決定
11 確率論とギャンブルと意思決定2
12 楽観主義とバイアス
13 確率の出現時からの二元性
14 50-50