アート・ローの事件簿 盗品・贋作と「芸術の本質」篇
価格:2,420円 (消費税:220円)
ISBN978-4-7664-2883-4 C3032
奥付の初版発行年月:2023年04月 / 発売日:2023年04月中旬
名画・美術品をめぐる意外な裁判ドラマ!
これはアートといえるのか? 絵画の誘拐事件!? ダ・ヴィンチ「美しきフェロニエーレ」は二枚あった?
アートをめぐる裁判、犯罪、贋作事件の真相とは。
アートマーケットが盛況のいま、比例して美術品に関する裁判事件も増加している。ダ・ヴィンチ、エゴン・シーレ作品といった著名な絵画の真贋や盗品に関する事件など数々の裁判事件を紹介する。
美術品にまつわる事件の「面白さ」に加え、アート法の世界を楽しむことのできる1冊。
[収録事件]
●ホイッスラー「黒と金色のノクターン・落下する花火」事件/ ●ブランクーシ「空間の鳥」事件/ ●ビル・ヴィオラ、ダン・フレイヴィンのインスタレーション事件/ ●スターウォーズ、ストームトルーパー・ヘルメット事件/ ●フェルメール贋作事件/ ●ゴヤ「ウェリントン公爵」事件/ ●「アメンホテプ3世頭部像」事件/ ●エゴン・シーレ「ヴァリーの肖像」事件/ ●クロード・モネ「ヴェトゥイユの小麦畑」事件/ ●シャガール「家畜商人」事件/ ●エゴン・シーレ「トルソ」事件/ ●ウテワール「聖家族、聖エリザベスと聖ジョン」事件/ ●ダ・ヴィンチ「美しきフェロニエーレ」事件/ ●佐伯祐三未発表作品群事件/ ●エゴン・シーレ「父なる神の前に跪く若者」事件/ ●クストーディエフ「オダリスク」事件/ ●コンスタブル「ソールズベリー大聖堂」事件/ ●アングル「トルコ風呂のための習作」事件/ ●ガブリエレ・ミュンター作品事件/ ●ヴァン・ダイク「レノックス公ジェイムス・スチュアート」事件/ ●ギュスターヴ・モロー「ガニメデスの略奪」事件
島田 真琴(シマダ マコト)
弁護士(一橋綜合法律事務所パートナー)。
1979年慶應義塾大学法学部卒業。1981年弁護士登録。1986年ロンドン大学ユニバーシティカレッジ法学部大学院修士課程修了(Master of Law)。ノートンローズ法律事務所、長島大野法律事務所勤務等、慶應義塾大学教授等を経て、2022年より現職。2005年から2007年まで新司法試験考査委員。2015年から2016年ロンドンシティ大学ロースクール客員研究員、2018年より同大学名誉客員教授。英国仲裁人協会上級仲裁人(FCIArb)。2022年よりアート仲裁裁判所(CAFA)登録仲裁人。
専門:国際商取引一般、国際訴訟及び国際仲裁、アート法、イギリス法。
著作に、『アート・ロー入門―美術品にかかわる法律の知識』(慶應義塾大学出版会、2021年)、『アート・ローの事件簿―美術品取引と権利のドラマ篇』(慶應義塾大学出版会、2023年)、『イギリス取引法入門』(慶應義塾大学出版会、2014年)、『The Art Law Review』(共著、Business Research Ltd、2022年)ほか。
目次
Ⅰ アートとは何か
事件01 ホイッスラー「黒と金色のノクターン・落下する花火」の経済的価値
事件02 ブランクーシ「空間の鳥」とアート?
事件03 ビル・ヴィオラ、ダン・フレイヴィンのインスタレーションは美術品か?
事件04 スターウォーズ、ストームトルーパーのヘルメットは彫刻か?
Ⅱ アート犯罪
事件05 フェルメール贋作の売渡しは犯罪にあたるのか?
事件06 身代金目的の絵画泥棒?
事件07 古代エジプト彫像「アメンホテプ3世頭部像」の輸入
事件08 エゴン・シーレ「ヴァリーの肖像」と国家盗品法の「盗品」
コラム パンテオン・マーブルはギリシャに返すべきか?
Ⅲ 盗品・略奪品は取り戻せるのか
事件09 クロード・モネ「ヴェトゥイユの小麦畑」は取り戻せるか?
事件10 紛失したシャガール「家畜商人」
事件11 エゴン・シーレ「左足を折って椅子に座る女(トルソ)」、「黒いエプロンの女」、「顔を隠す女」とナチスの略奪
事件12 ウテワール「聖家族、聖エリザベスと聖ジョン」と誠実な取引?
Ⅳ アートの真贋
事件13 二枚のダ・ヴィンチ「美しきフェロニエーレ」?
事件14 佐伯祐三の未発表作品群の真贋
事件15 エゴン・シーレ「父なる神の前に跪く若者」の『E』と『S』
事件16 クストーディエフ「オダリスク」は贋作か?
コラム 贋作版画の売却は詐欺罪ではない?
Ⅴ 贋作売買
事件17 コンスタブル「ソールズベリー大聖堂」(贋作)の売買代金は取り戻せるか?
事件18 美術愛好家が購入したアングル「トルコ風呂のための習作」(贋作)
事件19 美術専門商が購入したガブリエレ・ミュンター作品(贋作)
事件20 ヴァン・ダイク「レノックス公ジェイムス・スチュアート」は贋作だったのか?
事件21 日本で裁判になったギュスターヴ・モロー「ガニメデスの略奪」(贋作)
コラム ダミアン・ハーストの実験