検証・コロナ期日本の働き方
価格:5,280円 (消費税:480円)
ISBN978-4-7664-2885-8 C3033
奥付の初版発行年月:2023年04月 / 発売日:2023年03月下旬
短期間で激変した個人・企業のデジタル化・多様化の軌跡を追う!
コロナウイルス蔓延から3年。この間、人々の働き方やウェルビーイング(幸福度)に対する意識、企業の経営マインド、新技術の導入など、経済社会に広汎な影響を及ぼした。何が変わり、何が変わらなかったのか。専門家がさまざまな角度から変化の軌跡と雇用・労働政策の課題を明示した、わが国コロナ期労働市場の総合的分析。
◆「コロナ」は人々の働き方や生活意識、企業経営、労働市場に何をもたらしたのか? 個人と企業の連続したパネル調査から、災禍前後の変化を読み解く。
◆コロナ禍が国民に与えた影響は様々だが、各種格差の固定化や人々の意識変化については、回復過程でのより詳細な研究が必要となっている。この状況を受けて本書では、経済社会における多様化の進展状況を分析。労働市場での格差拡大、将来に対する不確実性への不安拡大の実態について詳らかにする。
樋口 美雄(ヒグチ ヨシオ)
労働政策研究・研修機構理事長、慶應義塾大学名誉教授。
1952年栃木県生まれ。75年 慶應義塾大学商学部卒業。77年 同大大学院商学研究科修士課程修了、同大商学部助手。80年 同大大学院商学研究科博士課程修了。82年 同大商学部助教授。85-87年 米国コロンビア大学客員研究員。91年 慶應義塾大学商学部教授。博士号取得。95-96年 米国スタンフォード大学客員研究員、オハイオ州立大学客員教授。2005-08年 国民生活金融公庫総合政策研究所長を兼務。09-13年 慶應義塾大学商学部長。09-14年 内閣府統計委員会委員長。12年 日本経済学会会長(任期1年)。16年 紫綬褒章受賞。2018年、慶應義塾大学を定年退職し、労働政策研究・研修機構理事長に就任、現在に至る。慶應義塾・福澤賞受賞。内閣府、厚生労働省、文部科学省等において多くの公職(労働政策審議会会長、働き方改革実現会議 有識者議員、一億総活躍国民会議 民間議員など)を歴任。
大竹 文雄(オオタケ フミオ)
大阪大学感染症総合教育研究拠点特任教授。
荻島 駿(オギシマ シュン)
三井住友トラスト基礎研究所 副主任研究員。
加藤 大貴(カトウ ヒロキ)
大阪大学大学院経済学研究科特任研究員。
権 赫旭(クォン ヒョックウック)
日本大学経済学部教授。
黒川 すみれ(クロカワ スミレ)
福岡県立大学人間社会学部講師。
児玉 直美(コダマ ナオミ)
明治学院大学経済学部教授。
小林 徹(コバヤシ トオル)
高崎経済大学経済学部准教授。
周 燕飛(シュウ エンビ)
日本女子大学人間社会学部教授。
鈴木 恭子(スズキ キョウコ)
労働政策研究・研修機構 研究員。
高見 具広(タカミ トモヒロ)
労働政策研究・研修機構 主任研究員。
多和田 知実(タワダ トモミ)
労働政策研究・研修機構 調査員。
戸田 卓宏(トダ タカヒロ)
労働政策研究・研修機構 元主任研究員。(本書刊行時は、厚生労働省よりOECD出向)
仲 修平(ナカ シュウヘイ)
明治学院大学社会学部准教授。
中井 雅之(ナカイ マサユキ)
労働政策研究・研修機構 主席統括研究員。
長松 奈美江(ナガマツ ナミエ)
関西学院大学社会学部教授。
福田 皓(フクダ アキラ)
慶應義塾大学大学院商学研究科博士課程。
前田 一歩(マエダ カズホ)
労働政策研究・研修機構 研究助手。
山本 勲(ヤマモト イサム)
慶應義塾大学商学部教授。
上記内容は本書刊行時のものです。
目次
第Ⅰ部 パネルデータで見るコロナ期日本の労働市場の軌跡
第1章 コロナ禍における労働力をめぐる動向 (戸田)
第2章 企業経営の動向と経済の概要 (中井・前田)
第3章 コロナ禍に伴う働き方や意識の変化 (渡邊・多和田)
第4章 雇用労働者における労働時間・収入の変動 (高見・山本雄)
第Ⅱ部 パネルデータによる労働市場・働き方の変容と政策効果の検証
[パート1] 個人の多様化と変化(就業形態・就業条件・リスクに対する意識)
第5章 コロナ禍での正規転換 (周)
第6章 コロナ禍での生活困難と支援制度の役割 (長松)
第7章 自営業者の事業継続と生活・失職に対する不安 (仲)
[パート2] 企業の多様化と変化(採用と雇用調整、技術革新)
第8章 コロナ流行初期の企業支援策と中期的な企業パフォーマンス (福田・山本勲)
第9章 コロナ期の将来見通しの不確実性と雇用行動 (小林)
第10章 コロナ禍でどのような企業が新技術導入を行ったか (荻島・権・児玉)
[パート3] 労働市場の多様化と変化(所得、労働時間、生活・仕事満足度)
第11章 コロナショック後の所得変動 (黒川)
第12章 コロナ期の働き方の変化とウェルビーイング (高見・山本雄)
第13章 コロナショックにおける「レジリエンス」 (鈴木)
第14章 テレワークは転職を増やすのか (加藤・大竹)
終章 全体の総括と雇用に関する政策提言 (樋口)