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知的資本投資の効果測定科学技術と日本の経済成長

科学技術と日本の経済成長 知的資本投資の効果測定

A5判 352ページ
価格:6,930円 (消費税:630円)
ISBN978-4-7664-2925-1 C3033
奥付の初版発行年月:2024年01月 / 発売日:2024年01月中旬
発行:慶應義塾大学出版会  
発売:慶應義塾大学出版会
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内容紹介

なぜ日本は、科学技術の進歩を社会の豊かさにつなげられないのか?
トランス・サイエンス時代における科学技術イノベーション政策のための科学を求めて

経済成長の源泉が機械・設備投資からソフトウェアなど知的財産投資へとシフトする一方、日本にはそれらの源泉を成果へと結び付ける「経済構造」がまだつくられていない。
精緻で先端的な実証分析で現状を明らかにし、「豊かで平等な社会」に向け、科学技術振興政策と経済産業政策との戦略的統合を提唱する。

著者プロフィール

黒田昌裕(クロダマサヒロ)

慶應義塾大学名誉教授
1941年石川県生まれ。1964年慶應義塾大学経済学部卒業,1969年同大学大学院商学研究科博士課程修了,博士(商学)。1982年同大学商学部教授,1991年同大学産業研究所所長,2001年同大学常任理事。2005年内閣府経済社会研究所所長,2008~2012年東北公益文科大学学長。その間,国際産業連関学会会長,環太平洋産業連関学会会長。2008年より国立研究開発法人科学技術振興機構研究開発戦略センター(JST/CRDS)上席フェロー,2014年より政策大学院大学客員教授,2019年より同大学科学技術イノベーション政策研究センター(SciREXセンター)顧問,現在はJST/CRDS特任フェロー。主な著書に『実証経済学入門』(日本評論社,1984年),『一般均衡の数量分析』(岩波書店,1989年),共著に『日本経済の一般均衡分析』(筑摩書房,1974年),『日本経済のマクロ分析』(東京大学出版会,1987年),『テキストブック 入門経済学』(東洋経済新報社,2001年)など。1983年慶應義塾大学福澤賞,2002年日本統計学会賞,2016年瑞宝中綬章を綬章。

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

序章 科学技術イノベーション政策のための科学の実現に向けて

第1章 崩壊からの出発ー大戦後の日本経済の再生と発展規範
第1節 近代国家の形成
第2節 崩壊からの出発

第2章 経済成長期の日本経済
第1節 全要素生産性の理論枠組
第2節 日米購買力平価換算価格指数と日米生産性比較

第3章 研究開発・情報処理活動による全要素生産性の波及効果の測定―研究開発および情報処理支出の資本化の枠組み
第1節 技術効率の向上と無形固定資産としての知識ストック
第2節 研究開発投資および情報処理投資の資本化とそのサービス量の測定
第3節 産業部門における資本サービスおよび資本コストの算定
第4節 資本サービス価格および資本収益率の測定結果
第5節 静学・動学ユニット生産構造と研究開発および情報処理投資
第6節 研究開発活動を含む産業連関表による TFP と成長会計の枠組み
第7節 研究開発および情報処理投資に資本化による TFP 計測

第4章 長期技術選択行動と費用関数の定式 ―トランス・ログ費用関数の測定
第1節 生産者の長期技術選択行動
第2節 トランス・ログ価格関数の測定
第3節 トランス・ログ価格関数の測定結果
第4節 要素相対価格の変移と技術選択

第5章 無形固定資産拡大の成果 ―21 世紀の技術効率低下の要因とその構造分析
第1節 問題の所在
第2節 要素相対価格の変移と技術選択
第3節 技術評価 Sheet の作成

第6章 科学技術政策と経済・社会の発展
第1節 科学技術の発展と経済構造の変化
第2節 政策シミュレーターの必要性
第3節 政策シミュレーション・モデルの構造
第4節 科学技術政策と産業政策の連携

補論 R&D 投資の資本化による産業連関表の作成 ―研究開発活動の資本化と知識ストックの構造化
第1節 国民経済計算における R&D の資本化について
第2節 JSNA2008 の R&D 推計の考え方
第3節 産業連関表における研究開発活動の資本化
第4節 時系列産業連関表(1995-2011)にみる研究開発投資の推移
第5節 企業内情報処理活動の特掲について


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