陰謀論はなぜ生まれるのか Qアノンとソーシャルメディア
価格:2,970円 (消費税:270円)
ISBN978-4-7664-2936-7 C3036
奥付の初版発行年月:2024年01月 / 発売日:2024年01月下旬
アメリカ連邦議会議事堂襲撃事件はなぜ起こったのか?
世界中を震撼させた「Qアノン」現象の根源に分け入り、
権威や既存メディアに疑問を抱き陰謀論を信じる人々の深層に迫る、傑作ノンフィクション。
議事堂を襲撃した人々は、不正選挙が行われたという陰謀論を信じていた。それをトランプと一緒になってネットに拡散させたのが、「Qアノン」と呼ばれる人々であった。反動的・極右思想をもつ人々を駆り立てるこの集団が、アメリカに生まれた背景とは何だったのか?
現代アメリカのソーシャルメディアと社会との関係をさぐり、「陰謀論」が生まれる過程を追った迫真の一冊。
マイク・ロスチャイルド(マイクロスチャイルド)
インターネット文化と政治の相互関係に焦点をあてて活動しているジャーナリスト。
2018年からQアノンの陰謀論の調査に注力してきた。彼らと過去の陰謀論の理論や詐欺事件とのかかわりをはじめて明らかにしたジャーナリストの一人である。『ニューヨーク・タイムズ』『ワシントン・ポスト』やCNN、NPR(ナショナル・パブリック・ラジオ)、BBCなどへのコメンテーターとしても知られる。
烏谷昌幸(カラスダニマサユキ)
慶應義塾大学法学部政治学科教授。慶應義塾大学大学院法学研究科後期博士課程単位取得退学。博士(法学)。
主要業績: 『シンボル化の政治学―政治コミュニケーション研究の構成主義的展開』(新曜社、2022年)、
『メディアが震えた―テレビ・ラジオと東日本大震災』(共著、東京大学出版会、2013年)ほか。
昇亜美子(ノボリアミコ)
慶應義塾大学国際センター非常勤講師。慶應義塾大学大学院法学研究科後期博士課程単位取得退学。博士(法学)。
主要著作:『アジアの国際関係―移行期の地域秩序』(共著、春風社、2018年)、『秩序変動と日本外交―拡大と収縮の七〇年』(共著、慶應義塾大学出版会、2016年)ほか。
目次
イントロダクション 世界を救うための計画
第Ⅰ部 起 源
第1章 地図の読み方を学べ──Qアノンについての基礎知識
第2章 嵐のまえの静けさ──Qアノンはいかにして始まったのか
第3章 君たちは本当にすごい──Qアノンの成功
第4章 決戦の日は近づいている──Qアノンを生み出した詐欺と陰謀論
第5章 われわれがニュースだ──Qアノン躍進の二〇一九年
第6章 神は勝利する──なぜ人々はQアノンを信じるのか
第Ⅱ部 深刻化
第7章 これはゲームではない──Qアノン信者たちの犯罪
第8章 子どもたちを救え──二〇二〇年、パンデミックがQアノンを変えた
第9章 ミームが動き出す──Qアノンとソーシャルメディアの戦い
第10章 打者交替か?──Qアノンと二〇二〇年アメリカ大統領選挙
第Ⅲ部 後遺症
第11章 あなた自身を見つめさせる唯一のカルト──専門家たちが語るQアノン
第12章 到底ありえないこと──Qアノンとその予言の虚偽を暴く
第13章 Q信者たちの孤独な旅──Qアノンから抜け出す人々
エピローグ Qアノンの遺産――次なるQアノンとは何か
Qアノン用語解説
訳者解説