発達障害と出会うとき 事例と研究知見から考える自己理解と支援
価格:2,970円 (消費税:270円)
ISBN978-4-7664-2944-2 C3037
奥付の初版発行年月:2024年04月 / 発売日:2024年04月中旬
他者との関係のなかで自分を理解する
人は自らの、そして他者の「発達障害」特性とどのように出会うのか。真に対等な共生意識を育むには、どのような自己理解・他者理解が求められるのか。事例、研究知見と支援をつなぐ試み。
・発達障害児・者が自らの特性に出会うとき、どのような葛藤や戸惑いがあるのか。また人が「発達障害」特性のある人に出会うとき、それをどう受け止め、サポートしていけばよいのか。多角的な研究知見に基づき適切な知識とアプローチを提供する。
・全章が「事例―事例とつながる研究知見―支援のポイント」の3つを中心に構成され、理論から実践へのよりスムーズな理解を促す。
・本文に関連した身近なトピックを扱ったコラムを多数収録。
田中真理(タナカマリ)
九州大学基幹教育院教授
滝吉美知香(タキヨシミチカ)
岩手大学教育学部准教授
上記内容は本書刊行時のものです。
目次
はじめに
第1部 自分と比べる
第1章 自分は人にどう映るか――「欺き」の発達
コラム① MRI は“嘘発見器”になるのか?
第2章 文脈によって変わる他者のことばの意味――語用論
コラム② コミュニケーションがうまく成立しないのは、誰の責任?
第2部 自分に気づく
第3章 自分の成功・失敗の理由はどこにあるか――原因帰属
コラム③ 「成功は自分のおかげ、失敗はひとのせい」は良くないこと?
第4章 自分のことを知りたい――自己認識欲求と告知
コラム④ 発達への疑問を持つのは誰なのか?
第3部 自分と重ね合わせる
第5章 自分を人と重ね合わせる――共感
コラム⑤ 「こういうときには、こうしよう」が大事
第6章 自分を自分と重ね合わせる――自己認識的ユーモア
コラム⑥ 自閉スペクトラム症と笑われ恐怖
第4部 自分をつくる
第7章 人との関係のなかで自分を知る――自己理解
コラム⑦ 「友達になる」ってどういうこと?
第8章 障害のある自分らしさとは何か――障害アイデンティティ
コラム⑧ 「ASDのある人(person with autism)」と「ASD者(autitic person)」とは何が違う?
第5部 自分を伝える
第9章 自分について物語る――ナラティブ
コラム⑨ 自分が経験した出来事をよく語る人ほど、幸せ?!
第10章 自分のことを人に伝える――セルフアドボカシー
コラム⑩ 日本人にとってセルフアドボガシ―はハードルが高い?
終章 自己を支える支援の実際
引用文献
おわりに
執筆者紹介
索引