民主主義は甦るのか? 歴史から考えるポピュリズム
価格:2,200円 (消費税:200円)
ISBN978-4-7664-2946-6 C3031
奥付の初版発行年月:2024年03月 / 発売日:2024年03月下旬
歴史は繰り返すのか――。
ポピュリズムは民主主義をどのように崩壊させていくのか。
また衰退した民主主義はどうすれば再生できるのか。
現代の難問を解く上で、歴史からのヒントを与える注目作。
世界の潮流は、ポピュリズムを背景にした権威主義体制や、大衆迎合的な政策によって大きく変動している。
戦間期(1920~30年代)、戦後から現在までの各国の動きを歴史的視点から探り、民主主義との関係をめぐって問題提起する。
細谷雄一(ホソヤユウイチ)
慶應義塾大学法学部教授、東京財団政策研究所 研究主幹。
1971 年生まれ、慶應義塾大学大学院法学研究科後期博士課程単位取得退学、博士(法学)。国際政治、イギリス外交史。主要著作:『外交による平和──アンソニー・イーデンと二十世紀の国際政治』(有斐閣、2005 年)、『迷走するイギリス── EU 離脱と欧州の危機』(慶應義塾大学出版会、2016 年)ほか。
板橋拓己(イタバシタクミ)
東京大学大学院法学政治学研究科教授。1978 年生まれ、北海道大学大学院法学研究科博士後期課程修了、博士(法学)。国際政治史、ドイツ政治外交史。主要著作:『黒いヨーロッパ──ドイツにおけるキリスト教保守派の「西洋(アーベントラント)」主義、1925~1965 年』(吉田書店、2016 年)、『分断の克服1989–1990 ──統一をめぐる西ドイツ外交の挑戦』(中公選書、2022 年)ほか。
上記内容は本書刊行時のものです。
目次
序 章 細谷雄一 衰退する民主主義──歴史から考える民主主義とポピュリズム
第一部 戦間期ヨーロッパの教訓
第1章 板橋拓己 戦間期ヨーロッパにおける民主政の崩壊とファシズム・権威主義の浸透
第2章 水島治郎 オランダの経験──戦間期民主主義における「三つの挑戦」
第3章 山本みずき イギリスの経験──「議会主義への懐疑」と「自由放任の終焉」
第4章 高橋義彦 オーストリアの経験──「非」ポピュリズム的なファシズム?
第5章 長野 晃 ドイツの経験──エルンスト・ルドルフ・フーバーと「ナチズム」
第二部 戦間期日本の教訓
第6章 五百旗頭薫 戦間期日本の政党内閣──緊張・生命・国体
第7章 村井良太 民主主義をめぐる帝国期日本の教訓──かつて日本でも民主的後退があった
第8章 竹中治堅 なぜ戦前日本の民主化途上体制は崩壊したのか
第三部 現代における危機
第9章 藤山一樹 ブレグジットにひそむ記憶と忘却──〈一九四〇年〉の呪縛?
第10章 大串 敦 ロシアのポピュリズム的個人支配体制──その成立と問題点
第11章 ジョン・ニルソン= ライト 現代日本のポピュリズム──ノスタルジーとロマン主義
付 論 板橋拓己 ポピュリズムを考える