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医療の質・費用・ヘルスリテラシーの効果地域医療の経済学

現代経済解説シリーズ
地域医療の経済学 医療の質・費用・ヘルスリテラシーの効果

四六判 400ページ
価格:3,300円 (消費税:300円)
ISBN978-4-7664-2958-9 C3033
奥付の初版発行年月:2024年04月 / 発売日:2024年04月中旬
発行:慶應義塾大学出版会  
発売:慶應義塾大学出版会
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内容紹介

地域住民の安心感をどう高めるか

世界の最先端を走っているようで実は不備が目立つ日本の医療体制。人々が安心して暮らしていくためにはどんな情報やサービスが必要かを、地域医療の視点から丁寧に解説。診療や医師の「質」の問題、統計・エビデンスの扱いの問題、医療情報の開示、国民の健康に対する理解度など、国際比較を交え斬新な切り口から検討する、新しい医療経済論。

著者プロフィール

井伊雅子(イイマサコ)

1963年生まれ。86年、国際基督教大学卒業。93年、ウィスコンシン大学マディソン校経済学研究科修了、Ph.D.取得。世界銀行(ワシントンDC)勤務ののち95年に帰国、横浜国立大学経済学部助教授。2004年、一橋大学大学院国際企業戦略研究科教授に就任。05年、同大大学院経済学研究科および国際・公共政策大学院教授となり、現在に至る。専門は医療経済学、公共経済学。政府税制調査会特別委員、日本放送協会経営委員、日本学術会議会員、財務総研「医療・介護に関する研究会」座長などを歴任。
主要業績
『医療サービス需要の経済分析』(共著)、日本経済新聞社、2002年
『アジアの医療保障制度』(編)、東京大学出版会、2009年
『新医療経済学』(共著)、日本評論社、2019年  ほか論文多数。

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

第1章 東京という地域の医療
地域医療とは/東京の医療提供体制/東京都に病床は足りているのか/東京都民の医療ニーズの把握/東京都に医師は足りているのか/東京都民に聞いた必要な医療/東京都で策定したさまざまな計画/東京都の保健医療政策を考える
コラム:保健医療圏とは、救急搬送患者の傷病程度の定義、など

第2章 現代日本の地域医療――現状と課題   
地域医療の定義/日本の地域医療の現状/過疎化・高齢化が進んだ地域での不可欠な診療科(家庭医療科)/地域に医師を集めるために必要なのは質の高い研修制度/日本の地域医療の課題/まずは政府の役割が重要/地域医療における看護師、保健師、薬剤師などの役割/誰が地域医療のグランドデザインを描くのか/地域医療を評価するためのデータ
コラム:プライマリ・ケアとは
     
第3章 日本の医療の質――国・地域の概要と国際比較からみた評価
「医療の質」とは/OECD保健医療の質とアウトカム指標/コモンウエルス財団の研究/英国の診療所における成果払い制度/海外の行政機関などによる医療機関情報開示/OECDによる質のレビュー/日本の医療の質の向上のために必要なこと
コラム:プライマリ・ケアの専門医に関する用語、かかりつけ医療機関の評価、韓国の医療保険制度 など

第4章 地域医療と医療費
日本の医療費の相場/医療にかかる費用を知るための政府統計/メディアや政府の資料などでよく使われる「国民医療費」とは/医療や介護には国だけでなく地方負担の額も大きい/薬剤費を把握することの重要性/結局日本の“医療費”は高いのか安いのか
コラム:税か保険料か

第5章 日本の医療体制とヘルスリテラシー 
ヘルスリテラシーとは何か/日本人とヘルスリテラシー/地域住民はどのような医療・健康情報を必要としているのか/健康診断/出生前のスクリーニング/過剰に検診・健診が行われるのはなぜなのか/諸外国ではどのように医療健康情報を住民に提供しているのか/医師と患者のヘルスリテラシーを高めることで、よりよい医療を提供する
コラム:「発見率」と「生存率」、コロナPCR検査の問題

第6章 医療提供体制の国際比較
なぜ国際比較が必要なのか/人口あたりの病床数と病院数/急性期病床の平均在院日数/開設者別病院数/高度医療機器(CT、MRI)へのアクセス/人口あたりの医師数、看護師数、薬剤師数、病床あたりの医師数と看護師数/1年間医師受診回数/精神病床/診療科別の医師数と女性医師の比率/地域医療の質を高めるために必要な医学教育/国際比較から見えること 
コラム:台湾の家庭医療の進展、キューバのプライマリ・ケア、スコットランドの認知症のケア、インドネシアの皆保険制度

巻末資料


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