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近代日本の「情報革命」

近代日本の「情報革命」

A5判 432ページ
価格:9,460円 (消費税:860円)
ISBN978-4-7664-2967-1 C3033
奥付の初版発行年月:2024年08月 / 発売日:2024年08月中旬
発行:慶應義塾大学出版会  
発売:慶應義塾大学出版会
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内容紹介

「交通・通信革命」時代の明治日本
近代日本の産業化をささえた明治政府の郵便・電信政策、情報インフラ・ネットワークの構築と地域経済への影響を明らかにし、「文明の利器」を手掛りに福澤諭吉『民情一新』を問い直す。

明治期日本における郵便・電信事業など情報インフラ整備・利活用の実態を一次資料に基づき詳細に分析。また、群馬・長野の養蚕・製糸・絹織物業を事例に、殖産興業政策における情報インフラの役割や、地域産業の発展過程を明らかにすることで、供給・需要の双方から「情報と経済」の関係を考察する。「情報の経済史」研究の文献紹介・論点整理の書としても有用性の高い一冊。

著者プロフィール

杉山伸也(スギヤマシンヤ)

1972年早稲田大学政治経済学部卒業, 81年ロンドン大学大学院博士課程修了(Ph.D.),同年ロンドン大学政治経済学院(LSE)専任研究員,84年慶應義塾大学経済学部助教授,91年より同教授,2014年名誉教授。

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

序 章
一 「交通・通信革命」の時代
二 近代日本における通信事業
三 近代日本の「情報革命」
四 本書の構成

第一章 郵便事業収支統計の再検討
はじめに  
一 明治初期の財政・会計システム
二 郵便事業システムの形成
三 郵便事業の収支統計
四 郵便事業の収入構造
五 郵便事業の支出構造
六 郵便収支統計の再検討
おわりに 
  
第二章 収支統計からみた電信事業の発展
はじめに
一 電信事業の開始とネットワークの拡張
二 財政・会計制度と電信収支統計
三 電信事業の収入構造
四 電信事業の支出構造
五 電信事業の収支構造
おわりに

第三章 明治前期における郵便ネットワーク
はじめに
一 郵便制度の創設
二 郵便ネットワークの形成──全国的概観
三 一八八〇年代の郵便ネットワーク──府県別検討
おわりに

第三章補論 欧米人のみた幕末・明治初期の日本の郵便
はじめに──飛脚便から郵便へ
一 オールコック『大君の都』にみる幕末の郵便
二 イザベラ・バードの『日本奥地紀行』
三 旅行ガイドブック『日本旅行案内』
四 「英国領事報告」にみる日本の交通・通信状況
おわりに

第四章 明治日本の「情報革命」
はじめに
一 情報ネットワークの形成
二 通信事業と料金体系
三 情報ネットワークの利用と地域性
おわりに

第五章 情報・通信ネットワークの形成と地方経済 Ⅰ──明治期群馬県の郵便と電信
はじめに
一 徳川期の情報ネットワーク
二 情報インフラストラクチャーの形成──郵便制度における連続と断絶
三 群馬県における郵便・電信ネットワーク
おわりに

第六章 情報・通信ネットワークの形成と地方経済 Ⅱ──明治期長野県の郵便と電信
はじめに
一 飛脚制度と「新式郵便」の開始
二 情報利用のマクロ的考察
三 長野県における郵便・電信ネットワーク
おわりに──研究の課題と展望
 
第七章 福澤諭吉『民情一新』と「文明の利器」
はじめに
一 『民情一新』をめぐる研究
二 『西洋事情』における文明の「利器」
三 『学問のすゝめ』と『文明論之概略』にみる「国の独立」と「文明の精神」
四 『民情一新』と「文明の利器」
おわりに──『民情一新』その後

第八章 情報の経済史──研究動向と課題
一 一九九〇年代までの研究動向
二 一九九〇年代以降の研究動向

終 章


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