大学出版部協会

 

難民に冷たい国? ニッポン

難民に冷たい国? ニッポン

四六判 336ページ
価格:2,200円 (消費税:200円)
ISBN978-4-7664-2968-8 C0036
奥付の初版発行年月:2024年12月 / 発売日:2024年12月中旬
発行:慶應義塾大学出版会  
発売:慶應義塾大学出版会
この大学出版部の本一覧
近刊

内容紹介

共に働き、共に暮らし、共に支え合う社会へ
長らく難民支援に携わっている著者が、いま、若者に伝える。多くの外国人がなぜ日本に来るのか、なぜ来ない(来られない)のか、何を求めているのか、私たちはそれに応えられているのか、日本の難民支援の歴史と現状、そして多文化共生に向けた課題を語る。

多様な文化的・政治的背景を持つ外国人と、多様化する日本人がこの日本という空間で、一緒にどのような社会を築き、どのように暮らしていくのか…。
その中に難民制度を当てはめて考えることが大切なのだと気付かされます。
「はじめに」より

著者プロフィール

柳瀬房子(ヤナセフサコ)

認定NPO法人難民を助ける会前名誉会長
フェリス女学院短期大学卒業、青山学院大学大学院総合文化政策学研究科修士課程修了。1979年インドシナ難民を助ける会(難民を助ける会の前身)設立準備に関わる。1980年インドシナ難民を助ける会(難民を助ける会の前身)事務局長、2000年NPO法人難民を助ける会(2003年認定NPO法人)理事長、2009年同会会長、2021年同会名誉会長、2023年退任。1992年社会福祉法人さぽうと21設立に尽力、最高顧問。
1996年多年にわたる国際協力活動により外務大臣表彰、法務省出入国管理政策懇談会難民問題に関する専門部会委員(第4次:2002~03年、第6次:2013~14年、第7次:2019~20年)、2005年(~現在)法務省難民審査参与員。

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

はじめに

序 章 難民を助ける会と私

第1章 外国人とは誰のこと? 
1 日本人って誰? 
2 日本を目指す人々 
3 外国人が日本で滞在するための資格 

第2章 外国人労働者とは誰のこと? 
1 日本で働く「外国人労働者」 
2 労働者の送り出し国から受け入れ国へ 
3 移民政策なき日本の外国人労働者 
4 「外国人材」受け入れの拡大と課題 

第3章 難民とは誰のこと? 
1 難民の定義とは? 
2 難民受け入れに関する国際制度 
3 難民の認定と保護 
4 日本に逃れてきた人々 
5 「第三国定住」 

第4章 日本の難民受け入れ政策は? 
1 日本における難民受け入れの歴史 
2 「難民」一人ひとりの思い、さまざまな人生 
3 難民認定申請と難民審査参与員制度 
4 日本の労働市場の欠陥が生み出す「難民認定申請者」 
5 就労を制限するための新たな難民認定制度の開始 
6 労働力不足の解消から多文化共生へ 

第5章 難民に選ばれない国? ニッポン
1 「日本は冷たかった~」 
2 難民はどこへ行くのか? 
3 なぜ難民は日本に来ないのか? 
4 外国人材から選ばれるニッポンへ 

第6章 「入管」とはどんなところ? 
1 入管の組織と5つの業務 
2 退去強制制度とは? 
3 退去強制手続きに伴う問題 
4 収容施設の目的と長期収容問題 
5 「入管問題」の中の本当の課題

第7章 多様な人々が共生できる社会へ 
1 共に働くために 
2 共に暮らすために 
3 共に助け合うために 
4 おしまいに、ヴー・ヴァン・カウさんのことを 

おわりに 
主な参考文献 

《Column》
技能実習制度はそんなに悪い制度だったのか?
東西冷戦期の「難民」と、現代の「難民」 
生命がけで海を渡る難民たち 
ドイツにおける移民/難民との共生 
「難民」という新しい言葉 
「誰が難民か」を誰が決めるのか? 
「助ける側」と「助けられる側」は一瞬の巡り合わせ 
聴覚障がいをもつウクライナ避難民の受け入れ
試案―在留資格を復活させる 
ワールドカップと亡命 


一般社団法人 大学出版部協会 Phone 03-3511-2091 〒102-0073 東京都千代田区九段北1丁目14番13号 メゾン萬六403号室
このサイトにはどなたでも自由にリンクできます。掲載さ>れている文章・写真・イラストの著作権は、それぞれの著作者にあります。
当協会 スタッフによるもの、上記以外のものの著作権は一般社団法人大学出版部協会にあります 。