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イタリアンデザインの静かな革命プロジェッティスタの控えめな創造力

プロジェッティスタの控えめな創造力 イタリアンデザインの静かな革命

四六判 288ページ
価格:4,180円 (消費税:380円)
ISBN978-4-7664-2985-5 C3072
奥付の初版発行年月:2024年10月 / 発売日:2024年10月下旬
発行:慶應義塾大学出版会  
発売:慶應義塾大学出版会
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内容紹介

「私たちは生きる喜びをどこに忘れてきてしまったのだろう。
観察し、考え、自らの手でつくってみること──
そこから生まれる“控えめな創造力”こそが、今、私たちの世界に必要なのかもしれない。」
──大西麻貴(建築家)

達意のデザイナーは、達意の観察者だった。

ブルーノ・ムナーリ、アキッレ・カスティリオーニ、エンツォ・マーリ──
デザイン黎明期の戦後イタリアで建築家やデザイナーとして生きた彼らは、自らを「プロジェッティスタ」と称した。
人びとの暮らしに寄り添い、人間的なクリエイションに心血を注いだ探究者たちの理念と行動、そしてその継承可能性に迫る。

▼ここがポイント
・現代デザイン史の中で見落とされてきた脱・消費主義的な建築家、デザイナーの仕事を再発掘。
・既製品に秘められた知恵や工夫にクリエイションの源泉を探る、観察者としてのデザイナー像とは。
・「作る人(ホモ・ファーベル)」の尊厳を守り続けたデザイナーの軌跡を訪ね、現代のクリエイションの光明を探る。

著者プロフィール

多木陽介(タキヨウスケ)

批評家、アーティスト
1962年生まれ。早稲田大学大学院文学研究科芸術学(演劇)専攻博士課程中退。1988年に渡伊、現在ローマ在住。
渡伊後は、演劇活動や写真を中心に各地で展覧会を行う。近年は自然・社会・精神のエコロジーを主題に、執筆・翻訳活動の他、展覧会の企画、刑務所内での文化活動、そして現代イタリアで「控えめな創造力」の実践者を訪ね歩く教育活動「移動教室」に取り組む。
著書に、『失われた創造力へ──ブルーノ・ムナーリ、アキッレ・カスティリオーニ、エンツォ・マーリの言葉』(どく社、2024年)、『(不)可視の監獄──サミュエル・ベケットの芸術と歴史』(水声社、2016年)など。
訳書に、アンドレア・ボッコ『バーナード・ルドフスキー──生活技術のデザイナー』(鹿島出版会、2021年)、アンドレア・ボッコ、ジャンフランコ・カヴァリア『石造りのように柔軟な──北イタリア山村地帯の建築技術と生活の戦略』(編訳、鹿島出版会、2015年)など。

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

第1章 物の時代の終わり──世界から手を引いた人間の肖像
第2章 創造力の現在──危機的状況と可能性
第3章 「物」という歴史を繙く──物を言語として読みとる作り手たち
第4章 やることで理解する──包括的な知性/創造力の回復を目指して
第5章 根源への下降──技術至上主義からの脱却
第6章 20 世紀のブリコラージュ──未開社会起源の控えめな創造力
第7章 透明さへの衝動──控えめな創造力の中に蠢く合理主義の思想
第8章 「誘導の科学」というパンドラの箱──コミュニケーションの技術化の果てに
第9章 日本にもたらされたプロジェッタツィオーネ──城谷耕生の仕事
第10章 拡大された創造力論へ──自然を創造力の主体として受け入れる


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