女性たちの韓国近現代史
価格:2,860円 (消費税:260円)
ISBN978-4-7664-2989-3 C0022
奥付の初版発行年月:2024年10月 / 発売日:2024年10月下旬
彼女たちは、泣き、笑い、そして戦った――
開国から、植民地期、分断、民主化運動、通貨危機、フェミニズムまで、もう一つの韓国の歴史/物語を描く
朝鮮半島の女性たちは、さまざまな困難に直面してきた。韓国併合、戦争協力と犠牲、南北分断による家族の離散、独裁政権、民主化運動、フェミニズム……現代もなお女性たちは激変する社会の中で、日々憤り、悲しみ、喜び、そして戦っている。
開国から現代にいたるまで、朝鮮・韓国の女性はどう生き、どう変わっていったのか。有名・無名のさまざまな女性たちに光を当て、近現代韓国の歴史を描きだす。
崔誠姫(チェソンヒ)
1977年北海道生まれ。2001年東京女子大学文理学部史学科卒業、2006年一橋大学大学院社会学研究科修士課程修了、2015年一橋大学大学院社会学研究科博士後期課程修了、博士(社会学)。一橋大学大学院社会学研究科特別研究員、聖心女子大学ほか非常勤講師・日本女子大学客員准教授を経て、現在大阪産業大学国際学部准教授。専門は、朝鮮近代史、教育史、ジェンダー史。著作に、『近代朝鮮の中等教育ーー1920~30年代の高等普通学校・女子高等普通学校を中心に』(晃洋書房、2019年)がある。
上記内容は本書刊行時のものです。
目次
はじめに
第一章 近代と出会う女性たち――朝鮮の開国
1 王妃閔氏とその時代
2 開港後の朝鮮と女性
[コラム]フィクションからみる歴史①
ドラマとミュージカルのヒロインとなった明成皇后
戦うヒロイン『ミスター・サンシャイン』のユン・エシン
第二章 「外」へ飛び出す女性たち――1910~30 年代の朝鮮
1 韓国併合と「李王家」の結婚
2 韓国併合後の女子教育
3 女子学生たちの「運動」
4 新女性たち
[コラム]植民地期を切り取る
『ラストプリンセス』と植民地支配
女子学生のホンネ
第三章 朝鮮半島の戦争と女性――動員、協力、被害
1 日本の戦争と朝鮮の女性たち
2 日本軍「慰安婦」問題
3 朝鮮戦争と女性たち
[コラム]朝鮮映画のスター文藝峰
第四章 「戦う」女性たち――独裁政権から民主化へ
1 独裁政権期の女性たち――女性運動の始まり
2 民主化と女性たちの戦い
3 民主化後の韓国社会と女性――新たな戦い
[コラム]フィクションからみる歴史②
民主化運動を描く『1987 ある闘いの真実』
慰安婦と向き合う『I Can Speak』
第五章 「アジア」を移動する女性たち
1 日本へ渡った女性たち
2 中国へ渡った女性たち
3 「アジア」から朝鮮半島をめざす女性たち
[コラム]『ちょっと北朝鮮まで行ってくるけん』と日本人妻たち
第六章 「キム・ジヨン」たちの韓国
1 IMF危機と女性の社会進出・政治進出
2 朴槿恵大統領の就任
3 韓国フェミニズム小説『82年生まれ、キム・ジヨン』の爆発的ヒット
4 「女嫌」犯罪と#MeToo運動
5 LGBTQをめぐる問題
6 北朝鮮の女性たち
[コラム]南北を超えた恋愛ドラマ『愛の不時着』
おわりに
あとがき
参考文献
索引