再審制度の研究
価格:2,200円 (消費税:200円)
ISBN978-4-8057-0730-2 C3032
奥付の初版発行年月:2015年03月 / 発売日:2015年03月下旬
再審制度について、戦後の学説を整理し、現在までの最高裁判例を客観的に分析することにより、再審請求審における審理手続(審判対象、事実の取調べ、証拠開示、即時抗告審の在り方等)及び実体要件(新鑑定の新規性・明白性等)の諸問題に取り組んだ労作。これら諸問題は、再審開始を目指す運動論とも絡み合い、得てして論者の立場を反映した立論となりがちであるが、本書は、立場の相違を超えた、理論的な解明を目指す。例えば、再審請求審において「疑わしきは被告人の利益に」の原則が適用されるのか否かをめぐる論争についても、この論争がいかなる意義を有したのかといった視点から冷静な分析を試みる。
福島 弘(フクシマ ヒロシ)
1963年東京生まれ。1986年中央大学法学部卒業。1989年東京地方検察庁検事任官。
札幌法務局訟務部長、東京高等検察庁検事等を歴任、現在は福岡高等検察庁総務部長。
著書:『日本国憲法の理論』(中央大学出版部)
目次
第1章 再審請求審における審理手続
第1節 再審の理念
第2節 審判の対象
第3節 職権主義
第4節 事実の取調べ
第5節 証拠開示
第6節 再審請求審の決定に対する即時抗告審,異議審
第2章 再審請求審における実体要件〔その1〕
証拠の新規性について
第1節 新規性の意義
第2節 証人の供述変更と証拠の新規性
第3節 請求人の供述変更と証拠の新規性
第4節 新鑑定と証拠の新規性
第3章 再審請求審における実体要件〔その2〕
証拠の明白性について
第1節 明白性の意義
第2節 「疑わしきは被告人の利益に」の原則の適用の有無をめぐる論争の意義
第3節 確定判決の事実認定に事実誤認があったことと再審事由の有無との関係
第4節 確定判決が有罪認定に用いなかった証拠を確定判決の有罪認定を維持するために用いるこ可否
判例索引