現代中国の政治体制は、しばしば時事的関心の対象となる。特に、中国の存在感がいや増し、日中関係が緊密化・複雑化する今日、この巨大な隣国の政治体制は、日本人にとっても無視しえない意味を持つ。しかし、それが形成されてきた歴史的背景に思いが致されることは、意外に少ない。1949年以前の近代中国に今日の日本人が関心を持つとすれば、そのほとんどは日中戦争をめぐる文脈においてであろう。だが、現代中国の政治体制は、20世紀初頭以来の100年におよぶ模索の結果として、今日の姿となっているのである。中国政治体制の過去から現在そして未来までを、7人の歴史学者・政治学者が多角的に分析・討論する。