これまで日本で論じられることの少なかった詩人や作品にも光を当てつつ、１７世紀英国の詩を詳細に分析し、その本質に迫る。本書の構成は、具体的な詩作品を中心に論じた前半と、より広い文化的視座から１７世紀英国を考察した後半の２部から成る。前半はミルトン、ダン、ハーバート、クラショー、マーヴェル、ヘリック、カサリン・フィリップ、ロチェスター伯、ジョン・デナム等、それに彼らから影響を受けた詩人を中心に取りあげる。後半は、｢メランコリー｣｢鏡のイメージ｣｢大都市ロンドン｣｢香料｣｢庭｣ ｢ティー｣といったテーマに基づき英国文化を読み解く。本書全体で、１７世紀英国社会が浮き彫りになる。