イタリア20世紀史 熱狂と恐怖と希望の100年 Storia del Novecento Italiano:cent'anni di Entusiasmo, di Pause, di Speranza
価格:8,800円 (消費税:800円)
ISBN978-4-8158-0650-7 C3022
奥付の初版発行年月:2010年10月
最も信頼できる現代史 ——。20世紀初頭、国王陛下の「臣民」でしかなかったイタリアの「民衆」が、議会制民主主義と近代産業国家へと踏み出し、二度の世界大戦や内戦、冷戦といった幾多の困難を乗り越えて、イタリア「国民」となり「市民」となっていく曲折に満ちた道程を、密度濃く描き出す。複雑で魅力あふれる現代イタリアを理解する最良の一冊。
目次
第Ⅰ部 自由主義イタリア
第1章 ジョリッティ時代(1900-13年)
1.一つの時代の終わり
2.発展と後進性のはざまの国家
3.社会党を率いる改良派(1900-04年)
4.協力と非協力のあいだの社会主義者とカトリック教徒
5.中間層の政治的動員
6.発展と近代化
7.カトリック教会とカトリック教徒の政治参加
8.リビア戦争
第2章 世界大戦(1914-18年)
1.赤い一週間
2.ヨーロッパにおける戦争
3.参戦論者
4.中立論者の敗北
5.戦時のイタリア
6.国内戦線
7.勝利
8.成長過程の国
9.傷ついた勝利
第3章 自由主義国家の崩壊(1919-22年)
1.政治体制を左右する人民党
2.赤い二年間(1919-20年)
3.革命の約束
4. 戦士のファッショ
5.ジョリッティとファシズム議会化の幻想
6.イタリア共産党の誕生
7.ファシストが議会に入る
8.ローマ進軍
第Ⅱ部 ファシスト・イタリア
第4章 独裁制の誕生(1922-29年)
1.経済界とファシズム
2.武装解除しない行動隊
3.アチェルボ法と1924年選挙
4.マッテオッティ事件とアヴェンティーノ反対派
5.反ファシストの敗北
6.ファシスト体制の確立
7.ファシズムと文化と社会
8.ファシスト国家とカトリック教会の和解
第5章 全体主義国家(1929-39年)
1.ファシスト国家と経済 —— 90リラ相場政策から大恐慌へ
2.大恐慌下の労働者と農民
3.「人民のなかへ」—— 社会事業と公共事業
4.亡命地と地下活動の反ファシスト
5.国内外における合意の時代
6.エチオピア戦争
7.スペイン戦争
8.全体主義への転回と人種法
第6章 第二次世界大戦(1939-45年)
1.ヨーロッパ戦争
2.非交戦国から参戦へ
3.イタリアの並行戦争
4.イタリアの敗北
5.ファシズムの崩壊
6.イタリアが二つに分断されたとき
7.レジスタンスと連合軍
第Ⅲ部 イタリア共和国
第7章 再建期(1945-53年)
1.南部の戦後
2.「北部の風」
3.政治体制選択の国民投票と制憲議会選挙
4.冷 戦
5.再建期の経済政策
6.知識人の政治参加
7.農地改革・南部開発公庫・大規模な国内移住
8.安定した中道多数派の模索 —— シェルバ法
第8章 大変動の時代(1953-68年)
1.大右翼政党構想
2.民間企業家と公営企業家
3.中道左派という新たな均衡の模索
4.「忘れがたき1956年」
5.経済の奇跡の時代におけるイタリア社会
6.方向転換
7.「福祉国家」
8.社会からの抗議と学生からの抗議
第9章 鉛の時代(1968-80年)
1.新左翼
2.緊張の戦略
3.赤いテロリストと黒いテロリスト
4.民主主義社会
5.国家転覆と秩序のあいだの右翼
6.スキャンダルの季節
7.経済危機
8.歴史的妥協
第10章 世紀末の危機(1980-2000年)
1.退 潮
2.第二の経済の奇跡
3.新たな消費と新たな社会
4.政党システムの衰退
5.共産党と弱い野党
6.抗議の嵐
7.政党システムの解体
8.イタリアとヨーロッパ
9.新たな政治的均衡を求めて